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投稿日: 2023.04.10 11:25
更新日: 2023.04.10 11:43

TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | TOYOTA GAZOO Racing 2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 レースレポート

2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦&第2戦富士

大荒れとなった第1戦で平川が3位。
第2戦では坪井が2位、山下が3位表彰台獲得

 2023年のスーパーフォーミュラが開幕し、第1戦、第2戦が富士スピードウェイで行われました。第1戦では平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が7番手から追い上げを見せ3位表彰台を獲得。第2戦では坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が2位、山下健太(KONDO RACING)の2人が3位表彰台を獲得しました。

 2023年シーズン全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1戦、第2戦が4月8日(土)、9日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。

 日本のトップフォーミュラが発足して50周年を迎えるスーパーフォーミュラ。今季は7大会9レースでチャンピオンシップが争われます。また、今季から昨年まで使用していた『SF19』から、追い抜きしやすい空力パッケージの採用、再生可能な素材の使用比率を高めた車体やタイヤの導入など、新たなチャレンジを盛り込んだ新型の『SF23』に車両が変更となり、これまで以上に追い抜きや接近戦が増え、よりエキサイティングなレースとなることが期待されます。

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は今季も6チーム11台にエンジンを供給。また、昨年のスーパーフォーミュラ・ライツでチャンピオンを獲得したTGR-DC(TGRドライバー・チャレンジ・プログラム)支援ドライバーである小高一斗がKONDO Racing4号車の新たなドライバーとしてフル参戦します。その他のチーム、ドライバーに変更はなく、TGRはドライバーズ及びチームチャンピオン奪還を目指します。

 イベント広場ではJRP、ホンダ、トヨタが合同でイベントブースを展開するとともに、ドライバーの思い入れのヘルメット・写真展示や、参加全チームもブースを出展。お客様にとってレース観戦がより楽しくなるようなコンテンツも新たにスタートしました。
 
 その一環として、今季は子供向け職業体験型アクティビティ『キッザニア』をスーパーフォーミュラの全会場で実施。この『Out of KidZania in SUPER FORMULA』では、ドライバー以外にも多くの人々が関わるモータースポーツのさまざまな業務を体験して貰うことで、さらなる興味を抱いていただくことを目的としています。今大会でも、多くの子供たちがアナウンサーやマネージャー、オフィシャル、メカニック、ジャーナリストなど、さまざまな職業を体験していました。

■第1戦予選

 新型車両『SF23』での各チームの走行は、3月初頭に鈴鹿サーキットで2日間のテストが行われたものの、今大会の富士スピードウェイでは初めて。7日(金)に専有走行が行われる予定でしたが、悪天候のために走行がキャンセル。8日(土)の第1戦予選がSF23での富士初走行という厳しい状況になりました。

 これにより、ノックアウト方式で予定されていた第1戦の予選は、45分間の計時方式へと変更。各チームはこの45分間で、初めて走る富士スピードウェイでの決勝へ向けたセッティング作業も行うこととなりました。

 8日(土)は雨が止み、曇り空。コース上の路面はほぼドライコンディション、気温14度、路面温度16度で、午前9時20分より45分間の予選セッションが開始されました。
開始とともにほとんどの車両がコースインし、車両のチェックを行いピットへと戻ったあと、本格走行へと入りました。序盤、トヨタ勢では開始10分で1分22秒台に入れる好タイムをマークした坪井が2番手に、その5分後、これをさらに上回るタイムをマークした関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が2番手へと浮上しました。

開幕戦で3位表彰台を獲得した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士
開幕戦で3位表彰台を獲得した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士

また、山下、平川、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)らが1分23秒台でトップ10圏内につけました。セッション後半に入ると、宮田 莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)と、序盤走行しなかった小林可夢偉(Kids com Team KCMG)もタイムを伸ばし、1分22秒台に入る争いとなりました。残り10分というところで、宮田がアタックに入り、トップの野尻 智紀(ホンダ)に0.046秒まで迫る2番手タイム。

