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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2021.11.02 14:46

D’station Racing 2021 WEC世界耐久選手権第5戦バーレーン レースレポート

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ル・マン/WEC | D’station Racing 2021 WEC世界耐久選手権第5戦バーレーン レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2021.11.02

dstation-racing.jp
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Facebook : @DstationRacing

2021 FIA World Endurance Championship
Round 5 Bapco 6 Hours of Bahrain (BHR)

OCT. 28 – 30 Qualify :10th / Race:11th

序盤トップ浮上もトラブル相次ぐ。悔しい11位という結果に

 7月の第3戦モンツァでの表彰台獲得、そしてシーズンのハイライトで最大の目標だった8月のル・マン24時間での6位入賞と、2021年から参戦を開始したWEC世界耐久選手権でたしかな手ごたえを得たD’station Racing。スーパー耐久でのチャンピオン獲得を手みやげに、今季WECの終盤2連戦の舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットに乗り込んだ。D’station Racingの星野敏と藤井誠暢のふたりにとっては初めてのバーレーンだが、事前にしっかりとシミュレーターでトレーニングを行い臨んだ。

 中東らしい酷暑のなかで迎えた10月28日(木)は、まずは現地時間午後3時30分から1時間30分のフリープラクティス1がスタートした。まずはバーレーン経験があるアンドリュー・ワトソンから星野、藤井と交代しながらラップを重ね、1分59秒722というタイムで5番手につけ初日を締めくくる。

 続く走行2日目の10月29日(金)はタイトなスケジュールだ。午前8時30分から行われた1時間30分のフリープラクティス2は藤井から星野、ワトソンと交代し、2分00秒164でふたたび5番手に。締めくくりとなる午後0時45分から60分のフリープラクティスは星野、ワトソン、藤井と繋ぎ、2分00秒224で8番手で終えた。

 そして、現地時間午後4時30分からスタートした公式予選でアタッカーを務めたのは星野。3周目に2分00秒418をマークすると、4周目には2分00秒300へタイムアップ。WECでは厳しいトラックリミットを気にかけすぎたか、星野自身には少し悔いが残るアタックだったが、10番手で予選を終えることになった。

 明けて10月30日(土)はいよいよ決勝レース。D’station Racingのスタートドライバーは、今回も藤井が務めた。今季のWEC第3戦までと同様、スタート直後からグイグイと順位を上げていく。10番手スタートながら、たった15分で3番手までポジションを上げると、激しいバトルを展開していたトップ2のフェラーリに追いついていく。

 冷静にギャップを縮めていた藤井だが、11周目に2台が接触し、#60 フェラーリが修復のためにピットイン。労せずして藤井は2番手に浮上すると、スタートから36分で藤井はトップに立ち、レースをリードしていった。

 1時間3分を走った藤井はリードを広げてピットインし、星野にステアリングを託す。ピットアウトすると、プロドライバーに交代したライバルたちがペースを上げていくが、星野は着実に表彰台圏内を争いながらラップを重ねていく。ただ、ここからD’station Racingのアストンマーティン・ヴァンテージGTEにはトラブルが相次いで襲いかかってきた。

 星野のスティント終盤、ストレートを走っていたヴァンテージGTEのリヤハッチが、突如として飛散してしまった。チームは急遽緊急ピットインを行い、その際に藤井に交代。50分強を走り、ふたたび星野にステアリングを託した。

 ただ今度はフルコースイエロー(FCY)の違反の際の違反をとられ8番手に後退。その後ワトソンにステアリングを託し、追い上げを狙ったが、まだトラブルの災厄が襲う。今度は、右フロントのインナーフェンダーにトラブルが起きてしまったのだ。走行には支障がないもので、チームはオフィシャルに一度は確認をとったが、やはり修復が命じられ、4時間15分の時点でガレージへ。幸い素早い作業でコースに復帰できたが、11番手にポジションを落としてしまった。

 そこからのリカバリーはさすがのワトソンでも難しく、長いスティントをこなしそのままチェッカー。D’station Racingの第5戦は11位という結果に終わった。しかし、バーレーンでのWECは翌週に今季最終戦となる第6戦が迫っている。最後は気持ちよくWEC初年度を締めくくりたい。ドライバーたちは翌週に向けてバーレーンに滞在したまま、英気を養うことになった。

2021 WEC第5戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE
2021 WEC第5戦バーレーン D’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GTE

COMMENTS:

