そんなガスリ―が誰よりも尊敬したチーム・フランスの先輩が、ジュール・ビアンキだった。

「ジュールとは親友だったし、僕はカートを始めたときから彼が成長していく様子を間近に見ることができた。ジュールはすでに自動車レースで走っていて、僕は彼の才能、彼が行った仕事にとても敬意を抱いていた。だから今年、鈴鹿で――彼が事故に遭った場所を――走るのは、僕にとってとても大切で、とてもエモーショナルなことなんだよ」

 F1を見始めた頃の記憶は、ミハエル・シューマッハーと赤いフェラーリが毎レースのように勝っていたこと。日曜日になればモータースポーツ好きの家族と一緒にテレビの前に座るのが習慣だった。

「でも……僕が誰よりも憧れているのは、アイルトン・セナだと思う。いろんな記事を読んで、映画も見て、彼に関する話もたくさん聞いて、速さも人間性も本当に信じられない、他のドライバーとは違う特別な存在だったと想像できるから」

GP2チャンピオンの肩書きで鳴り物入りでスーパーフォーミュラに参戦するガスリーだが、意外にも謙虚な物腰。
GP2チャンピオンの肩書きで鳴り物入りでスーパーフォーミュラに参戦するガスリーだが、意外にも謙虚な物腰。

 さまざまな思いとリスペクトを胸に、未知の日本で走る。F1チームに帯同し、ヨーロッパとの往復を繰り返すシーズンは多忙を極めるけれど、日本を知りたい気持ちももちろん。

「大阪で勉強してる友達がひとりいるんだ。だから彼と一緒に、東京、京都、富士山……というふうに、時間を取って観光しようって計画してるんだ。3月と4月には日本を旅行するチャンスがあると思う」

 日本での1年が、F1への通過点になればと願う。でも、新しいページを真っ白なままにするつもりはない――たくさんの経験を積んで、鮮やかな色で、自らの成長を記していきたい。

ピエール・ガスリー
フランス、イギリスに次いで、3つめの地となる日本、ホンダの中で今年のガスリーはどんな輝きを見せるのか。

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