ロータス/KVレーシングの佐藤琢磨は、第8戦アイオワの決勝でレース中盤には3番手までポジションを上げる活躍を見せた。しかし、バックマーカーを追い越す際にタービュランスに巻き込まれてウォールにクラッシュしてしまい、非常に惜しいかたちでレースを終えてしまった。
第8戦アイオワ・スピードウェイ決勝
6月20日
天候:曇り
気温:摂氏28〜29度
トップ3まで順位を上げたところでクラッシュ
オーバルの表彰台が見えた戦い
オーバルでの自己ベストとなる予選7位だった佐藤琢磨は、そのポジションをスタートで守った。ピット・ストップでポジションを落とすこともあったが、琢磨はコース上で着々と順位を上げて行く走りを見せた。トニー・カナーン、エリオ・カストロネベス、スコット・ディクソンといったトップ・ドライバーたちとポジションを争い、琢磨はトップ3にまで手を届かせた。しかし、そこからさらに上位を目指そうという時、周回遅れのアレックス・ロイドがラインを変えて乱気流を琢磨に浴びせる形となり、接触こそしなかったが、琢磨のマシンはアウトサイドの壁へと一直線に滑って行った。3位走行中のクラッシュによるリタイアは非常に残念だった。しかし、今回のレースで琢磨はオーバルでも十分なスピードを持っていることを強烈にアピールした。
Q:いい走りをして3位まで浮上したのに、アクシデントになってしまいました。何が起きたんでしょう?
A:チームに対して本当に申し訳ないです。あの時は周回遅れのクルマが自分の前に2台いて、彼らをもう一度周回遅れにするところだったんです。僕はかなりの勢いで接近して行ったので、彼らをイン側から抜くつもりでした。イン側が開いてたので、そこにノーズを入れたんですけど、その時に突然、1台が下りて来た。物凄い乱気流を受けて、一気に僕のマシンはフロントノーズが外側へと向いた。もうその後はもうどうしようもできなかったですね。
本当に残念。ここまでチームも本当に頑張ってくれていて、素晴らしい仕事をしてくれていただけに……。今回のレースでは、週末を通してとても良いステップを踏めて来ていました。今日のレースもピットストップのたびにクルマを調整して行って、コンディションに合わせた良いマシンへとレベルアップをして行けてたんです。トップグループについていって、チャンスを窺って、ポジションアップをして行けてました。本当にスゴい残念。ただ、ひとつひとつ、これも勉強だと思うので、今日の失敗を反省点として、次のオーバルの時に活かしたいです。当分オーバルのレースは来ないんですけどね。
Q:スタートでポジションを保ち、序盤のペースも非常に良かった。そうした中でセッティングの調整というのは、何が必要だったんですか?
A:もちろん、大きくセッティングが外れていたということはなかったんです。ただ、前戦のテキサスでは最初のスティントで大きくペースを落とさざるを得なかった。あれの反省点を踏まえて、今回はかなりスタートからアグレッシブなセットアップになってました。それでも基本的にクルマはコンサバティブに作っているところが自分たちにはあるので、アンダーステアでクルマが曲がらない方向にありましたね。それをピットストップのたびにタイヤの内圧とフロントウイングの角度調整で対応しました。
走行中にはコクピットの中でできることは全部やっていました。それでもカバーできない状態だったので、マシンのセッティングを変えて行ったんです。自分以外のドライバーたちもみんなも苦しんでいたようなので、同じようなペースでトップ集団で走ることができて、スティントの終わり、みんなのタイヤがタレて来た頃に、自分たちはキッチリとセーブをしていたので、その成果としてアンドレッティ・オートスポートのライアン・ハンター-レイと、チップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンをオーバーテイクして、さぁ、これからトップ2を捕まえに行くか、という雰囲気でした。あの時点ではもうクルマもかなりまとまって来ていたし、最後のピットストップで再調整して、最終スティントにはさらにペースを上げられるんじゃないかっていう感じでした。
Q:自分の前にはもう2台しかいない状況でした。
A:トップ2を追いかける感じだった。周りと同じようにタイヤの磨耗はあって、その中でチャンスを窺うっていう戦い方になっていたと思いますが、自分としてはかなり良い手応えを掴んでました。残りのレースを考えると、もっと上の順位にもチャレンジができてたんじゃないかと思います。
Q:ロングラインになると速いマシンになっていたようでしたね?
A:再スタートも失敗しなかったし、だんだんオーバルレースの色んなことがわかって来てますね。ただ、周回遅れの処理をああいう形で迎えるとは自分でも思ってなかった。それだけに本当、残念ですよね。まぁ、これで経験してないことって、もうオーバルレースではないんじゃないかな?
Q:トップグループの中でオーバーテイクをあれだけできたのは自信に繋がるのではないですか?
A:楽しかったですね。楽しかった。スティントごとにクルマが変わって行くのを体で感じてたし、それに合わせてアンチロールバーとかウェイトジャッカーを調整をして、ギヤやスロットルもコントロールして走ってた。そういうのを今回は凄く学べましたね。トラフィックの中では全開で走れない。そういう部分で、どこでアクセルを抜いて、どこで踏み込むとか、そういう面も凄く勉強できて楽しかった。今日はリズムにも乗れてた。それだけに、まったく予想外の展開になってしまいましたね。まぁ、だからこそアクシデントって起るのかな、とも思います。
Q:オーバルを4レース経験して、シーズン後半戦のオーバル連戦で上位で戦うためのベースラインはできましたね?
A:そうですね。しかも、4つのオーバルすべてがとてもユニークで、全部が特性の異なるオーバルでしたから、シーズンはこれからロードコースに戻りますけど、最後のオーバル連戦に向けては凄く良い下準備ができたと感じてます。同じ失敗はもうしません。
Q:ショートオーバルは今年はこの1戦だけですが、上位を走り、気に入ったんじゃないですか?
A:楽しめましたからね。このクルマには、こういうコースが合っているのかもしれない。タービュランスも受けるけれど、全体的な速度域が低いので、ウイング面積が広い分、タービュランスがあっても、ちょっと顔を出すだけで空気をピックアップしてくれる。そういうのってスーパースピードウェイだと感じられないですからね。
Q:次戦からはロードコースの連戦です。
A:凄い楽しみ。ようやくロードコースに行けますね。
Q:チームともさらに噛み合って来たところですよね?
A:先週、ワトキンス・グレンでのテストが雨のためにできなかったのが凄く残念だったけど、きっと僕らのマシンは良いと思いますよ。僕自身もロードコースを久しぶりに走りたいので、楽しみにしています。
