WEC世界耐久選手権は2022年シーズンにおいて、ピットガレージ使用方法の変更とともに、LMGTEアマクラスのチームに2台でのエントリーを必須とすることを検討しているようだ。
2021年シーズンにLMGTEアマクラスに参戦するいくつかのチーム代表は、2022年シーズンに先立ってスポーティング規則の調整が議論されていることを示唆している。
この変更される可能性のある規則においては、すべてのLMGTEアマクラスに参戦するチームは、同じガレージと給油リグを共有する2台の車両をオペレートすることを義務付けられている。
これは、来年の参戦台数の増加に対応するための措置で、利用可能な限られた数のガレージに合わせるために導入される可能性があるものと理解されている。WECにおける最大参戦台数は、富士スピードウェイの(ピットビルA棟の)ピットガレージ数から、34台であると考えられている。
■2023年のLMDh参戦準備のため、2022年のグリッド数が増加?
このLMGTEで2台体制を参戦要件とする可能性について説明を求められたACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長は「まだ答えるには早すぎる。様子をみてみよう」とSportscar365に対し語っている。
「暫定的なエントリーリストが出たら、何ができるか分かるだろう。それについてはまだ話せない」
2012年シーズンのWEC開始以来、LMGTEアマのチームはシーズンごとに何台のエントリーを行うか、自由に選択することができた。
2台でのエントリーを強制するとなると、マイク・ウェインライトのためにポルシェ911 RSR-19の1台体制で参戦しているGRレーシングや、同じく1台体制でポール・ダラ・ラナを擁するアストンマーティン・レーシングなどに対し、プレッシャーを与えることになる。
同様に、3台体制へのステップアップを目指しているチームにとっても、その種のプログラムが可能かどうかを確認する必要があり、彼らは来季のコミットメントについて保留をしている状況だ。
「WECが抱える問題は、(2023年正式導入の)LMDhの準備をするために多くの新チームがやってくるということだ」とプロトン・コンペティションのチームボス、クリスチャン・リードは語っている。
「そのため、パドックのスペースが不足するように思える。みんなを幸せにするための解決策を見つけなければならない」
「新たなチームの参入は難しいが、10年にわたってシリーズをサポートしてきたアマクラスのチームも手放したくない。簡単ではないね」
「3台目を参戦させる計画を持つチームもある。そういった場合は、もしかしたら他のチームと何かを共有する必要があるのかもしれない。だが、それについて何かを語るのは時期尚早だ」
フェラーリで参戦するアイアン・リンクスのチーム代表であるアンドレア・ピッチーニは、2022年に3台体制へと拡大するプログラムへの検討について、リードと同様の感情を持っている。
「ACOへのリクエストは、たくさんある」とピッチーニはSportscar365に対し語った。
「彼らは、すべてのチームにいくつのエントリー(枠)を与えるのか、決断する必要がある。彼らはそれを、1チームあたり2台に制限することについて話し合っている」
「来年はエントリー数が増えるため、ピットにおいて許される給油タワーの数を減らすことについても話した」
「ACOが来年、何をするつもりか、それが分かるまでもう少し待たなければならないだろう。我々はWEC(LMGTEアマ)において少なくとも2台のエントリーをすでに決定している」