ホンダはロシアGPに今季残りの4トークンを使ってアップデートした「スペック4」のパワーユニットを、フェルナンド・アロンソ車のみフリー走行1回目に投入。そのときからエキゾーストノートが変わった。スペック4ではICE(エンジン)を中心に燃焼効率の向上を見直すとともに、排気管も変更しているからだ。

 これまでホンダの排気管はICEのVバンク外側のエリアを空力優先で確保するため排気管は極端に短い仕様となっていた。しかし、排気管の形状は燃焼効率に直結する重要な役割を果たし、理論的に最も効率が良いのは気筒ごとの排気管がすべて同じ長さとなる等長タイプだと言われている。昨年は排気管が短かったメルセデスが、今季は等長を採用しているのもエンジン本体の燃焼効率を上げることが目的だと考えられる。そして、ホンダもスペック4に等長タイプの排気管を採用してきた(写真1枚目)。

 現在のレギュレーションでレース中に搭載できる燃料は最大100kg。燃焼効率の改善イコール、パワーアップを意味する。パワーが上がれば車速も上がり、コーナリングスピードを上げるには、よりダウンフォースが必要。マクラーレンはホンダのスペック4に合わせて、アメリカGPから新しいフロントウイングを投入してきた。アッパーフラップのスリット形状と翼端板に設けられた穴の形状が変更されている(写真2枚目:赤の矢印)。

 この変更によって、中高速コーナーが多いアメリカGPではフロントのターンインが安定。一方で低速コーナーが多いメキシコGPではリヤのダウンフォース不足に苦しみ、テクニカルセクションでタイムを失っていた。

 現在のF1は、いかに100kgの燃料を効率良く使うか、いかにパワーを効率良く路面に伝えてラップタイムを上げるかという総合力の問われる戦いとなっている。パワーが上がっても、グリップ不足でリヤタイヤが滑ってしまっては意味はなく、今後リヤ対策にどのようなアップデートを投入してくるか注視したい。

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