レース活動に終止符。岡本章平がレース界から引退

ファイストン・インディライツ・シリーズ参戦を目指し活動をしてきました岡本章平ですが、今後の参戦を断念。レーサーとしてのキャリアに終止符を打ち、レース界から引退することを発表させていただきます。

アメリカン・モータースポーツに魅了され、岡本はこれまでアメリカン・モータースポーツ一本に絞ってレース活動を続けてきました。しかし2006年9月に開催されたインディ・プロシリーズ(現ファイアストン・インディライツ・シリーズ)の最終戦以来、レース参戦がなかったうえ、年齢(現在満30歳)のこと、そして現在の経済情勢からのスポンサー獲得難を考慮した上、自身の将来を考えた末の決断です。

岡本は12歳でカートデビューし、1996年関西カートランドFR-2クラス シリーズチャンピオンを獲得。1998年からFJ1600でのレース活動を始め、1999年にUSAスカラシップを受けて、アメリカへ渡りました。アメリカではフォーミュラ・ダッジ・イースタン・シリーズ新人賞を受賞し、2002年には日本へ戻りフォーミュラドリームに参戦。2005年にはNASCARダッジ・ウィークリー・シリーズ、2006年にはインディ・プロシリーズに参戦を果たしました。

最後に参戦した2006年インディ・プロシリーズ最終戦では、初参戦ながら予選3番手を獲得。決勝レースも最終ラップで後続車に追突されるまでは優勝争いをし、内外のメディアから注目されました。

レース活動以外にも、ツインリンクもてぎでストックカーを体験できる「岡本章平のストックカー・ドライビング・エクスペリエンス」などの講師や、FJなどのシリーズでドライバーズコーチを務めてきました。これらの仕事は今後の就職の状況などを考慮して、できる範囲で続けていく予定です。

岡本は今後、就職活動をする予定です。正式には2009年5月15日付けで引退。この日をもって、Speed of Japanとのマネージメント契約も終了します。

コメント

岡本章平
「本当に残念ですが、30歳ということもあり、今後の自分の人生を考えると、ここで引退することが最良と思い決断しました。これまで多くの人にサポートしてもらったことは、本当に心から感謝しています。特に父と母には感謝しきれないほどの気持ちで一杯です。これからの第2の人生で十分に恩返しをしたいと思っています。また、Speed of Japanに入り学んだこと、そして日本のレース界をリードするレーサーたちが所属する中、自分を暖かく迎え入れてくれたことに感謝します。最後にこれまでぼくを応援し続けてくれたファンの皆様に心から感謝いたします」

ロジャー安川
Speed of Japan所属、インディカー・ドライバー
「岡本君がレースから引退をする事を聞いて驚いています。初めてアメリカに来た時から通訳等で色々とお手伝いをさせてもらっていました。“NASCAR参戦を目指すんだ”とずっと頑張っていた事は、僕にとってもよい刺激になりました。岡本君のフットワークの軽さと人柄の良さがあれば、レース以外の道に進んでも必ず成功するでしょう。ヘルメットを脱いでもレーシングスピリットを忘れずに!!」

玉田誠
Speed of Japan所属、ワールド・スーパーバイク・ライダー
「本当にいいやつです。この世界、いろんな人がいますが、彼はその中にすぐにとけ込むことができました。引退すると聞いて、驚いたのと本当に残念な気持ちでいっぱいですが、この潔さがまた彼のよいところだと思います。自分が今後できることは彼の分も頑張ってチャンピオンをとることです」

チャールズ・チェン
Speed of Japan代表
「岡本がうちと契約したときに、30歳が区切りだねと言ったのを今でも覚えています。まさかその日が来るとは思っていませんでした。彼はレーサーとしてだけではなく、ひとりの人間として魅力あふれる存在です。うちのスタッフはもちろん、メディアのみなさん、チーム関係者やうちの他の所属選手からも親しまれていました。誰とでもすぐに仲良くなれるのが彼の才能のひとつでした。私の力不足からこの若さで引退に追い込まれた彼に心からお詫びを言いたいです。レーサーを引退し、Speed of Japanの所属レーサーではなくなりますが、これからは友人として彼を応援していきたいと思っています」