再スタート後に2番手関口とギャップを作り始めたと思った矢先、可夢偉はダブルヘアピンでオーバーランを喫してしまった。

「右のタイヤが白線に乗ってその先のアスファルトが全然グリップしなくて、半分だけ飛び出してしまったんです。あそこはもがいても仕方ないので、とりあえず戻ろうと思いました。その結果(関口に)抜かれてしまいましたが」

 それでもレース終盤、再度、関口の背後にぴったりと付いた可夢偉。バックストレート手前のアトウッドコーナーの進入で勝負を懸けて関口のインに入りかけたところで、まさかのジ・エンドとなってしまった。

「最後はイエローフラッグが出ているのは聞いていたけど、どこかまでは把握できていなくて(スピンして止まっていた福住)仁嶺が見えたので、『ここかいっ!』と。雄飛のブレーキングも早かったので、もう抜きに行こうとオーバーテイクボタンを押したところで『おいっ!』と」と、その時の心境を話す可夢偉。

 トップの関口も「最後はセーフティカーのおかげで助かりました。可夢偉選手がもう真後ろまで来ていましたから。最終ラップは厳しいのではないかと思っていた」と、関口も素直に敗北を覚悟するような攻防だった。

 最後はイエローフラッグに遮られる形となって、スーパーフォーミュラ初優勝を逃すことになってしまった可夢偉。

「まあ、2位スタートで、ちょっと最初に良かっただけですから。まあ、しょうがないです。これもレースです」と可夢偉はレース後にはスッキリとした表情で答えた。

 思い返せば、レーススタート後の雨の中でのSCラン後、赤旗中断となってホームストレートにマシンを止めるやいなや、真っ先にマシンを降りてコントロールタワーへ向かった可夢偉。

 ファンへの想いが厚い可夢偉が、大雨の中での長いSC走行についてレーススチュワードに何か抗議をしに行くのかと思いきや……。「トイレに行きたかっただけですけど」と、テレビ中継の松田次生ピットレポーターに答えて、プレスルームは大爆笑。すでにここから可夢偉劇場は始まっていたのかもしれない。

 笑いあり、そして緊迫したトップバトルありと、大雨の難コンディションのなかで濃密なレース内容となったスーパーフォーミュラ第6戦岡山。「調子はいいので、最後の鈴鹿もしっかり結果を残して、来年にもつながるようにしたいなと思います」と最後に締めくくった可夢偉。残念ながら可夢偉に今季のチャンピオンの権利はないが、タイトル争いが注目される最終戦でまた存在感を示し、キーパーソンになるのかもしれない。

スーパーフォーミュラ第6戦岡山決勝
赤旗中断でコースにマシンを止めるやいなやマシンを降りてコントロールタワーへ向かって歩き出す可夢偉

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