一方、表彰台争いは混沌を極めた。レース中盤、98号車ポルシェがドライブスルーペナルティを受けたことで88号車メルセデスが3番手に。これを追うベルジャン・アウディクラブ・チームWRTの2号車アウディR8 LMSが2時間35分過ぎ、ターン10で前年王者に仕掛けるが、このタイミングでメルセデスの加速が鈍ったことでアウディが追突してしまう。
この影響で88号車メルセデスは左リヤタイヤのエアを失いスロー走行となると、最後はクラッシュでレースを終えてしまった。
終盤に3番手となった2号車アウディは最後のリスタート直後、今度はターン1で4号車メルセデスに襲いかかる。2台はターン2にサイド・バイ・サイド状態で侵入するも、わずかに接触。ともに姿勢を乱しコースを外れたことでポジションを大きく落とすことになってしまった。
この間に4、5番手につけていたRモータースポーツの76号車アストンマーティン・バンテージGT3と、ベントレー・チームMスポーツの107号車ベントレー・コンチネンタルGT3が労せずポジションアップに成功し最終的に2位、3位表彰台を獲得した。
また、今レースで2ポイントを追加すれば自力でのエンデュランスカップ王者が決定するSMPレーシングの72号車フェラーリは、オープニングラップ中に他車と接触したことでパンク。ほぼ最後尾まで順位を落としたものの、レース終盤には入賞に手が届く12番手までポジションを挽回してみせる。
しかし、残り時間40分となって焦ったか、ミゲル・モリーナが先行車に追突しスピンを誘発させてしまったことでペナルティを受け、万事休す。この結果、モリーナ/ダビデ・リゴン/ミカエル・アレシン組に24点差をつけられていたカルダレッリとマペッリが大逆転でエンデュランスカップチャンピオンに輝くとともにブランパンGTカップでも、ランキングトップにつけていたブラックファルコンのマーロ・エンゲル/ルカ・ストルツ組を上回り逆転での王座獲得を実現させた。
なお、オレンジ1・FFFレーシングとカルダレッリ、マペッリ組はブランパンGTワールドチャレンジ・ヨーロッパでもタイトルを獲得しており、エンデュランスカップ、ブランパンGTカップでの戴冠によって“トリプルクラウン”を達成している。






