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投稿日: 2017.04.21 20:54
更新日: 2017.04.22 06:37

一歩踏み込んだSF開幕戦6つのポイント。「自分のプライドを投げ捨ててもいいと思える相手」と山本尚貴

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スーパーフォーミュラ | 一歩踏み込んだSF開幕戦6つのポイント。「自分のプライドを投げ捨ててもいいと思える相手」と山本尚貴

 スーパーGT岡山では予選で1台、決勝で4台と、NSX−GT5台すべてにエンジンの制御系のトラブルを発生してしまったホンダ陣営。スーパーGTとスーパーフォーミュラは同じエンジンのHR−417Eを使用しており、このスーパーフォーミュラでのトラブルが心配されたが、金曜走行は無事に終えることができた。

 GT岡山でのトラブルの原因は、「部品の断線でした」と話すホンダの佐伯昌浩プロジェクトリーダー。トラブルが起きた部品は同じロットだったとのことで、今回は「ひとつ前のロット、過去に実績のあるロットを組み合わせてやりくりして持ってきました」と話すように、その対策がこの金曜日には奏功。予選、決勝も順調に走行できそうな気配だ。

■チャンピオン争い以上に注目の山本vsガスリー

 開幕前のテストでは鈴鹿、富士ともに首位を奪ったトムス陣営。金曜日の走行も一貴がトップに立ち、開幕前から早くも「トムス包囲網」でチャンピオン争いが展開しそうな雰囲気だが、今年のスーパーフォーミュラでもっとも注目したいポイントのひとつが、TEAM MUGENの山本尚貴vsピエール・ガスリーの対決。

 スーパーフォーミュラのチャンピオンを獲得したホンダのエースと、今をときめくレッドブルの次期F1ドライバー、ガスリーがどのような戦いをみせるのか。鈴鹿、富士のテストではガスリーがホンダ陣営トップのタイムを常に記録していたが、山本も負けじとタイムは大きくは離されてはいなかった。

 ホンダの佐伯プロジェクトリーダーもガスリーを最大限に評価。「鈴鹿、富士の合同テストを見て、初めてのクルマ、初めてのサーキット、そして初めてのヨコハマタイヤ、それを自分のものにするのがすごく早かったですよね。それにヨコハマタイヤのニュータイヤを2セットくらいしか使っていないのに、あの上位のポジションで走れるというのは、ちょっと、次元が違うなと感じました。ストフェル(バンドーン)とも同じ感じですが、ストフェル(25歳)より年齢が断然若い(ガスリー21歳)ですからね。ガスリーが25歳になったら、どんなドライバーになっているのだろう。メンタル、技量ともにすごいなと思いました」と、佐伯リーダーもそのパフォーマンスに舌を巻く。

 その一方、佐伯リーダの今季の山本尚貴への期待も高い。「このウインターテストでは山本の方には実は小さなトラブルがいくつか出ていたのですが、山本は全然、ガスリーと互角に戦えると思いますよ」と佐伯リーダー。

 当の山本尚貴も、ガスリーの実力をこれまでのどのチームメイトよりも認めている。

「非常に頭がいいドライバーですよね。才能プラス、努力するポイントが的確で、何をしたら速く走れる、何をしないと速くならないのかが頭でわかっていて、それをきちんと実行できる。ミスもないし、とにかく効率がいい。今まで僕も努力をしていなかった訳じゃないけど、彼のその姿を見て、僕ももっとやらなきゃいけないなと。逆に、もっとやれば伸びしろもあるなと感じた」と、とにかくガスリーから刺激を受けている様子の山本。

「当然、ここでやっている年数を考えると僕の方が断然長いし、年齢も上だし、プライドがないわけじゃないけど、そういうのを投げ捨ててでも彼から得られるものは全部奪いとって自分のプラスにしたい。自分がレベルアップできるなら、自分のプライドを投げ捨ててもいいと思える相手」と、チームメイトを最大級に評価している。

「これがドライバーとして求めていた2台体制の理想の姿だなと思いますね。彼はF1にいける選手だと思うし、逸材です。そんな選手と組んで負けたら自分の評価が下がるわけですけど、自分を高められるシーズンにできると思うと、今までの年にはない楽しみがあります。そういうチームメイトに巡り会えたのは大きい」と、今年は試金石となる1年になることを山本も覚悟している。

 日本のトップドライバーと、世界のトップドライバーの同チーム内の対決は、もしかしたらチャンピオン争い以上に、今年の国内モータースポーツの最大の注目点になるかもしれない。

■決勝タイヤ1本以上交換義務に関する現場の懸念


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