初日に順位を失っていることから、引き続きクルマの理解を深め自信を高めることにフォーカスを置いて臨んだ競技2日目では、ところどころでハイブリッドシステムが作動しない問題に見舞われた。
それはデイ2の午後に向けて交換したユニットでも発生。正常にブーストが効く場合は好ペースで走れていたが、高速ストレート同士を直角のジャンクションでつなぐイープルのステージ特性上ハイブリッドの効果は大きく、ブーストを失った状態でのタイムロスは決して少なくなかったと勝田はみている。
「今年のクルマのハイブリッドの特性でいうと、(イープルは)しっかりとブレーキによる回生ができて、立ち上がりでブーストを使える区間が他のラリーに比べて多かったと思うので、(ハイブリッドが)使えないとなるとロスは非常に大きかったと思います」
「例えで言うと、パワーステージ(最終SS20)でも1回使えなかった部分があるのですが、おそらくトラブルかなにかで使えるはずの場所でブーストを使うことができず、その1区間だけで軽く1秒ロスしています」
「ひとつのストレートだけでそれだけロスするということは、(SSの全区間で使えなければ)基本的に多くの場所でロスしているはずです。“何kmのステージでどのくらい”と言うのは、ステージのコーナーの数などで違ってくるためなんとも言えないですが、間違いなくグラベルラリーとかスウェーデンのようなラリーと比べると大きなロスがあったと思っています」
そんな状態にありながらも、勝田は2日目午前のSS10までにトップ10圏内の総合9番手に復帰する。続くSS11で7番手にポジションを上げると、1日の最後にはライバルの離脱によって6番手となった。
最終日のデイ3にも順位をひとつ上げ最終的に総合5位に。前述のとおり1度ブーストが使えなかったパワーステージではステージ5番手タイムを記録し、ボーナスの1ポイントも獲得してみせた勝田は今戦について次のように総括している。
「本当に金曜はどうなることかと思ったのですけど、最終的には総合5位でポイントをしっかりと取れて、ターマックのフィーリングもいい感じでつかむことができました」
「次戦のグリース(アクロポリス・ラリー・ギリシャ)はグラベル(未舗装路)ラリーですけど、その後に控えているスペインに向けていいテストというか、自分自身の改善ができたんじゃないかなと感じています」

