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投稿日: 2022.04.09 22:29
更新日: 2022.04.11 13:29

P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 予選・決勝レポート

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スーパーフォーミュラ | P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 予選・決勝レポート

2022 SUPER FORMULA
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第1戦富士スピードウェイ 2022年4月9日(土)予選・決勝
天候:晴れ 路面:ドライ

#38 坪井翔
予選:12番手
決勝:8位

#39 阪口晴南
予選:16番手
決勝:12位

 長いオフを経て、いよいよ2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕した。舞台は静岡県の富士スピードウェイ。今季もP.MU/CERUMO・INGING SF19のステアリングを握る坪井翔と阪口晴南にとっては走り慣れたコースだ。オフのテストでも坪井が好タイムを記録していた。

 ただ、4月8日(金)に行われた1時間30分の専有走行では、坪井、阪口ともにトラブルが起き、貴重なセットアップの時間を失ってしまう。坪井は1分22秒281で11番手、阪口は1分22秒997で21番手。周回数も少なく、データが少ないまま4月9日(土)の第1戦を迎えた。

公式予選

4月9日(土)09:30〜10:12
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム #38 坪井翔 1’26.220(Q2)/#39 阪口晴南 1’22.387(Q1)

 専有走行が行われた走行初日から一夜明け、迎えた4月9日(土)は、今季からスーパーフォーミュラに導入された1大会2戦の最初のレース、第1戦の予選・決勝日となる。これまでと異なるスケジュールへの対応へも要求されるが、風が強く、空力が占める要素が強いSF19をいかにコンディションに合わせるかが重要となった。

 今季からノックアウト形式の公式予選がQ1のA組とB組、さらにQ2までとなっていたが、P.MU/CERUMO・INGINGの2台は坪井が午前9時30分からのA組、阪口が午前9時45分からのB組に入った。

 気温16度、路面温度26度というコンディションで迎えたQ1のA組。坪井はユーズドタイヤを履き一度ピットアウトした後、すぐに戻りニュータイヤに交換。ふたたびコースに戻っていく。5周目、坪井はアタックラップへ突入すると、ここで1分21秒940までタイムを上げ、3番手に。これで坪井はQ2進出を果たしてみせた。

 5分間のインターバルの後、迎えたQ1のB組。変わらず風があるなかコースインした阪口は、坪井同様にコースイン後ピットへ。ニュータイヤを履きアタックし5周目に阪口は1分22秒387をマークするも、ライバルたちが続々とタイムを上げていき阪口はQ2進出ならず。Q1の順位は8番手、総合では16番手となった。

 10分間のインターバルで迎えた公式予選Q2。気温18度、路面温度28度というコンディションのなか坪井は4周目にアタックを敢行し、1分22秒140というタイムをマークしたが、データ不足が響いたか、最終的に坪井は10番手で予選Q2を終えた。ただチェッカー後、坪井は走路外走行があったとしてベストタイムが抹消に。結果、坪井のグリッドは12番手となった。

2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

決勝レース

4月9日(土)14:30〜
天候:晴れ 路面:ドライ
ベストタイム:#38 坪井翔 1’24.301(31L)/#39 阪口晴南 1’24.622(13L)

 公式予選終了から4時間弱のインターバルを経て、いよいよ2022年の開幕戦となる第1戦の決勝レースを迎えた。午後1時40分からのウォームアップでは、坪井が1分25秒172をマークし8番手。阪口が1分25秒640をマークし12番手につけ、決勝に向けての準備を進めた。

 気温23度、路面温度30度とこの時季にしてはかなり暖かなコンディションではあったが、やはり風が強い。メインストレートでは追い風で、レースにどんな影響を及ぼすかも気になるところ。2022年から行われることになったさまざまなプロモーションやスタート進行をこなしながら、午後2時30分からの決勝を迎えた。

 スタートでは、ポールポジションだった#15笹原右京がストール。後方は笹原車を避けるために右に左にの混乱となるが、そんななか12番手グリッドの坪井は悪くないスタートを決めTGRコーナーに入っていく。ただ、TGRコーナーは大混雑。各所で軽い接触が起きており、坪井は慎重に位置取りをしながらターンインしていくが、続くコカ・コーラ・コーナーまでの間に複数台にかわされてしまった。その中の1台は、16番手グリッドから好スタートを決めた阪口だ。

