更新日: 2022.04.25 16:07
P.MU/CERUMO・INGING 2022スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 決勝レポート
SUPER FORMULA 2022
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第3戦 鈴鹿サーキット 2022年4月24日 決勝
天候:雨 路面:ウエット
#38 坪井翔
決勝:20位
#39 阪口晴南
決勝:12位
4月23日(土)にドライコンディションのもと行われた第3戦鈴鹿の公式予選では、坪井翔が予選Q1で2番手につけたものの、Q2では想定よりも伸び悩み7番手。一方の阪口晴南はオフシーズンから続く不調がなかなか打開せず20番手と、午前フリー走行までの期待と裏腹に厳しい予選日となったP.MU/CERUMO・INGING。
迎えた4月24日(日)は午前8時45分から30分間のフリー走行、午後2時30分から31周の決勝レースというスケジュール。予選での厳しい状況を跳ね返し、決勝でのポジションアップを目指しチームは準備を整えていった。
フリー走行
4月24日(日) 08:45〜09:15 天候:雨 路面:ウエット
ベストタイム #38 坪井翔 1’54.437/#39 阪口晴南 1’54.258
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットだが、週末を前に決勝日には雨の天気予報も出ていた。一度は予報が好転したかに思われたが、やはり早朝から雨が降り出し、午前8時45分からのフリー走行はウエットコンディションに。スーパーフォーミュラが走るにはギリギリの雨量のなかでの走行となった。
午後も引き続き雨の予報が出ていたことから、チームはウエットでのセットアップを施し坪井、阪口を送り出した。ふたりはヘビーウエットのなか走行をスタートさせるが、開始から9分というタイミングで、セッションは赤旗中断となった。原因となったのはまさかの阪口だ。
2周目に1分54秒258をマークし、ウエットでの感触も良く、その時点でのトップタイムを記録していた阪口だったが、スプーンカーブアウト側の白線に乗った瞬間に姿勢を乱しスピン状態に。為すすべなくアウト側のタイヤバリアにクラッシュしてしまった。阪口の39号車は車両左サイドをヒットし、チームはただちに修復作業にかかった。
セッションは午前9時04分に再開され、坪井がコースイン。その頃にはやや雨脚が強まっていき、#19 関口雄飛が阪口と同じようにスプーンカーブでコースアウトするなど、スリッピーな状況が続いた。
そんななか、今度はスプーンカーブ直前の250Rで坪井もコースアウトを喫してしまった。ただ、坪井は舗装されているランオフエリアを突っ切りコースに復帰。事無きを得た。
最終的に阪口がクラッシュ前のタイムで3番手。坪井は1分54秒437というベストタイムで5番手につけ、雨のフリー走行を終えた。
決勝レース
4月24日(日) 14:30〜 天候:雨 路面:ウエット
ベストタイム:#38 坪井翔 1’56.867(2L)/#39 阪口晴南 1’57.857 (4L)
早朝から降り出した雨は終日止むことなく、午後1時42分からスタートした8分間のウォームアップ走行でも雨は降り続けた。路面は午前よりも水量が多い様子で、決勝レースに向けてコースインした坪井は1分58秒627、そして車両修復を終えた阪口は1分55秒849というベストタイムでウォームアップを終えた。
迎えた午後2時30分からの決勝。気温17度、路面温度20度というコンディションのもと、1周のフォーメーションラップを経て切られたスタートでは、坪井、阪口ともに水量が多かったイン側のグリッドだったが、そんななかで坪井が絶妙のスタートを決める。水たまりのため加速が鈍ったというものの、一気に6番手から4番手にポジションを上げ1コーナーに飛び込んだ。後方からは#50 松下信治が坪井のインに仕掛けてくるものの、これをしのぎ4番手につけた。
一方の阪口は、1周目にひとつポジションを上げ19番手に。さらに4周目、#36 ジュリアーノ・アレジがスピンを喫したことで18番手。さらに6周目には#53 佐藤蓮を、7周目には#14 大嶋和也をかわすなど、追い上げをみせはじめた。
一方、坪井はまさかの展開となってくる。7周を過ぎるころになると急激にタイヤのグリップを失い、ペースが大きく落ちはじめた。後方につけていた#50 松下にかわされると、7周目には#4 サッシャ・フェネストラズに、さらに9周目には3台にかわされるなど、コースに留まるのが精一杯の状況になってしまった。11周目には、追い上げをみせてきた阪口すらも坪井をオーバーテイク。11周目を終え、チームは坪井を呼び戻し、タイヤ交換を行った。
ただ、ピット作業中に左フロントのタイヤ交換に時間がかかってしまい、26秒という長い作業時間となってしまった。坪井にとってはまさに泣きっ面に蜂。13周目には首位にラップダウンにされてしまった。表彰台を目指したレース前の目論見とは裏腹に、まさかの最後尾となった。
予選までとは坪井と完全に立場が逆となったのが阪口。13番手につけ前を追っていくが14周目が近づく頃になると、水量も多く全車が2分フラット程度のラップタイムとなる。阪口もタイヤに厳しさを感じはじめ、15周目には一度は抜いた#53 佐藤にかわされ、さらに18周目には後方から追い上げてきた#19 関口雄飛にかわされ14番手へ。その後#55 三宅淳詞のトラブルでひとつ順位を上げ、さらに29周目には#65大湯都史樹を抜くなど浮き沈みが激しい展開で、12位でレースを終えた。そして坪井は交換後のタイヤもペースが伸びず、21位でフィニッシュ。悔しいレースとなったが、この経験は無駄にはならないはずだ。
ドライバー/監督コメント
#38 坪井翔
「フリー走行では感触も良くて、最後にコースアウトはありましたが、その周に良いタイムが出そうでした。鈴鹿は苦手意識もあったものの午前のフィーリングからチャンスだと思っていました。スタートでは、前戦のクラッチトラブルも見直し、アジャストした結果バッチリ決めることができました。イン側は水も溜まっていて加速が鈍りましたが、2台抜けたのが良かったです。その後はペースも悪くなかったのですが、5周が過ぎたくらいで急にタイヤのグリップが無くなってしまいました。ドライビングではカバーできないほど危険な状況になり、その後タイヤを換えても改善しませんでした。今回はチャンスだと思っていましたし、調子も良かっただけに残念です」
#39 阪口晴南
「朝のフリー走行ではスピンがありましたが、理由が明確だったので逆に心配はしていませんでした。午前の感触は良かったのですが、レース前のウォームアップ、さらにレースと次々にクルマの感触が変わるなど、ロングランはまだまだ課題を感じましたね。序盤から大変なレースで、途中からはピットインする人がうらやましいくらいタイヤが厳しかったです。とはいえその中でもいろいろなヒントもありましたし、もっと上げられる感触もあったと思います。ポイントが獲れれば良かったですが、そもそも予選でのドライの遅さに原因があるので、チャンスを活かせない状況です。今回のウエットで得られたものもあるので、次戦に繋げたいですね」
立川祐路監督
「厳しいレースになってしまいましたね。今朝からウエットコンディションでしたが、阪口選手は雨のなかで調子が良かったのですが、決勝で長い距離を走る上では、少し足りない部分があったのかもしれません。序盤こそ良かったものの、途中からはなかなかペースが上げられませんでした。一方の坪井選手はスタートを決めてくれて頑張ってくれていましたが、途中からタイヤのグリップを失いペースダウンしてしまいました。タイヤ交換を行いましたが、その後も大きな改善には至らなかったので、今日速かったライバルとの差がありました。悔しい週末となりましたが、次戦に向けて改善点をしっかり見つけ、さらに頑張っていきたいと思っています」