一方、5番手の野尻はレース半ばに後続に迫られる場面もありましたが、各車燃費作戦に転じたこともあり、5番手のポジションを守ります。レース終盤の44周目、3番手を走っていた#19関口雄飛(トヨタ)が給油のためピットイン、野尻は4番手へポジションを上げ、無給油でポジションを守る作戦に出ます。

レース終盤、トップを独走するパロウは2番手坪井との間隔を10秒以上保ったまま周回を重ねました。ウエットコンディションが続き平均ラップタイムが上がらなかったため、レースは当初予定の55周を消化する前に制限時間の95分に達し、53周目で終了となりました。
パロウはスーパーフォーミュラのデビュー後4戦目にして初めての優勝をポール・トゥ・ウインで飾りました。中嶋悟監督率いるTCS NAKAJIMA RACINGにとっては2010年以来となる国内トップフォーミュラにおける優勝でした。この結果、パロウはシリーズポイントランキングで、トップの#1山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、2位の#37ニック・キャシディ(トヨタ)に次ぐ3位に浮上しました。
大湯が全日本F3第11戦で表彰台
なお、併催された全日本F3選手権シリーズ第11戦で、TODA FIGHTEXの大湯都史樹が3位に入り、第10戦の優勝に続き表彰台に上がりました。

コメント
アレックス・パロウ(優勝)
「チームが本当によくがんばってくれました。レースでは燃費が非常に厳しい状況でした。チームから燃料をセーブするようと伝えられ、途中さらに(燃費を)セーブしろと言われ、たいへんでした。でも結局はみんな同じ条件だったので少しずつ引き離すことができたんだと思います」
「ウォータースクリーンで何も見えず、周回遅れをオーバーテイクするときなど、何度かミスをしましたがなんとか無事走りきれました。今シーズンは、正直なところもっと早く結果が出せると思っていました。このレースでつかんだ勢いのまま、シーズン後半も戦いたいと思っています」
中嶋悟(TCS NAKAJIMA RACING 監督)
「レースを見守りながら、もう大丈夫だろうと思ってはいましたが、久しぶりのことなので最後まで気が抜けませんでした。2010年以来の優勝を遂げることができて本当にうれしく思います。パロウはいいペースで走っていたので、予定より早くチェッカーが振られることを知らせてしまったらペースが狂うかもと思い、あえて最後まで伝えませんでした」
「今年になって牧野、パロウの2人がいいレースをしてくれて、開幕から4戦目でこんな結果をプレゼントしてもらえてうれしいし、また味わいたい気分がします。パロウが勝ったこともうれしかったけれど、若いメカニックたちが喜んでいる顔がなによりうれしかったです」

