レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

投稿日: 2020.09.03 17:16

ROOKIE RACING 2020スーパーフォーミュラ第1戦もてぎ レースレポート

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


スーパーフォーミュラ | ROOKIE RACING 2020スーパーフォーミュラ第1戦もてぎ レースレポート

2020年スーパーフォーミュラ選手権 Report
第1戦 ツインリンクもてぎ

ROOKIE Racing SF19
#14 大嶋和也

◆8月30日(日) QUALIFY/RACE

公式予選結果 17位
決勝結果 10位(1ポイント)

 2020年、全日本スーパーフォーミュラ選手権に経験豊富な大嶋和也を擁し、新たに参戦することになったROOKIE RACING。3月には富士スピードウェイで公式テストが行われ、チームは新たな船出を切ることになったが、その後全世界に影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症の影響により、スーパーフォーミュラのカレンダーが大幅に変更されてしまい、ROOKIE RACINGにとっては緊急事態宣言下の自粛期間も含め、雌伏の時を過ごさざるを得なくなっていた。

 しかし世界中で多くのモータースポーツが再開されていくなか、いよいよ全日本スーパーフォーミュラ選手権もシーズンが幕を開けることになった。開幕戦の舞台は、例年どおり真夏の一戦として開催されているツインリンクもてぎだ。ただし今回は、シーズン前の公式テストが行えていなかったことから、8月28日(金)に2時間の公式テストを実施。8月29日(土)には1時間ずつ専有走行とフリー走行が行われ、8月30日(日)に公式予選と決勝が行われるスケジュールとなっていた。

 迎えた8月28日(金)は、全国的な酷暑のなか午後1時から公式テストがスタートした。ROOKIE RACINGにとっては、この週末が初顔合わせとなるスタッフもいるなか、大嶋はSF19のフィーリングを確認するべくコースインしていく。ピットアウト〜インを繰り返しながら、27周をこなしまずは1分35秒047というベストタイムを記録。15番手につけた。ただ、3月の公式テストからはコースも季節も異なることもあり、大嶋のフィーリングとしては、バランスがいまひとつ。8月29日(土)の走行2日目に向け、セットアップを進めた。

 明けて8月29日(土)もやはり気温30℃を超える酷暑。午前10時50分からの専有走行では、大嶋は1分33秒580というベストタイムで13番手。午後2時25分からのフリー走行では18周をこなし、1分33秒967で16番手と、僅差とはいえ上位とはやはりわずかながら差がある。継続してコンディションに合わせたセットアップのさらなる改善を進めていった。

 迎えた8月30日(日)の予選/決勝日。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のため変則的なスケジュールが設定されており、午前8時から20分間のフリー走行が行われた。大嶋とROOKIE RACINGにとっては、午前10時05分から行われる公式予選に向けた重要な最終チェックの機会となる。

 コースオープンとともにピットを出た大嶋は、ピットアウト〜インを繰り返しながら、金曜〜土曜に得られた内容をチェック。チェッカー周に1分32秒679にタイムを上げ、10番手でフリー走行を終えた。ただ、金〜土と取り組んできたセットアップは、このフリー走行のように気温が低いときはいいが、気温が上がってくると、やはり期待ほど好転していない。

 そんな状況だが、今はベストを尽くすしかない。午前10時05分からの公式予選は、今季ノックアウト形式のQ1はふた組に分かれてのアタックとなる。大嶋はB組からの参加となり、やや陽がかげりはじめた残り4分というところでコースイン。3周目には1分32秒216というタイムをマーク。その時点での2番手につける。

 しかし、Q2進出には0.173秒差およばず、大嶋はB組の9番手という結果に。Q2進出はならず、午後2時15分からの決勝は17番手からスタートを切ることになった。

 予選終了からわずか3時間強というインターバルで迎えた午後2時15分からの決勝レース。ROOKIE RACINGのメンバーも慌ただしく過ごしながら準備を整え、大嶋をグリッドへと送り出した。この時点の気温はなんと40℃。路面温度は46℃と、すさまじいほどの酷暑のなか、ウォームアップで良くなかったフィーリングを修正し、いよいよ戦いの火ぶたが切られた。

