一方、2019年のWorldRX世界ラリークロス選手権チャンピオンである兄のティミー(#21/プジョー208WRXスーパーカー/レッドブル・ハンセンNRXチーム)も「週末を通じて、まるでトラクションが得られなかった」とプジョーのセットアップに苦しみ、からくも4列目7番手でファイナル進出を果たすのがやっとの状態に。

 そんなライバルたちを尻目に、好調さを披露したのがスバル・モータースポーツUSA艦隊で、ファイナルをフロントロウからスタートした2台はそのまま8周のヒートを危なげなく走破し、3位に入ったバッケルドとともにスバルがポディウム独占の快挙を達成した。

「チャンピオンシップ獲得の“ハンティング”に参加することは、僕自身予想もしていなかったことだ。スコット(・スピード)は僕のドライビングを進化させる手助けをしてくれたけど、前戦の勝利で『これはもう何も教えてくれないのでは?』と、正直、貴重なメンターを失ったと思っていたんだ(笑)」と続けたシリーズ発起人のひとりでもあるパストラーナ。

「僕はスコットのようにはドライブできないし、ハンセン兄弟のようなスタイルも真似できない。スバルは彼らのプジョーより大きく、それを機能させるにはもう少し大きくフリックさせる(車体のアングルをつける)必要があるんだ。モトクロス上がりの僕にとって、ここグレンヘレンでの最初の勝利は格別だね!」

 一方のスピードも「ここは僕の自然な感覚とは少し違うタイプのトラックだったけど、トラビスとともに学び助け合い、進歩を続ける環境があるのは素晴らしいこと」だとチーム連携の成果を強調した。

 3台のWRXに続いて4位には「101%のプッシュを続けたけど、あと少しでスバルをパスする機会が得られずイライラした。でもこちらも限界を超えていたから、今日の4位には満足」だと語ったエリクソン兄弟の弟ケビン(#23/ホンダ・シビック・クーペ・タイプR/オルスバーグMSE)が続き、5位にティミーのトップ5となった。

 この週末の結果を受け、スタンディング上では182点としたパストラーナが首位に浮上。175点でスピード、165点でシリーズ序盤を牽引したティミーが追う展開に変わったナイトロRX。これで初年度シーズンも最終戦を残すのみとなり、初代チャンピオンの行方は12月4~5日のノース・フロリダの“The Firm(ザ・ファーム)”で決することになる。

苦戦のケビン・ハンセン(#9/プジョー208WRXスーパーカー/Red Bull Hansen NRX Team)はまさかのセミファイナル敗退に
苦戦のケビン・ハンセン(#9/プジョー208WRXスーパーカー/Red Bull Hansen NRX Team)はまさかのセミファイナル敗退に
スタンディング上では182点としたパストラーナが首位に浮上。175点でスピード、165点でシリーズ序盤を牽引したティミーが追う展開に
スタンディング上では182点としたパストラーナが首位に浮上。175点でスピード、165点でシリーズ序盤を牽引したティミーが追う展開に

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