2015 年10月21日
2015 ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 第7(最終)大会レビュー
--笹原右京、大荒れの最終大会で5位入賞--

■大会概要
開催地:スペイン(ヘレス:一周4.428km)
開催日:2015 年10月16日(金)~18日(日)

■ヘレス・レビュー
10月16日(天気:曇り/路面:ドライ)練習走行1回目 3番手/練習走行2回目 24番手
10月17日(天気:晴れ/路面:ドライ) 予選1回目 7番手
10月17日(天気:晴れ/路面:ドライ) 予選2回目 9番手
10月17日(天気:雨/路面:ウェット) 決勝レース19位
10月17日(天気:曇り時々雨/路面:ウェット) 決勝レース216位
10月18日(天気:雨/路面:ウェット) 予選3回目 9番手
10月18日(天気:曇り/路面:ウェット~ドライ) 決勝レース3 5位

 2015シーズンを締めくくるユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0(EURO CUP FR2.0)第7大会は、10月16~18日にスペイン・ヘレスで27台の参加により実施されました。ART ジュニアチーム所属の笹原右京(ささはら うきょう/19歳)は、7番グリッドからスタートした決勝レース1は9位、9番グリッドからスタートした決勝レース2は16位、9番グリッドからスタートした決勝レース3は5位でした。

 16日に実施された50分間×2回の練習走行では、1回目に3番手、2回目に24番手のタイムを記録しました。翌17日に実施された予選は2組に分けられ、笹原はグループAに割り当てられました。決勝レース1のスターティンググリッドを決める予選1回目は1分40秒598を記録してグループ4番手、決勝レース2のスターティンググリッドを決める予選2回目は1分40秒885を記録してグループ5番手となりました。

 17日午後の決勝レース1(25分間+1周)は強い風と雨に見舞われ、セーフティカー(SC)先導でのスタートとなりました。しかし、気象条件や路面改善を待つうちに各所で軽微な事故があっただけでなく、複数の車両がコース上に停止してしまい4周終了時点で赤旗掲示、競技は仕切り直しとなりました。約10分後に再びSC先導でスタート、今度は僅か1周でSC退去となり競技が始まりました。7番グリッドの笹原は、この機会に先行車両を抜いて6番手へ浮上しました。しかしその後は、マシンのセッティング不調でペースがまったく上がらず防戦一方の展開。後続車両の追撃に為す術なく、9位でチェッカードフラッグとなりました。

 同日夕刻の決勝レース2(25分間+1周)は雨風が弱まったとはいえ、路面は相変わらずのウェットコンディション。SC先導で競技はスタートしたもののすぐに赤旗となり、ドライバーは23分57秒+1周を残してピットレーンで競技再開を待ちました。傾きかけた日差しが時折サーキットに戻り始めた約20分後、再びSC先導で競技はピットレーンからスタート。2周のコース確認走行を終えてSC退去、笹原は得意のスタートダッシュを活かせず9番手から10番手へ後退。マシンのセッティング不調は相変わらずで徐々に順位を落とし、16位でチェッカードフラッグを受けるに留まりました。

 18日午前の予選2回目にも笹原はグループAから出場、1分56秒322を記録してグループ5番手となり、9番グリッドから決勝レース3で臨みました。同日午後の決勝レース3、笹原は第1コーナーで発生した事故に巻き込まれることもなくまずは7番手へ進出し、途中、SC走行を挟みながら周回を重ねました。前日とは見違えるほどペースは良く、レース終盤には6台による4番手争いに食い込み、最後は5位でチェッカードフラッグを受けました。

 なお、笹原の2015シーズンのヨーロッパでの活動は本大会をもってひとまず終了します。来たる2016シーズンの活動につきましては決定次第、皆さまへ速やかに報告させていただきます。1シーズンにわたりたいへんお世話になりました。今後も引き続き笹原にご注目いただき、末長いご支援とご声援をよろしくお願い申し上げます。

■笹原右京のコメント
「16日の練習走行からマシンは良くもなく悪くもなく、いまひとつペースが上がらず厳しい感触だけが残りました。17日の2回の予選はいずれも、前日同様クルマにはっきりとした手応えが感じられず、ベストを尽くしたものの不満の残る結果でした」
「ウェットコンディションで迎えた17日の決勝レース1、挽回のチャンスが増えたので期待が膨らみました。しかし、フォーメーションラップの段階でマシンのセットアップに大幅なズレを感じ、厳しいレースとなりました。まったくペースが上がらず落ちていく一方で、9位フィニッシュできたこと自体が奇跡でした。ライバルに比べるとラップタイムは一周あたり2~4秒近く遅く、コースに留まっているだけで精一杯でした」
「17日の決勝レース2も雨でウェットコンディションとなりました。クルマの状態はチームの調整を受けて少しだけ改善されましたが、走りにくさは相変わらずでした。しかも、レース途中の赤旗でピットへ戻った際、ダッシュパネルの情報のすべてが表示されなくなる故障に見舞われました。原因究明も復旧も叶わずそのまま再開後のレースに臨みましたが、セーフティーカー(SC)走行中に第2コーナーでギアがひとつ落ちていたのが分からずスピンを喫して順位を下げました」

「決勝レース3に向けた18日の予選は、異常気象と思えるほどの大雨に見舞われました。決勝レース3では、路面のところどころが濡れていたものの、スリックタイヤを装着してのレースとなりました。僕自身はいち早くベストな走行ラインを見つけられて、ペースはライバルの誰よりも速かったと思います。9番グリッドからのスタートでしたが随所で追い抜きを決め、レース途中のSC導入で表彰台を狙えるチャンスを失いましたが、5位でチェッカードフラッグを受けました」

「最後の最後にやっと戦闘力のあるマシンに恵まれたものの、最終大会は喜びと怒りが半分半分でした。とくにここ数戦、ウェットコンディションでマシンはまったく戦闘力不足で、我慢のレースを強いられました。ウェットコンディションのレースを得意とする僕にとっては苦痛でした。一方、ドライコンディションでの戦闘力向上では、僕の意見がチーム全体に大きく貢献しました」
「もっとも、ドライバーズランキング7位はまったく満足できない成績です。あまりにも取りこぼしの多いシーズンだったと思います。7レースも取りこぼしてしまっては、チャンピオン争いに食い込むのは不可能です。たしかに自分のミスも原因のひとつですが、大半はクルマのセットアップのミスであり、そのミスへの対処が遅れたのは致命傷でした」
「とはいえ、今年はフォーミュラ・ルノー2.0 NECとユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0でひとつのレースも欠かすことなく最後まで戦いきれました。シーズンが始まる前は、ここまでやれるとは想像していませんでした。僕のレース活動を支えてくださったスポンサー、僕の真剣な気持ちを叶えようとしてくれたART ジュニアチーム、そして僕を応援してくださったファンのおかげです。すべての皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!」

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