昨年までスクーデリア・フェラーリで、ビークル&タイヤインタラクション・デベロップメントとして活躍した浜島裕英。その浜島さんのコラムがF1速報サイトで連載中です。題して、「浜島裕英のグランプリ人事査定」。今回、F1速報サイトでしか読めない第18回コラムの一部をお届けします。

第十八回査定「苦肉之策」
 メキシコGP。標高2.235mというエルマノス・ロドリゲス・サーキットのロケーションと新しい路面が、チームやドライバーに難題を突き付けたグランプリでした。

 日本にあるこの辺りの高さの山は、山形県と秋田県にまたがる鳥海山:2.236m、北海道の大雪山系にある白雲岳:2.230m、そして群馬県尾瀬にある至仏山:2.228mなどですから、サーキットの状況が、いわゆる地上とは大きく違いそうな感じが、何となく解るでしょう。

 この高度によって、大気圧は概ね0.77気圧(標高0m、気温15℃で1気圧とすると、標高2.200mでは、気温0.71℃で0.765気圧)で、そして空力に効く空気の密度は、1.225 kg/立方メートル(@標高0m)が0.986 kg/立方メートル(@標高2.200m)へとほぼ20%減少するのです。

 空気抵抗とダウンフォースは、空気密度に比例しますから、モナコGPと同じ空力のパッケージを付けたとしても、空気抵抗は20%減って最高速が伸び、ダウンフォースも20%減る計算になります。

 また空気が薄いことにより、色々なものの冷却効率は低下してしまいます。運動エネルギーは、高地に行っても同じですから、最高速が出てしまったクルマの速度を、ダウンフォースが少ないためにグリップが低いタイヤでクルマをコーナリングさせるには、いつも以上に減速させなくてはなりません。このためブレーキの仕事量は増加しますから、当然発熱量は増大することになります。これを冷却するためには、大量の空気が必要になるわけですが、ブレーキダクトの開口部の大きさの規定があるため、冷却用の空気を多くすることはできず、しかも前述したとおり通常よりも冷却効率が悪いので、ブレーキがオーバーヒートし易くなりました。

 これが、いつも以上にブレーキに課題を抱えたクルマが多く見られた原因です。フリープラクティスでメルセデスAMGのクルマのブレーキから出火したのも、これが一因だったと考えていいでしょう。

ロズベルグに手厚い戦略
続きはF1速報有料サイトでご覧ください

本日のレースクイーン

月島奈々つきしまなな
2026年 / D1グランプリ
Repair create GR garage 西風新都 Resultjapan レースアンバサダー
  • auto sport ch by autosport web

    SUPER GT PARADE LAP EP.2 Produced by autosport web

    禁断のGT500スワップ企画第2弾!
    ニッサンZのコクピットに坪井翔と野尻智紀が潜入

  • auto sport

    auto sport 2026年12月号 No.1626

    特集 GAME CHANGER
    一夜にしてカテゴリーの趨勢を塗り替えた
    名車・名プロジェクト

  • asweb shop

    鈴鹿1000km 50回大会記念
    メモリアルフォトブック


    1966年に始まった鈴鹿1000kmレースの歴史を、50回大会を記念して振り返るメモリアルブック

    3,000円