100戦出場という節目について、今年34歳を迎えた山本はこれまでに在籍したチームへの感謝の言葉を口にした。

「本当に長いこと走らせてもらっているなと思いますし、ただ走っただけでなく、優勝したり表彰台に上がったり、そして3回タイトルを獲得してきたという実績も含まれているものなので……」

「言葉が上手には出てこないのですが、100回走らせてもらえるというのは、誰でもできることではなく、それなりに結果を出し続けないと100戦を迎えられません。100レース、努力を続けてきた自分に対してはよく頑張ってきたなと思えますが、それ以上にあるのは100回もレースを戦わせてくれたチームに対する感謝です。NAKAJIMA RACING、無限、ダンデライアン、それぞれのチームに心から感謝しています」

 また、第9戦で2連覇を決めた野尻智紀(TEAM MUGEN)については、3度のタイトル経験を持つ山本ならではの祝福の言葉が聞けた。

「本当にすごいことだと思います。誰がどう見ても野尻選手が獲るだろう、という雰囲気があったり、(周囲からは)『いまの野尻選手とTEAM MUGENって速いよね』という一言で片付けられてしまうところもあるなかで、ものすごいプレッシャーがあったと思います。“常に速く走り続けること”は、“速く走ること”以上に大変ですから」

「ワンメイクのなかで細かいことを積み重ねていって、“踏み外さない”ようにすることは本当に大変です。そこを踏み外すことなく連覇したのもすごいですが、今年何がすごいってワーストの決勝結果が4位。これはもう、“異常”ですね。そして、いくらプレッシャーから解き放たれたとはいえ、今日(第10戦)も当たり前のようにポールを獲ってくるというのは彼の真骨頂であり、彼とチームの強さがすべて表れていると思います」

 圧倒的な強さを見せたライバルを称賛する山本だが、そこには当然ながら悔しさも滲む。それは、“101戦目”への原動力になりつつあるようだ。

「あそこに届いて追い越すには、並大抵の努力では及ばないのだと思います。そこはドライバーとしては羨ましさもあるし、当然悔しさもあります。でも純粋に、ああいう地盤を築き上げ、結果を残した野尻選手とTEAM MUGENは、本当に素晴らしいの一言だと思います」

「自分がああいう思いをしてきたからこそ、“獲られた側”に回るとかなり悔しいですね。だけどこれが現実だし、彼が残してきたもの・努力してきたものが、自分よりもすごかったということが結果として表れる世界なので、それは受け止めなければいけませんし、受け止める強さも必要です」

「自分でここを選んだわけですから、やっぱりこのチームで勝ってチャンピオンを獲りたいという気持ちがさらに強くなりました。なんとしてでも、このチームであのMUGENと野尻選手のような強力な姿を見せたい。そう思わせてくれました」

第10戦表彰式後、全ドライバーが登壇したシーズンフィナーレで、100戦記念の花束を鈴木亜久里氏(このレースでは審査委員)から受け取った山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
第10戦表彰式後、全ドライバーが登壇したシーズンフィナーレで、100戦記念の花束を鈴木亜久里氏(このレースでは審査委員)から受け取った山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)

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