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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2016.04.13 16:59
更新日: 2016.04.13 17:02

アウディ、WEC開幕戦に新型R18を2台投入。史上もっともパワフルかつ効率に優れたマシン

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ル・マン/WEC | アウディ、WEC開幕戦に新型R18を2台投入。史上もっともパワフルかつ効率に優れたマシン

Audi R18 革新的進化を遂げた新しいハイブリッドスポーツカー

2016年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)およびルマン24時間レースに向けて、アウディは戦闘力の徹底強化を図っています。Audi R18は、スケッチの段階から再設計され、従来モデルとの共通点はほとんど存在しません。新しいセーフティセルを含め、より洗練されたエアロダイナミクスコンセプト、バッテリーを用いた初のハイブリッドシステム、改良が施されたV6 TDIエンジンを搭載した2016年型R18は、他にも様々な新しいシステムが採用されています。その結果、アウディのLMP1レースカーは、昨シーズンのモデルからパワーを向上させながらも、大幅に効率を高めることに再び成功しています。最新のAudi R18は、アウディ史上もっともパワフルなレースカーでありながら、過去のどのスポーツプロトタイプよりも少ない燃料しか消費しません。

TDIエンジンとハイブリッドのパワートレインからは1,000hpを超えるパワーを発揮する一方で、燃料消費量は従来比で10%削減することに成功しています。これによって、アウディは、高い燃費効率を求めるレギュレーションのもとで、最高の成果を達成しようとしています。2014年以来、FIA WECのレギュレーションは、自動車メーカーに、よりエネルギー効率に優れたレースカーを開発するよう促してきました。2016年以降、ルマンでの燃料消費の上限が、1ラップあたり10メガジュールも減らされたことで、戦いはより激しいものになるでしょう。「厳しいレギュレーションによって、従来にも増してエネルギー効率に優れたレースカーが誕生することになりました。我々は公道を走る市販モデルについても、同じテーマで開発に臨んでいます」とアウディのモータースポーツ部門の最高責任者であるDr. ウォルフガング ウルリッヒは述べています。「この種のモータースポーツは、今後も自動車エンジニアリングの目標となる実例を設定し続けるでしょう。アウディにとって、市販モデルとの関連性は、過去35年間、レース活動の主要なテーマであり続けてきました。」

Audi Sportに在籍する全ての開発エンジニアは、Audi R18のエネルギー効率を向上させるために努力を重ねています。今年から6メガジュールクラスに切り替えたことで、レギュレーションにより、ハイブリッドシステムのエネルギー回生量が50%増大することになりました。エアロダイナミクス面のコンセプトは、全面的に新しくなっています。ほとんどすべての車両システムが、改良されるか、再設計されています。結果として、エネルギー消費が抑制され、車重は軽くなり、各種コンポーネントのパッケージングもより理想的になりました。新しいR18は、視覚的にも従来のモデルとは明確に異なっています。

エアロダイナミクスを最適化するための新しい基本構造

未来的な印象を与えるLMP1レースカーは、他のどのレーシングカーよりも、エアロダイナミクスの最適化というテーマを徹底して体現しています。新しいR18を見れば、エクステリアが従来から大幅に変更されていることがわかります。車両の全長のなかで、フロントエンドとキャビンの割合が変更されており、特徴的なノーズ部分も、従来よりも明らかにスリムになっています。

「新しいプロポーションは、車両の重量配分とエアロダイナミクスに影響を与えています」とAudi Sportの技術開発を統括するヨルグ ザンダーは説明しています。「我々の最も重要な目的は空気の流れを改善することでした。」フロントエンドでは、空気の流れは、左右のホイールアーチのあいだの車両上面に向けられ、その一部をボディシェルのクーリングダクトに入れる一方で、適量をアンダーフロアに回さなければなりません。「その過程で渦が起きるのは避けがたく、その結果としてエネルギー消費が増えることになります。」 望ましくない空気の流れは、エアフローによるエネルギーを減らし、走行抵抗を増やす原因となります。一般的には、モノコック(レースカーの中央の応力を受けセーフティセルを形成する部分)が占める空間が小さくなるほど、車両の空気抵抗を減らす余地は大きくなります。新しいプロポーションのおかげで、最新のAudi R18は、さらに効率的にエアフローの方向を制御して、適量をアンダーフロアに送り込むことができるようになりました。リヤにおいて、空気はディフューザーを介して外部に導き出されます。そのとき、大きなダウンフォースが生み出されて、車両のコーナリング性能を高めます。アウディは今回、モノコックを再設計し、規定された4,650mmの全長のなかでプロポーションを変更し、その新しいボディに適合するよう、すべてのコンポーネントアッセンブリーを設計し直しました。

また、レギュレーションで規定されたフロントホイールアーチの開口部についても、サイズと位置を変更しています。それらは、横風を受けたときの好ましくないリフト効果を抑制するよう設計されています。2015シーズンのモデルと比べると、開口部の面積は45%拡大されました。


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