レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2019.10.05 17:20

現行LMP2規定が2022年まで延長へ。WECスパの日程変更、ハイパーカー規定も最終承認下りる

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ル・マン/WEC | 現行LMP2規定が2022年まで延長へ。WECスパの日程変更、ハイパーカー規定も最終承認下りる

 FIAは10月4日、同日に開催されたWMSC(世界モータースポーツ評議会)において、WEC世界耐久選手権に関する3項目について承認が下りたと発表した。パフォーマンス調整を伴うLMP2規定の延長、“ハイパーカー規定”と呼ばれる新カテゴリーの最終承認、そして2019/20年シーズン第7戦スパ6時間レースの日程変更が最終判断されている。

 LMP2はジェントルマンドライバー向けカテゴリーとしてヨーロッパ、アジア、アメリカの3地域とWECで採用されているカテゴリーだ。LMP1を頂点とするル・マンプロトタイプ(LMP)ピラミッドにおいて、最高峰クラスと入門クラスLMP3の間に位置する。

 現行のLMP2規定は2020年に行われる国際シリーズの最終戦まで、またWECの場合は2020/21年シーズンのフィナーレとなる2021年ル・マン24時間レースまでの運用が認められていた。

 これが金曜日にドイツ・ケルンでのWMSCにおいて延長されることが確認され、2021/22年のWECおよび、2022年までのELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズで使用を継続する資格を得ることになった。

 なおFIAは今回、LMP2プラットフォームの期限を1年延長したが、暫定的に“ハイパーカー規定”と呼ばれる新しい最高峰カテゴリーが2020年にロールアウトすることから同年以降、ジェントルマン向けプロトタイプカーのパフォーマンスレベルを低下させることもあわせてアナウンスしている。

 これはWECの2020/21年シーズンに登場するハイパーカーが、現行のLMP1カーに比べて遅くなるために辻褄を合わせるもの。FIAとACOフランス西部自動車クラブはハイパーカー規定の概要説明の際、その周回ペースをル・マンでのラップタイムで3分30秒とした。つまり、現行LMP2カーのスピードを抑制しなければ、両者のポジションが入れ替わってしまう可能性が高いのだ。

 この件に対してACOは次のような声明を発表し、LMP2カーのスピード抑制にはエンジン出力を抑えることで対応する考えであることを示唆した。

「ACOとFIAは、LMP2のパフォーマンスレベルの調整はシャーシホモロゲーションに影響しないパラメータで行われることに合意している。エンジンパワーが修正の対象となる可能性がもっとも高い」

■ハイパーカー規定に最終ゴーサイン

 また、今回のWMSCでは前述のハイパーカー規定が最終的な承認を受け、2020年からスタートすることが正式に決定した。
 
 同規定は単一のルールのもとで、プロトタイプベースやロードカーベースなど複数のタイプのハイパーカーを受け入れられるセクションが設けられているのが特徴だ。
 
 現在のところ、トヨタとアストン・マーティンの2社が唯一確認されたOEMとして、来季からトップクラスでの競争を許されているが、アメリカのスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスや、LMP1プライベーターとして知られるバイコレス・レーシングなども車両開発を進めているとみられている。
 
 この他、FIAは2020年に開催予定のWEC第7戦スパ・フランコルシャン6時間の日程変更についても承認が下りたと発表。8月1日にWECからアナウンスされたとおり、今季のWECスパは当初の5月2日から4月25日へとレース開催日が変更された。

スタート直後に雪が降り、天候の回復後に今度は雹が降るなど、大荒れの天候となった2019年WECスパ
スタート直後に雪が降り、天候の回復後に今度は雹が降るなど、大荒れの天候となった2019年WECスパ


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

関連のニュース