更新日: 2024.10.14 14:56
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING 2024スーパーフォーミュラ第7戦富士 レースレポート
VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING
RACE REPORT
第7戦富士スピードウェイ
2024年10月13日(日)
予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ
#38 阪口晴南
予選 11番手 決勝:リタイア
#39 大湯都史樹
予選 8番手 決勝:10位
公式予選では5番手と上位につけていた阪口晴南がスタートでストールを喫し18位、フリー走行から不調に苦しんだ大湯都史樹はレースで光明を見出しつつもリタイアと、10月12日(土)の第6戦は思わぬ大苦戦を強いられたVERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。そんな苦境から脱するべく、チームは一夜明けた10月13日(日)、第7戦の予選・決勝日を迎えた。この日も前日とほぼ同様のタイムスケジュールで、午前に公式予選、午後に決勝が行われる。前日の苦戦のなかで得た貴重なデータを活かすべく、チームは準備を整え、第7戦の朝を迎えた。
QUALIFY 公式予選
10月13日(日) 9:00~9:42 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分22秒614/#39 大湯都史樹 1分22秒633
迎えた10月13日(日)は朝から秋晴れに恵まれ、気温22度/路面温度26度というコンディションのもと、前日同様午前9時から第7戦の公式予選が始まった。
まずQ1のA組に出走したのは、走行初日からクルマに好フィーリングを得ていた阪口。残り2分というタイミングでアタックラップに入っていくと、5周目に1分22秒614というタイムを記録。これで4番手につけ、Q2進出を果たしてみせた。
続いて午前9時20分から行われたQ1のB組に出走したのは大湯。阪口同様、一度ピットに戻った後にニュータイヤを履き再コースイン。5周目にアタックを行っていった。ここで大湯は1分22秒838を記録。このタイムが6番手という順位に繋がり、大湯もQ2に進出。VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGは2台がQ1突破を果たすことになった。
10分間のインターバルを経て始まったQ2では、阪口、大湯ともコースイン後タイヤをウォームアップさせていくと、4周目にアタックを展開していく。ここでまずは阪口が1分23秒374を、続いてチェッカーを受けた大湯は1分22秒633を記録してみせた。
「現時点でやれることはやりましたし、リスキーな走りで出したタイムでした。ただ順位は上がったので、ひとまず満足しています」と大湯。
一方、Q2ではQ1よりもタイムを落としてしまった阪口は「Q1からトラブルがあり、Q2で悪化してしまいました。自分たちの本来のパフォーマンスが出せなかったのは残念でした」という状況だった。
最終的に、Q2で走路外走行の車両があったため、予選順位は大湯が8番手、阪口が11番手という結果に。2台はグリッド中団から決勝レースを戦うことになった。
RACE 決勝レース
10月13日(日) 14:40~15:54 天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 阪口晴南 1分25秒364(19L)/#39 大湯都史樹 1分25秒443(20L)
前日から10分早い14時40分に迎えた第7戦の決勝レース。8番手からスタートすることになった大湯は「このグリッドからだったら、うまく決勝を戦うことができれば、表彰台や入賞を狙える位置だと思います」という期待を込めていた。
また、前日スタートでエンジンストールを喫してしまった阪口も原因を解析。「複雑な理由があったのですが、次には活かせると思いますし、今後精度を上げられるよう自分たちに落とし込みたいと思います」という意気込みをもっって第7戦の決勝に臨んだ。
