ピットストップで国本に対してタイムロスした野尻はアウトラップ勝負となったところ、1コーナーで前を走る可夢偉と接触。野尻はフロントウイングを失いグラベルへと飛び出してしまう。その後、スロー走行でなんとかピットへと戻ったが、野尻は優勝のみならず上位争いからも消えてしまった。

 この時点でトップはガスリー、2番手にローゼンクビスト、そして大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)が続く。大嶋もローゼンクビスト同様、6周目と早い段階でピットイン。そしてソフトタイヤを履いており、チームルマンの2台はもう一度ピットに入るものだと予想されていた。

 トップのガスリーのみミディアムタイヤを履き、以下、ローゼンクビスト、大嶋、石浦、国本、可夢偉、一貴と続く7台がソフトタイヤを装着。ソフト組がどこまでガスリーに追いつけるのかという展開に。

 ソフトタイヤを装着したばかりの国本はペースが速く、ブロックのうまい可夢偉をなんとかオーバーテイクした後、5番手に浮上してチームメイトの石浦を狙うも石浦もチャンピオンシップが掛かっており、懸命にブロック。そのセルモの2台の争いの後ろで一貴も虎視眈々とオーバーテイクを狙っていたがこちらも石浦が抑え込み、順位に動きはなし。残り周回も10周を切っており、この3台が自力で表彰台へたどり着くのは厳しいという状況が見えてきた。

 となると、表彰台争いの注目は、誰もが2ピットだと思い上位を走りながらもノーマークだったチームルマンの2台へ。

燃料が足りずスプラッシュでピットに入ってしまうのか、そしてソフトタイヤが保つのか、はたまた最後まで走り切ってしまうのか、最後まで分からないまま残り周回数は減り、トップのガスリーとローゼンクビストとの差は約2秒。その差は結局変わらず、ガスリーが先頭を走りながらオーバーテイクボタンを押す余裕の走りでトップチェッカー。スーパーフォーミュラ2連勝を飾った。

 そして、チームルマンの2台はともにソフトタイヤで約50周を走り切り表彰台を獲得。大嶋は2012年以来第4戦以来、5年ぶりのスーパーフォーミュラでの表彰台獲得。ローゼンクビストは3戦連続表彰台の2位表彰台。ライフとパフォーマンスが不透明な2スペックのソフトタイヤを導入したこの2戦、ガスリーとローゼンクビストという、世界の実力者が上位に来たのも、偶然ではないだろう。

 ソフトタイヤの出来やその運用方法についてはさまざまな意見があり、もてぎ戦とオートポリス戦の間で急きょ特別規則が発令されて現場が混乱し、レースでもギャンブル性の高い、出たトコ勝負のような展開になったが、今までのスーパーフォーミュラのイメージを覆すようなオーバーテイクの連続、そして先行きの見えないハラハラと驚きの連続する展開だったことは間違いない。

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