ただ、それでも2台ともにドライバーたちが堅実なレースを進め、42号車RC Fの順位も少しずつ上がっていった。フェニックスのアウディ、AMRのアストンマーチンもトラブルで遅れていく。レースは77号車フォード・マスタングGT WRとのクラス表彰台争いに変化していった。
レース終盤、雨と霧のなか、激走をみせたのはスーパーGTでの優勝経験もあるドミニク、そしてマリオのファーンバッハー兄弟だ。レクサス、そしてニュルブルクリンクのことも知り尽くしているふたりはグイグイと順位を上げていく。「ドミニクもマリオもふたりともすごい。ニュルの職人です(吉本)」、「ふたりはニュルでの経歴はすごいものがありますし、格段に速かった(渡辺代表)」と目を見張る走りを見せつけた。
そして霧による赤旗が、2台に好影響をもたらす。「赤旗が出てセーフティカーが入ったことで差が詰まり、グッとフォードとの差が詰まりました(吉本)」と逆転のチャンスが生まれる。そして、ついに逆転。最終的には42号車RC Fがクラス2位(総合45位)、43号車IS F CCS-Rが30秒差のクラス3位(総合46位)という結果を残した。目的の差こそあれ、チーム、そしてドライバーの活躍によりメーカーの参加車両をおさえての日本勢最高位は賞賛に値するだろう。
レース後、渡辺代表に話を聞くと「今後もニュルブルクリンクに挑んでいきたいです」と継続してニュルを舞台に戦っていきたい意気込みを示してくれた。NOVEL Racingの活動は、同社のチューニングパーツにも活かされていくが、今後もその活動は続いていきそうだ。
「また違った挑戦もしていきたいですし、もっと上のカテゴリーで参戦したい気持ちもあります。日本でのレース参戦はあまり考えてはいませんが、今後もニュルブルクリンクだけでやっていきたいですね」