晴天のもと気温25度/路面温度35度というコンディションで始まった決勝。前日の悔しさを払拭するかのように抜群のスタートを決めたのは阪口で、混戦のなかポジションを上げ8番手につける。一方、やや順位を落としてしまったのは大湯。2周目までの混戦のなか12番手まで順位を下げることになってしまった。
上位から下位まで僅差の争いが展開されるなか、2周目のダンロップコーナーでは3台が絡むアクシデントが発生。レースはセーフティカーランとなった。
レースは7周目にリスタートを迎えるが、阪口は8番手、大湯はひとつ順位を上げ11番手に。10周を終えてピットウインドウがオープンすると、大湯はアンダーカットを狙ってピットロードに向かった。チームは迅速な作業で大湯を送り出したが、その翌周、大湯と同じタイミングでピット作業を行った2台が接触し、1台がストップしてしまった。
この車両回収のためにレースは2度目のセーフティカーランとなったが、大湯にとってはわずかなロスがあった一方で、阪口にとっては好機となった。チャンスを逃さずピットインを行ったが、セーフティカーラン明け、阪口は8番手、大湯は14番手につけた。
このタイミングで全車がピット作業を終えており、あとは決勝ペースの勝負となったが、阪口、大湯とも苦しいレースを強いられ少しずつ順位を落としてしまった。30周を過ぎる頃になると、11番手にドロップした阪口の後方から#64 山本尚貴と大湯が接近し三つ巴の戦いとなる。
33周目、阪口は防戦しながらTGRコーナーを立ち上がったが、そこで突如電源が落ちるトラブルが起きてしまった。背後にいた#64 山本は避ける間もなく、阪口の右リヤにヒットしてしまった。
阪口車のトラブルに巻き込むかたちとなってしまい、チームはレース後#64 山本のピットに向かい詫びた。これで阪口はリタイアに。大湯はその後チェッカーまで走り切り12位でフィニッシュしたが、失格車両、降格車両があったため10位に繰り上がり。なんとか1点を得た。ただ阪口車のトラブルをはじめ最後までチームにとっては苦しい週末となった。1カ月後の最終大会に向け徹底した見直しを図っていく。
COMMENTS ドライバー/監督コメント
#38 阪口晴南 SENA SAKAGUCHI
「第6戦から見直し、スタートはうまくいくことができました。その後の位置取りも良かったですし、ピットのタイミングも素晴らしかったです。そこまでは良い序盤でしたが、その後はグリップが落ちるとペースが厳しいことが分かり、苦しいレースになったと思います」
「山本選手とは2周くらい攻防があったのですが、電源がシャットダウンしてしまって。レースは信頼関係で成り立っていると思いますし、僕たちがこんなことではレースには出られません。巻き込んでしまったPONOS NAKAJIMA RACINGの皆さん、山本選手にすごく申し訳ない気持ちです。重大なトラブルなので次はないようにしたいですし、次の鈴鹿は信頼とスピードを取り戻したいです」
#39 大湯都史樹 TOSHIKI OYU
「本当に課題が多い週末になってしまいました。これまでも課題とは思っていましたが、スタートが今シーズンはまだ一度もうまくいっていなくて、今回も良くなかったので、それもまた改善しなければいけません。ただ今日のレースはミニマムでピットインしましたが、序盤のスティントでの感触は非常にポジティブなものがありました。後半はいまひとつだったので、燃料なのか気温なのかは分かりませんが、その原因を今後探っていかなければいけないと思います」
「課題はありながらも、次に向けてデータを持ち帰ることができることを前向きにとらえたいと思います。なんとなく遅くてその理由が分からないよりは良い状況なのではないでしょうか」
立川祐路監督 YUJI TACHIKAWA
「今週は本当に苦しい戦いになってしまいました。阪口選手については最終的にトラブルが出てしまい、山本選手、PONOS NAKAJIMA RACINGさんに申し訳ないことをしてしまいました。タイミングも悪かったですが、阪口選手にとってはどうしようもないことで、ドライバーに対しても申し訳なかったです」
「大湯選手については中盤戦で調子が良かったのですが、今回はなぜか思ったように走らない状態になってしまい、苦しいレースを強いられてしまいました。今日は立て直すことができましたが、まだ足りない状況でした」
「次は今年最後のレースになります。短い時間しかありませんがしっかりとチームを立て直し、良い週末にできるようにしたいと思います」