Driver:Satoshi HOSHINO
バーレーンも初めて走るサーキットでしたが、走行初日から習熟を重ね、フリープラクティス3では、かなり良いタイムを出すことができて自信になりました。ただ、予選に関してはアタックラップのなかでトラックリミットへの注意に認識が行き過ぎて、少し攻めきれなかったので悔いがありますね。決勝レースでは序盤、藤井選手の素晴らしい追い上げもあり上位で戦うことができて良い流れにいましたが、その後フルコースイエローでのペナルティ、さらに車両の破損、リペアなどがあって順位が大きく落ちてしまいました。今季最後のレースとなる来週の第6戦では、すべてノーミスできっちりとまとめ、上位でフィニッシュできるようにしたいです。

Driver:Tomonobu FUJII
結果的には11位という順位に終わりました。今回のバーレーンは非常に暑く、今までのWECにないくらいの暑さのなかでのレースとなりましたが、タイヤマネージメントや燃費、ブレーキなどこれまで以上の課題をもちながらドライビングしたり、クルマづくりをしていくことになりました。最初のスティントではトップに上がることができたので、流れとしてはすごく良かっただけに悔しいですね。とはいえクルマの仕上がりも良く、競争力もしっかりとありますので、来週の第6戦は8時間と長いレースですが、自身にとっての今季最後のレース、そしてD’station RacingとしてWEC初年度のレースを良い形で終えられるようにしたいと思います。

Driver:Andrew WATSON
今回の結果は、僕たちが木曜、金曜までに築いてきた結果から考えると、ふさわしいものではなかったよね。暑いレースウイークとなったけれど、フリープラクティスでのフィーリングは良かった。決勝レースでも非常にペースが良かったし、レース途中までは狙いどおりの展開だっただけに、いくつか起きたトラブルでレースを失ってしまったのは本当に悔しいところだね。とはいえクルマの調子は良いし、来週に同じバーレーンで行われる第6戦に向けては自信をもっている。ふたたびチームのみんな、星野サン、藤井サンと一緒に力を合わせて、D’station Racingと一緒に戦うシーズンの最後のレースで良い結果を残せればと思っているよ。

Team Director:Tom FERRIER
とても暑くて過酷なレースウイークだったね。そんななかでもレースストラテジー、クルマのセットアップを含めてうまく進んでいたと思う。序盤、予選10番手からトップに立って藤井サンがリードを築いてくれたので、良い流れでレースを進めることができたし、ストラテジーとしても良かったと思う。レース途中からさまざまなトラブルが起きてしまったり、リペアの時間をとられてしまったりと、いろいろことがあったけれど、今回の第5戦から得られたもの、良い部分、そして課題を見直して、来週開催される第6戦に向けて、チーム全体としてレベルを上げていきたいと思っている。

DSR Technical Director:Ryo HIRANO
バーレーンはとても難しいコースレイアウトでしたが、ドライバーたちは事前のシミュレーターでの練習と素晴らしい対応能力ですぐに攻略できたと思っています。特に星野選手のフリープラクティス3での走りはとても素晴らしいものでした。決勝はブレーキ、燃費のマネージメントが重要でしたが、藤井選手はブレーキ、タイヤ、燃費を見事にマネージメントしながら首位にまで順位を上げ、星野選手も厳しいコンディションの中しっかり走り抜き、アンドリュー選手も最後まで力強い走りをしてくれました。結果を残すことができませんでしたが、第6戦は最初から予選、決勝を見据えた走行ができるので、良い結果を残していきたいですね。

Chief Engineer:David BREWER
非常に暑く、ブレーキやタイヤのマネージメントなど、今までのWECにも、今までのバーレーンにもないほどの過酷な状況だったと思うが、まずドライバー3人がうまく仕事をしてくれたことに感謝したい。レース結果は11位となってしまったが、ストラテジーとしてはうまく機能していたと思うし、燃費やセットアップを含めてマシンの速さも狙ったとおりのところにいけたと思う。来週の8時間はナイトレースになるのでまた今回とは違った戦い方になるが、木曜からの走行でクルマを見直していき、今回よりもさらにベースを上げていきたいし、それぞれのドライバーも今回の経験を活かして、さらに上位のリザルトを狙っていきたいと思う。

2021 WEC第5戦バーレーン ドライバー交代を行う星野敏
2021 WEC第5戦バーレーン ドライバー交代を行う星野敏

2021 WEC第5戦バーレーン 藤井誠暢
2021 WEC第5戦バーレーン 藤井誠暢

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