「僕としてはもう、どうしようもなかったです。逆に、どうすれば良かったか聞きたいくらいです。もうね、ピットロードで当たった瞬間、今年の僕のスーパーフォーミュラは、ポイントを取ってはいけないのかなと。僕の今シーズンは開幕してはいけないのかなと思いましたよ(苦笑)。ハプニングがどんどん大きくなるので、このまま次の最終戦の鈴鹿では何が起きるんだろうと。エキサイティングですよね。ここまで僕ばっかり悪いことが起きると、僕は悪くないはずなんですけど、僕が悪いのかなと思ってしまう(笑)」

ピットロードでウイングの左フラップを破損したまま、可夢偉はアタックに入り、15位でひとつ順位が足りずにQ1脱落したものの、タイムはわずかにコンマ1秒差だった。
「あのタイムにはびっくりした。ウイングが壊れて前のグリップがなくなっていたし、直線も速度が落ちていた。それでもあとコンマ1秒でQ2に行けた。普通に走れていたらトップと同じ1分5秒台には入っていたと思うので、Q3で戦えていた。ダメなときは、何してもダメですね」

可夢偉らしい言葉で予選を振り返ってもらったが、今回はセットアップの方向性を変えて手応えを感じ、気心の知れた脇阪寿一が実質監督としてチームに加わったことで、「僕もエンジニアも助かっています。経験ある立場から、走っている時でも無線で僕にアドバイスをくれる」と、チームとしても新体制での船出の一戦だっただけに、落胆も大きい。