ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)のマネージングディレクターであるジョナサン・ディウグイドによると、今週デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われたIMSA公認テストでは、2台の“ファクトリー”ポルシェ963が「フルアップデート」された状態で走行したという。
ポルシェは、WEC世界耐久選手権やIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの2024年シーズンに向けて、今年デビューしたプロトタイプカーにアップデートを実施する唯一のLMDhメーカーであると理解されている。
一方、ライバルメーカーであるアキュラ、BMW、キャデラックは、さまざまなコンポーネントの再ホモロゲーションをともなう“EVOジョーカー”を求めないことを選択した。
「私たちはそのプロセスにおいて、かなり進んでいると思う」とディウグイドはSportscar365に語った。
「今週はカスタマー(チームの963)がこの場所にいないが、PPMのクルマについてはIMSA、FIA国際自動車連盟、ACOフランス西部自動車クラブと議論し、彼らの要請で暫定的に承認されたアップデートをすべて前倒しして投入した」
「クルマはここで完全なアップデートを受けているんだ。我々はそれを進めている」
同氏は、すべてのアップデートが認可団体によって条件付きで承認されたかどうかについては確認しなかったが、マシンは2024年シーズンに向けてレースを戦うことを意図した仕様になっていることを示した。
「条件付き(承認)なのか何なのか、それを説明する方法はわからないが、私たちは何が承認されず何が承認されたのかは分かっている」と彼は述べた。
「私たちは基本的に、前倒しのアップデートについて『2024年のレース(仕様)はこうなることを期待している』と言った」
ポルシェのLMDhファクトリーディレクターであるウルス・クラトルは今週デイトナに姿を見せていないが、以前Sportscar365の取材に対し、メーカーはドライバビリティと信頼性の向上を中心にアップデートを進めていると語っていた。
彼はまた、すべてのアップデートが変更されていないボディワークの下で行われるため、クルマの視覚的な変更を期待しないようにとも言った。
ディウグイドは「全般的にそうだが、主な焦点は信頼性のアップデートだ」と語る。
「なぜなら、新しいシーズンに向けて私たちが片付けなくてはならない最大のポイントが信頼性だからだ」
「パフォーマンス関連のアップデートは一切行っていない」
WECの車両規定であるLMH(ル・マン・ハイパーカー)マシンの場合と同様に、LMDhメーカーはホモロゲーション期間中、最大5つまでのジョーカーを使用することが認められ、現在は両プラットフォームともに2027年までこのルールが適用されることになっている。
ディウグイドは、ポルシェがアップデートに使用したジョーカーの数については言及しなかった。
「それはポルシェとウルス(・クラトル)が答えるべき質問だろう」と彼は言った。