「JRPとしては裁定に関しては説明する権限がないのが現状ですが、スーパーフォーミュラがもっとメジャーになれば、越えて行かなければならない壁だと思います。そして、今の段階でも(三権の)間に入って、パブリック・リレーションズ(大衆の支持を得るための広報・PR活動)に関しては可能にできる部分があるのではないかと思っています」

 倉下社長はもともとフジテレビというメディア出身。パブリック・リレーションズの理解は深く、社長就任後もスーパーフォーミュラの魅力を高める新しいプランをコース内外で模索し続けている。実際、倉下社長は前社長の白井裕氏が提案した2スペックタイヤの導入を、今年の第4戦もてぎ大会で実現させた。

「2スペックタイヤについては、まずはヨコハマタイヤさんに感謝をしています。トップフォーミュラ復帰初年度で、テストが限られて時間がないなかで本当によくトライしてくれました。レースでは2スペックの導入で追い越しが増えたかというと、期待したほどではなかったと思いますけど、少なくとも予選のタイヤの戦略の幅は広がった。そこは2スペックの効果だと思います。他にもいくつか反省点はありますが、来年に向けても現在、タイヤの仕様をどのようにするか検討している段階です」と倉下社長。

 さらには「来年は現在の車両で3年目になりますので、次の車両をどうするかについての検討にも入らなければなりません。『クイック&ライト』のコンセプトのもとで現在のスーパーフォーミュラは運営されていますが、今後は新しい理念を含めて、スーパーフォーミュラがどうあるべきか、レースでもオーバーテイクを増やせるようF1のDRS(ドラッグ・リダクション・システム)の導入を検証するなど、あらゆる部分で検討段階に入っています」と次世代のスーパーフォーミュラ像についての見解も示した。

 メディア出身の倉下社長だけに、ファンが求めているもの、必要としているものへの感度は高い。世界に誇る車両とエンジン、タイヤ、ドライバーが揃いつつある現在のスーパーフォーミュラ。しかし、どんなにハードウエアが充実していても、OS(オペレーティングシステム)が時代にそぐわなければ、ユーザーの支持は得られない。レース運営の面と、パブリック・リレーションズの面で、どの部分をどのようにアップデートさせていくのか、倉下社長にかかる期待は限りなく大きい。

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