 残り6分を切ると各車最後のアタックへ。しかし、ほとんどの車両がタイム更新ならず。宮田もタイム更新はなりませんでしたが、最前列2番手グリッドを獲得しました。坪井が6番手。最後のアタックでタイムを伸ばした平川が7番手。阪口が8番手。小林9番手、山下は11番手、関口が13番手、国本雄資(Kids com Team KCMG)が14番手、大嶋が15番手。上位17台が1秒以内に入るという、新型車両でも相変わらず僅差の争いとなりました。ジュリアーノ・アレジ(VANTELIN TEAM TOM’S)が18番手、小高はトラブルに見舞われたこともありタイムが伸びず、最後尾22番手となりました。

■第1戦決勝

 予選の後、晴れ渡るまでには到らなかったものの、気温18度、路面温度は29度まで上昇。午後2時15分より第1戦の決勝レース(41周)が行われました。スタートでは、8番手グリッドの阪口、14番手グリッドの国本を含む4台がエンジンストール。そして、無事にスタートを切った車両も、TGRコーナー(1コーナー)への進入時の混雑のなかで、関口、山下、小林の3台が接触。山下と小林は車両にダメージを負い、1周することなくレースを終えることとなってしまいました。

 また、7番手走行中の坪井も2周目のTGRコーナー進入で後続から激しく追突され、車両後部を破損、ここでレースを終えました。このアクシデントにより、セーフティカーが導入。この時点で宮田が4番手、平川が7番手、関口が8番手、アレジが9番手、大嶋が10番手、国本が14番手、小高が16番手。阪口は周回遅れでレースを継続することとなりました。

8周目からレースは再スタート。2番手グリッドから4番手へと後退していた宮田は、前を行く2台がバトルの末にコースオフした隙を突き、3番手へと浮上するも、その後山本尚貴(ホンダ)にかわされ4番手へ。

義務づけられているタイヤ交換が可能となる10周目を過ぎると、まず13番手走行中の大嶋らがピットへ向かい、その後周回を重ねるごとに各車ピットへと向かいました。
21周目に2番手走行中のリアム・ローソン(ホンダ)、その翌周にはトップの野尻と3番手の山本がピットへと向かい、これで宮田が首位へと浮上。その後には平川が続き、宮田と平川は、1分24秒台に入れるハイペースで、すでにピットインしているライバルとの見えないバトルを展開する形となりました。

 28周目、平川が宮田をかわして首位に浮上。31周目に平川はピットへと向かいました。しかし、ピットアウトした平川は、TGRコーナーを停まりきれずオーバーランを喫し、5番手へ後退。翌周ピットへ向かった宮田は、平川の前でピットアウトしたものの、タイヤの暖まっていた平川にTGRコーナーでかわされ、平川が4番手、宮田が5番手から終盤の追い上げを図る形となりました。

 平川は猛烈なプッシュを見せ、36周目のTGRコーナーで前を行く山本をパスして3番手へと浮上。さらに前の2台を追いました。宮田も自己ベストタイムを更新し、山本に接近。

 しかし、36周目に9番手を争っていたアレジと福住仁嶺(ホンダ)が接触し2台ともにクラッシュ。この日2度目のセーフティカーが出されると、そのまま再スタートが切られることはなくセーフティカー先導でチェッカー。終盤のさらなる追い上げを目指していた平川、宮田にとっては悔しい結末となりましたが、平川は3位表彰台を獲得。宮田が5位フィニッシュ。大嶋が9位に入り、ポイントを獲得。苦しみながらも走り抜いた小高が10位に入り、フル参戦初年度の最初のレースで初ポイントを獲得しました。

第1戦で7番手スタートから追い上げ3位表彰台を獲得した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士
第1戦で7番手スタートから追い上げ3位表彰台を獲得した平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士

■第1戦後コメント

●ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車 平川亮

「スタートがあまりうまくいかなくて、最初は苦戦したんですけども、しっかりと良いレースペースで前に出ることができました」

「最後はちょっと惜しかったんですけども、ここまでできるとは思っていませんでしたし、予選のことを考えれば、初戦を表彰台で終えられてまずは良かったと思います」

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