カナダGP決勝で起こったセルジオ・ペレスとフェリペ・マッサのクラッシュ。オーストリアの現地の金曜日に再審議された、結果、最初のペナルティどおり、ペレスの5グリッド降格が決定した。

 金曜日の現地時間18時過ぎに発表されたスチュワードの結果は、ペレスとフォース・インディアにとっては無情の結果となった。

「スチュワードは新事実を検証し、両ドライバーへのヒアリング、そしてビデオ判定、両チーム並びにFIAのテレメトリーデータなどあらゆる事実を踏まえて熟慮した結果、当初の判定(ペレスの5グリッド降格)どおりとすることとなった」

 スチュワードの判定の基準となったのは、やはりブレーキングエリアでのペレスの行為だ。

「ペレスは自分のポジションを守る役目はあったが、どんな場合でもブレーキングエリアではマナーを優先しなければならなかった」

 レース界の常識として、ブレーキング時にラインを変更することはタブーとされている。ブレーキング時はクルマの向きを変えることは極めて困難で、相手に寄せられたとしてもそれを避けることはほぼ不可能に近い。カナダでのペレスとマッサのクラッシュも、映像で見る限り、ペレスがタイヤ1本分程度、クルマを寄せていることが分かる。

 今回は元の裁定のまま、ということになったが、再審査の決め手となった「新事実」が何であったのか詳細は分かっていない。スチュワードの発表では「新事実はドライバー(ペレス)の口答の説明と、フォース・インディアチームから提出されたテレメトリーデータを指す」と記してあるが、裁定を覆すほどの事実ではなかったことは確かだ。

 再審議はスチュワードが本人のヒアリングなしにペナルティを決めてしまったことの不手際に対する負い目もあったのかもしれない。だが、前日の会見ではペレスは「僕は何も悪いことをしていない。それを示す十分な証拠を僕らは持っていると信じている」と自信満々に語っていたが、その証拠も自信も、今となってはいったい何だったのか。

 木曜日の会見では「事故についてフェリペと話をしましたか?」とのジャーナリストの問いに、「フェリペとは話す機会がなかった」と答えたペレス。しかし、マッサの方はカナダのレース後に「『君は学ぶ必要がある』と彼に言ったよ。僕の立場になってみればいいんだ。すごく大きなクラッシュで、正直言ってけがをするかと思った。彼は何も言わずにその場を立ち去った。学習してくれるといいんだけどね」とコメントしており、意見も食い違っていた。

 いずれにしても、今回の一連の出来事は、セルジオ・ペレスの今後のF1のキャリアに影響を及ぼし兼ねない。

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