ミド・オハイオ・スポーツカー・コースで行われているIZODインディカー・シリーズ第12戦。5日に行われた決勝レースを、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が制した。予選で苦しんだ佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)は、13位でフィニッシュした。
シリーズ第12戦ホンダ・インディ200は、チャンピオン争いを益々混沌とさせる結果となった。ランキング4位のディクソンが優勝し、ポイントリーダーとして今週末を迎えていたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)は、シボレー・エンジンのトラブルで25台の24位に沈んだのだ。彼は第10戦トロントで手に入れたポイント・トップの座を明け渡し、ランク2位へと下がったのだ。
ランキングトップとなったのは、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。ポールからスタートし85周のうちの57周をリードしながら優勝を逃し2位フィニッシュ。しかし、ランキング3位から一気にポイントリーダーに返り咲いた。
ランキング2位だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)はエンジン交換のペナルティにより23番手スタート。16位までしか順位を挽回できずにゴールを迎え、ポイント3位へと後退した。ソノマ、ボルチモア、フォンタナの3レースを残し、4人のチャンピオン候補が28点の僅差にひしめく状況が生み出された。
朝方に豪雨があり、インディカーのウォームアップ・セッションはウエットコンディションで20分間だけ行われた。レースも雨の影響を受ける可能性が考えられた。雨を望むドライバーも少なからずいたが、雨雲はコースの南側を通過し、レースはドライのままゴールまで戦われた。
85周のレースを2ストップで走り切れるのか? 燃費セーブが非常に重要なファクターとなった。しかも、エドモントンに続いてフルコース・コーションが一度も出されないレースとなり、燃費はますます厳しい状況となっていた。
そんな中1回目のピットストップまでに3分の1のラップ数である28周を走り切れたのはパワー、ディクソン、セバスチャン・ブルデー(ドラゴン・レーシング)、ライアン・ブリスコ(チーム・ペンスキー)の4人。全員が1回目のピットストップを終えた時点でパワーはトップを保ち、2位には4番手スタートだったディクソンが浮上した。
レースはパワーがスタートからリードを続け、ポールポジション、最多リードラップを記録しての完全優勝を飾る勢いを見せていた。しかし、2回目のピットストップで逆転が起きた。ディクソンがピットアウトでパワーの前に出たのだ。
意外にも、このアウトラップでディクソンはパワーを大きく突き放した。まだ温まっていないコールド・タイヤでの走りによって勝利を引き寄せたのだ。燃費セーブも実現しながらトップを悠々と走り続けたディクソンは、ミド・オハイオでの2年連続、通算4勝目をマークした。この今シーズン2勝目は、彼をチャンピオン争いに留まらせる大きな意味を持つものとなった。
優勝したディクソンは、「ミド・オハイオでまた勝つことができて嬉しい。ここは自分が大好きなコースだ。予選は第二セグメントでタイヤを酷使し過ぎ、ファイナルで十分に力を発揮できなかった。しかし、レースでの僕らには速さがあった。特に、ピットストップでのセッティング変更が大きな効果を発揮していた」
「僕がミド・オハイオで速い理由は、チップ・ガナッシというチームにあると思う。チームは伝統的にこのコースで速いんだ。今日は2回目のピットストップで2位からトップに上がり、逃げ切った。あまりにスンナリとリードを広げられたので、ピット・アウト直後、自分だけ達成すべき燃費セーブの数字を間違えているのかと無線でチームに確認したほどだった。今日のマシンは完璧で、仮に2位のままピットアウトしていてもパワーにアタックできていたと思う。トップ4が28点以内。シーズン終盤の3戦は凄まじい戦いになるね」と語った。
2位のパワーは、「勝ちたかったのは当然だが、ディクソンがコールドタイヤの走りで素晴らしいところを見せていた。今日は2位でもハッピーだ。ポイントリードも取り戻した。ピットストップの差で負けたと見る人もいるだろうが、それは我々のクルーたちにとって少し厳し過ぎると思う。今日の場合は、ディクソンの方がピットへのアプローチも、ピットアウトもスムーズにできる有利さがあった。チーム・ペンスキーのピットストップはシーズンを通して素晴らしい」
「次のソノマも、その次のボルチモアも僕は得意なコース。フォンタナは走ったことがないのでわからないが、自分たちができることはすべてやる。目指すはシリーズタイトルだ」と語る。
3位争いはブルデーと予選3番手だったサイモン・ペジナウ(シュミット・ハミルトン)、ふたりのフランス人ドライバーの間で争われ、ペジナウが今季3回目の表彰台に上った。
予選2番手だったダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)は、1回目のピット・ストップを1周早く行い5番手まで後退。その後にジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポーツ)にオーバーテイクを仕掛けた際に接触、フロントウィングを壊してピットストップを一度多く行い、17位という結果に終わった。
佐藤琢磨が期待した雨は降らなかった。しかし、17番手スタートから13位フィニッシュを達成した。スタートから7周でピットに入る3ストップ作戦は、ある程度の効果しか発揮できなかった。琢磨よりひとつ後ろの18番グリッドからスタートしたトニー・カナーン(KVRT)は、同じ作戦で6位フィニッシュしていた。
「厳しいレースでした。4つポジションを上げることはできたけれど、残念な結果ですね。今年は常設ロードコース・サーキットのレースはこれで2戦目。自分たちはまだスピードが足りていないことを痛感させられました」
「来週、カリフォルニア州ソノマで行うテストでロードコース用セッティングについて理解度を深めたい」とも彼は話した。
