シンガポールGPでBMWザウバーのニック・ハイドフェルドと接触したフォース・インディアのエイドリアン・スーティルが、危険行為を行ったとして、戒告および罰金の処分を受けた。このアクシデントによってハイドフェルドは連続完走記録が絶たれることとなった。
19周目、スーティルは前を行くトロロッソのハイミ・アルグエルスアリにオーバーテイクを仕掛けたが、スピンし、コースアウトを喫した。再びコースに戻る際に、スーティルは通りかかったハイドフェルドに突っ込み、ハイドフェルドはサスペンションにダメージを負い、レースを終えることになり、スーティルもその数周後にリタイアした。スーティルは危険行為を行ったとして、スチュワードは彼に対し戒告を与えると共に2万ドルの罰金を科した。
ハイドフェルドは連続完走記録を更新し続けていたが、今回のリタイアによってそれが41戦で途切れることになった。レース後、ハイドフェルドはこのアクシデントは“馬鹿げた”事故だとして、怒りを表している。
「僕の意見では、あれは明らかにエイドリアン・スーティルが悪いね。当然、当事者としてコース上で見たし、後でビデオでも見た結果、そう思う。彼はスピンして後ろ向きになり、そのままコースに戻ってきて、まっすぐ僕のマシンに突っ込んできたんだ。あんなことしてはだめだ。僕はあのアクシデントを避けることなどできなかった。僕は燃料をたくさん積んで最後尾を走っていた。後方集団のスピードはすごく遅かったから、かなり序盤から燃料をセーブし始めた。どっちにしてもオーバーテイクは不可能だったからだ。今日は僕のレースがうまくいくチャンスはほとんど期待できなかったけれど、それでもあんな馬鹿げた事故のせいで完走できないなんて、やっぱりムカつくよね」
一方のスーティルはあのアクシデントはレーシングアクシデントであると言いながらも、謝罪をしている。
「僕らは1回ストップで燃料をたっぷり積んでいたので、スタートは本当にフラストレーションがたまったよ。でもハイミがものすごく遅くて、マシンに手こずっていて、僕はずっと彼におさえられてしまった。何度か彼を抜こうとトライして、ようやくチャンスを見つけた。それでやってみたのだけれど、うまくいかなかった。少しブレーキングが遅れてスピンして、それでああいうことになった。そこにニックがコーナリングしてきて、コーナーでスタックしている僕のフロントウイングにヒットした。動き出した時には彼が来るのが見えなくて、対処することができなかったんだ。でもこのことについては申し訳なく思っているよ。レースインシデントではあるけれど」
