次チェカ：僕は2007年にTEAM IMPULで初めてタイトルを獲ったのだけど、タイトルを獲ってからモチベーションを保つのが大変だった。たとえばF1に行きたいと思って、日本でタイトルを獲ればF1に行けると思って頑張っていたけど、タイトルを獲っても結局オファーはなかった。その後、日本で何を目指してやればいいのだろうって悩んだことが20代後半にあって、一時、生ぬるくなったこともあった。ふたりとも将来的にF1というのは考えている？
大湯：僕はまだギリギリ……。狙いたいですね。
坪井：僕は現実的には無理かなと。ただ、カートを始めた幼いころから夢はF1と思ってやってきているので、その夢自体は捨てたくないとは思っています。
次チェカ：トヨタで言えばSFでタイトルを獲ってWEC世界耐久選手権に出たいみたいな気持ちはあるのかな。
坪井：いろいろとチャレンジしてみたいですね。ただ、SFでチャンピオンになることが相当至難の技なので、まずはSFでタイトルを獲ることを目標にしています。
次チェカ：最近の若いドライバーはみんな速いなと思うのですが、石浦選手や山本選手といったベテラン勢との乗り方の違いやスタイルの違いってある？ たとえば、リヤを頼ってコーナーに入っていくのか、それともリヤグリップが足りないオーバーステアのクルマを曲げるのが好きとか、どっちが好きかな。リヤがあったらその分、奥までブレーキで突っ込んでリリースできると思うのだけど。
大湯：好きかどうかで言ったら、僕はどっちも好きですね。
次チェカ：自分のスタイル的には？
大湯：好みはリヤが足りない方が好きですね。
次チェカ：それは、あまりブレーキでリリースせずに、少しアクセルを抜きながらフロントが入る方がいいような感じ？
大湯：そうですね。僕のオンボードを見たらたぶん、いつ吹っ飛んで行ってもおかしくないという感じになっていると思います。
次チェカ：今日、S字で見ていたのだけど、リヤがすごく軽くて、結構ドリフトしながらS字の2つ目を立ち上がっていたよね。
大湯：はい。
次チェカ：僕はフロントを軸にして曲がっている感じなんだけど、大湯選手は初めにコーナーのクリップについてから向きを変えて、あとはアクセルを踏んでいくという感じの乗り方で、ひとりだけ違うスタイルだなとは感じていた。
坪井：ナカジマレーシングのクルマはそんな感じの動きでしたね。公開されているオンボードとか見ると、これは神経使うなあ、頑張ってるんだなと思いました（笑）。
次チェカ：坪井選手はそっちのタイプではない？
坪井：まったく逆ですね。リヤがないと嫌ですね。
次チェカ：思いっきり突っ込んで、リヤのグリップを使って曲げていくという感じ？
坪井：そうですね。どちらかというとリヤが欲しいです。あまりピクピクとすると疲れるので、安全運転で（苦笑）。
次チェカ：大湯選手は車両がピクピクしていても全然平気？
大湯：僕的にはあまりピクピクしているつもりはないんですけど（笑）。結構みんながそれを言うので、そうなのかなと。
次チェカ：面白いね。たしかに、どっちがいいかと言われたら難しいところだよね。それが速いときもあるし、リヤがあった方が安定して速いときもある。難しいところだよね。夏場はそんなピクピクしたクルマに乗っていたら、最後までタイヤがもたない感じになっちゃうし。
坪井：僕は何も起きないクルマがいいです（笑）。
次チェカ：たしかに、それが一番いいよね。でも、そういうクルマって一生に一度当たるかって感じだからね。
■いよいよ迎える、開幕戦富士での戦い
次チェカ：それでは4月3〜4日の開幕戦富士に向けて、どんなレースをしたいのか教えて下さい。
坪井：富士は昨年最終戦でも勝っていますし、僕と相性のいいサーキットなので、その流れをキープして開幕戦からいいスタートダッシュができればいいなと思います。今季はSF3年目になるので、より結果が求められるシーズンです。去年2勝してランキング3位だったので、それ以上を目指さなければいけないというところで、狙うのはシリーズチャンピオンしかないです。そこをしっかりと意識してやっていきたいなと思います。
大湯：もちろん、開幕戦からチャンピオンを目指して挑みます。山本選手が加入してチームとしてもすごくプラスになっているので、あとは僕との相乗効果で、まずはチーム力を上げたいなというところです。その上でチャンピオンを目指して、僕もドライバーとして、一目置いていただけるような存在になっていきたいと思います。
次チェカ：開幕戦ではふたりがいいライバルとして、面白いレースを見せてくれると思いますので、そこにKCMGの2台も絡ませていただいて（笑）。みんなでスーパーフォーミュラを盛り上げていきましょう！
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