 1周目、2台は12番手に阪口、13番手に坪井というオーダーで、前を走る#65大湯都史樹を追う展開となった。1周目からコース各所で接触、スピン等が起きるなか、2台は集団のなかで前をうかがっていく。先に動いたのはフィーリングの良さを感じていた坪井で、9周目の最終コーナーで立ち上がりを合わせた坪井は、阪口と並走。8周目を過ぎたあたりからタイヤの厳しさを感じていた阪口に対しチームメイト同士のバトルを展開し、坪井が10周目に12番手に浮上。阪口は13番手につける。

 そんななか、10周目にはピットウインドウがオープンする。そのタイミングでタイヤが厳しくなりはじめた阪口はピットイン。タイヤ交換を行った。一方坪井は、ペースの良さを活かすべくステイアウト。ライバルたちがピットインしていきコース上が開けていくなか、高いペースを保ちながら走る作戦を採っていった。

 41周という長丁場のレースで、首位まで順位を上げた坪井は28周を終えてピットに向かう。チームはきっちりとタイヤ交換をこなし、坪井を送り出した。ピットアウト後、坪井はフレッシュなタイヤで9番手を走行。前を走る#3山下健太はタイヤが苦しくなってきたか、少しずつ坪井はギャップを詰めていくことに成功した。

 坪井は32周目、山下をかわし8番手に浮上。さらに#65大湯と7番手を争っていくが、36周目には一度坪井が前へ出るも、翌周ふたたび大湯が先行とバトルを展開する。ただその後再逆転はならず、坪井は8位でフィニッシュ。貴重な3ポイントを得た。チャンピオン争いをするためには、苦しいときでもポイントの取りこぼしは厳禁。その意味で坪井は、しっかりと今日果たすべき仕事をこなしてみせた。一方の阪口は、10周目のピットアウトの後、31周という長いスティントをこなしていくが、#18国本雄資を従えながらラップを重ね、タイムの浮き沈みとその原因を探りながら周回。終盤、#3山下に近づくが、3.168秒差の12位でフィニッシュすることになった。

 走り出しこそ厳しい状況だった2台だが、決勝までにそれぞれ得るべきものを得て第1戦を終えることになった。

2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

ドライバー/監督コメント

#38 坪井翔

「オフの公式テストの調子が良く、手ごたえを得て臨んだ開幕戦でしたが、専有走行から少し様子が違うぞ、と感じました。専有走行からトラブルがあり、その影響で予選ではぶっつけ本番のようなかたちで臨みましたが、Q1のタイムを見ると上位にいけそうな手ごたえがあったものの、Q2では合わせ切れず走路外走行も取られてしまい、12番手となってしまいました」

「レースはスタートは悪くはなかったのですが、TGRコーナーでの混戦で前にいかれてしまい、最悪な展開でした。ただその後はペースも良く悪くないレースができたと思います。トップと比べると少し足りませんが、ポイント圏内でフィニッシュできたので、決勝は合格点だったかな、と思っています」

2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)

#39 阪口晴南

「スーパーフォーミュラのデビューイヤーだった昨年途中から自分でも足りない部分があると感じ、さまざまな取り組みをしながら臨んだ開幕戦でしたが、専有走行でもトラブルがあり、きちんと“答え”を見出せないところもありました。予選でも初めてに近い状態で臨まなければならず、そういった意味でもライバルに対して遅れていましたね。ただ、決勝ではダメなところが明確に出たので、修正もしやすいと思っています」

「スタートがうまくいき、今回は戦略はオーソドックスなものを採りましたが、さらにいろいろな問題点の傾向と対策がつかむことができました。その得られたことを結果に繋げないといけませんし、第2戦でも頑張っていきたいと思います」

2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

立川祐路監督

「初日の専有走行では2台ともトラブルがありセットアップがうまく進められなかったこともあり、公式予選では予想よりも前のグリッドを得ることができませんでした。公式テストでの好調を繋げられなかったのは残念でしたね。そんな状況のなかでも、決勝レースでは坪井選手がスタートでやや遅れはしたもののうまく追い上げてくれたと思います」

「今季は勝てるときには勝ち、厳しいときでもきっちりとポイントを持ち帰るのを目標としているので、最低限のポイント獲得を果たせたのではないでしょうか。阪口選手はテストからクルマの状況があまり良くないので、今日の決勝でも苦しくなりました。明日に向けて少しでも繋がる何かを見つけ、頑張っていきたいですね」

2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第1戦富士 立川祐路監督(P.MU/CERUMO・INGING)


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