 1周目、フィーリングが改善されていたことを確認すると、激しいポジション争いのなかで大嶋はきっちりと順位を守る。その後#39 坪井翔、#65 大湯都史樹が相次いで順位を落としたこともあり、オープニングラップを15番手で終えた。大嶋は序盤苦しいなかで懸命の走りを続けていたが、なんと大嶋はドリンクが出ないことに気づいた。酷暑のなかで水分補給ができない状態は非常に苦しい。なんとか前を走る#15 笹原右京をマークしながら、暑さのなかで粘り強い走りを続けていった。

 今回のスーパーフォーミュラ第1戦は、新型コロナウイルスの影響もあり距離が短縮され、35周のレースで争われていたが、タイヤの消耗がカギと言えた。大嶋は苦境の中ながら、きっちりとペースを保ちながら、14番手でレース終盤を迎えた。

 そんななか、22周目を迎えようかというころ、5番手を走っていた#19 関口雄飛を先頭とした争いのなかで、コースオフや他車のピットインが相次ぎ、大嶋の順位は少しずつ上がっていく。23周目にはいよいよトップ10まで順位を上げてきた。

 今季からポイントシステムが変更されており、10位ならば1ポイントを獲得できる。チームにとって大きな1点になることをは間違いない。なんとかこの順位を守りたい大嶋には、チェッカーまで残りわずかというところで途中ピットインしタイヤを替えた#15 笹原が近づいてくるが、大嶋はクレバーにこれを対処すると、そのまま10位でチェッカーを受け、新チームにとっては嬉しいポイントを持ち帰った。

 まだまだ改善点は非常に多いが、チームは初陣で1ポイントに加え、さらに有形無形の多くのものを持ち帰ることができた。僅差のスーパーフォーミュラならばこそ、ROOKIE RACINGにとってはこの先得たものを活かしていければ、上位への差は縮まるはずだ。

大嶋和也(ROOKIE RACING)
大嶋和也(ROOKIE RACING)

ROOKIE RACINGの大嶋和也と片岡龍也監督
ROOKIE RACINGの大嶋和也と片岡龍也監督

ドライバー/大嶋和也
「新チームを作って、メンバーを集めて臨んだ新シーズンでしたが、なかなか思うようにテストもできないまま、ここでようやく全員がそろった状況でした。データもきちんとない状況で、なかなか苦しい開幕戦にはなりました。そんななかでも、試行錯誤しながら公式予選までに改善していくことはできましたが、レースではもともとロングランのフィーリングがあまり良くない状態で、ウォームアップでなんとかセットを変えたような状況で、なんとか戦える状態になりました。ただ、途中ドリンクが出なくなり、気が遠くなるような状況で、しかも終盤タイヤを替えたマシンが近づいたので、苦しいながらもプッシュし頑張りました。その結果こうして1ポイントを得られたのは、状況を考えれば本当に嬉しいです。とはいえ、このまま次戦に行くわけにもいきませんので、体制をしっかり作って、戦えるよう準備していきたいです」

片岡龍也監督
「今週末はずっと気温が高く、その状態でのバランスをなかなかとることができず、対策方法が見つけられないまま決勝日を迎えてしまいました。日曜朝のフリー走行のように気温が低いときは悪くはないのですが、その課題をクリアできないまま、ロングランも試せないままのレースでした。実際のレースが始まってみたらライバルも苦しい状況でしたが、まだ予選は課題がありますね。今日のデータをもとに、次戦までにしっかり解決したいと思っています。今回はROOKIE RACINGとしての初陣となりましたが、まだまだ『阿吽の呼吸』とまではいっていません。何か作業をするたびに課題が見える状況でしたが、こればかりは一戦ずつ、ライバルよりも早く解決し、“チーム”になれるようにしていきたいと思います」


関連のニュース