レッドブルのイバラの道は続く。「明日以降は、順調に周回を重ねられる」と前日にルノーが大見得を切ったにもかかわらず、この日ステアリングを握ったダニエル・リカルドは、わずか3周でギブアップ。トラブルはまったく解決されていないことが露呈した。ケータハムもルノーのパワーユニット由来のトラブルでまともに走れなかったが、シリル・アビデブール代表によれば、「問題はバッテリーだけじゃない。こちらを解決すると、別の箇所でトラブルが出るという状態でね……」と、かなり深刻な状況であることを指摘していた。
対照的に、メルセデス勢はこの日も絶好調だった。中でもマクラーレン。前日にジェンソン・バトンがトップタイムを出したのに続き、この日は新人のケビン・マグヌッセンが総合トップに立った(バトンもこの日走行し、4番手タイムを記録)。もちろんこの段階でのトップタイムなど何の意味もないが、マクラーレンは周回数でもふたり合わせて92周をこなし、ギヤボックストラブルで62周にとどまった本家メルセデスをしのいでいる。
注目すべきは、マグヌッセンの安定した速さだろう。昨年までに計3回のF1マシン運転経験があるとはいえ、「まったく落ち着いていて、危なげない運転でした。技術的なフィードバックも、素晴らしい」と、今井弘主席エンジニアも絶賛する。チームはかなり早い段階で昨年のマシンに見切りをつけ、今季に向けた開発に舵を切っていた。それだけにパドックで話題になっている壁のようにマシン後部をふさぐリヤサスペンションなど、まだまだ隠し球が出て来そうな気配である。
昨年までのタイトルスポンサー「ボーダフォン」を始め、ほとんどのスポンサーが消えてしまったマクラーレンは、テストでスタッフが着ているウェアも黒灰色基調の、暗~いものだ。しかしテストの好調を反映して、彼らの表情は自然に明るい。上層部の言葉を信ずるなら、「予算的な問題はまったくない」そうだし、再び優勝戦線に躍り出る可能性も十分にありそうだ。
