ポルシェはル・マン24時間レースで2015年、2016年に総合優勝を果たし、通算18勝を挙げています。2015年は、若きチームにとって2年目のシーズンでしたが、通算17回目のル・マン優勝に加えてポルシェはマニュファクチュアラーチャンピオンシップも手にしました。
昨年は、ベルンハルト/ハートレー/ウェバーが神経がすり減るようなバーレーンの最終戦でドライバー部門のタイトルを獲得しました。
現在、残り1戦の時点で、今年のル・マンで優勝したデュマ/ジャニ/リーブがドライバー部門をリードしています。これまでの24戦で、ポルシェ919ハイブリッドは13勝、15回のポールポジションを記録しています。
ポルシェ・チームがサーキットで栄冠を手にする一方、最も重要な成功はシュトゥットガルト近郊のヴァイザッハにあるポルシェ研究開発センターで達成されています。
システム出力900PS(662kW)を発生する919ハイブリッドは、ポルシェ・モータースポーツと市販車両の開発チームが密接な連携を取って生まれました。
内燃エンジンは、革新のダウンサイジングエンジンです。このコンパクトな2リッターV4ガソリンエンジンにターボチャージャーが搭載され、ほぼ500PS(368kW)でリアアクスルを駆動します。
フロントアクスルのブレーキエネルギーと排気エネルギーを利用する2系統のエネルギー回生システムにより生み出されたパワーは、リチウムイオンバッテリーに蓄えられます。
このバッテリーのエネルギーを使用して、電気モーターがオンデマンドでフロントアクスルに400 PS(294 kW)以上の出力を供給します。
919ハイブリッドシステムの設計において、ポルシェ・モータースポーツは先駆的な仕事をしました。
特に、高電圧技術の分野において、電気により未来の公道を走るスポーツカーの電圧レベルを調べるための実験室の役割を果たしています。
このようにサーキットから得たフィードバックによって、市販車の開発陣が800 Vテクノロジーを採用した4ドアのコンセプトスタディであるミッションEを提唱するに至りました。
ポルシェ初となるEVスポーツカーは、2020年までに生産開始予定です。