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スーパーGT ニュース

投稿日: 2023.10.16 00:44
更新日: 2023.10.16 00:48

LMcorsa 2023スーパーGT第7戦オートポリス 決勝レポート

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スーパーGT | LMcorsa 2023スーパーGT第7戦オートポリス 決勝レポート

S-GT2023 rd7 AutoPolis Final
LMcorsa REPORT
♯60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

20番手から攻撃的な戦略や自信を持っているピットワークで追い上げを図ろうとしたが
タイヤのパフォーマンスを引き出すことができず、ピット回数も多くなりスタートと同じ20位でフィニッシュ

<気象データ>
気温:17度、路面温度:27度(決勝レーススタート時)

 年間8戦のシリーズで競われているAUTOBACS SUPER GT 2023 SERIESは、残すところ2戦となり激しい終盤戦を迎えた。そんなシリーズの山場となる第7戦の『AUTOPOLIS GT 450km RACE』は10月14日(土)に予選が、15日(日)には450kmの決勝レースが実施された。

 予選日の14日は、明け方に降雨があり一日を通して曇天の空模様となった。SUPER GTは8月から9月に掛けて3戦が連続して開催され、どのレースも夏らしい気温と路面温度の中での戦いが繰り広げられた。

 それが、今回のオートポリスは山麓のサーキットということもあり気温は20度に満たず、路面温度も前戦より20度ほど低い状態。このコンディションを読み切り、いかにマシンをアジャストできるかが成績を残す鍵となった。

 決勝日の15日は前日のような降雨はなかったものの風が冷たく、日差しがない状態だと肌寒さを感じるコンディション。午前中には併催カテゴリーの決勝レースやピットウィークなどが催され、12時から決勝レース前のウォームアップ走行が始まる。

 予選では下位に沈んでしまったものの決勝レースに向けてセットアップを変更したことが功を奏して、20分間のウォームアップ走行ではGT300クラスの25台中8番手のタイムをマークし、決勝レースを迎えた。

 決勝レースは、予定通りの13時30分に大分県警の車両が先導するパレードラップによって幕が開いた。20番手からスタートしたSyntium LMcorsa GR Supra GTには、河野駿佑選手が乗り込み450km先のゴールを目指す。オープニングラップから1台をパスして19番手に浮上すると、5周目にはイレギュラーな戦略だがピットに戻りタイヤ交換と給油を行なった。

 今回のレースは規定によって2回の給油を伴うピットストップが義務付けられていて、最初のピットストップは5周目以降となっている。つまり、最短のタイミングで1回目のピットストップを終わらせたことになる。

 河野選手はライバル勢から離れた25番手でコースに復帰すると、クリアラップの中で8周目に1分46秒852の自己ベストタイムをマーク。Syntium LMcorsa GR Supra GTはコーナリングスピードの高さが長所で、ストレートスピードが速いGT3勢と走るとタイムをロスしてしまうことが多い。

 そのため単独で走ることによって好タイムで周回ができ、結果的にライバル勢を抜き去るという戦略を採った。12周目になるとGT300クラスのマシンが接触したためにFCY(フルコースイエロー)が導入される。このトラブルで後退したマシンがいたため、15周目には23番手にポジションを上げ周回を重ねていった。だが。20周を過ぎると路面のゴミがタイヤにくっ付いてしまう“ピックアップ”が発生し、想定以上にラップタイムが落ち込む。

 この状態が続くと大幅にタイムをロスするため、22周目に再びピットインしてタイヤ交換と給油を行なった。想定外のピットインにより順位を23番手まで落としてしまうが、長丁場のレースなので挽回のチャンスがないとは言い切れない。

 再びコースに戻った河野選手はタイヤの消耗も考えながら周回を重ねる。先行しているマシンが規定のピットインを消化したため徐々にポジションをあげていき、30周目には20番手、42周目には19番手、56周目には15番手に浮上。そして、58周目にチームは河野選手に3度目のピットインを指示した。

 チームは敏速な作業で4本のタイヤ交換と給油を行ない、吉本大樹選手がマシンに乗り込んだ。20番手でコースに復帰すると61周目に19番手、73周目に18番手までポジションを戻す。しかし、終盤になると河野選手のときと同様に“ピックアップ”で悩まされ、ラップタイムが大きく落ち込んでしまう。

 どうにかドライビングで対応しようとするが、77周目には2台にパスされてしまう。最後まで症状は改善することなく88周目に20位でチェッカーを受け、厳しい展開となったレースを終えた。

●以下コメント
<飯田章監督>

「決勝レース前のウォームアップ走行ではコンディションも昨日と変わっていて、ドライバーも前向きな印象だったのですが、決勝レースは厳しい展開となってしまいました。ポジションを上げることができず、周回を重ねるだけになってしまい非常に残念です」

「公式練習から決勝レースまで色々な対策を施したのですが、課題を最後まで解決することができませんでした。ただ、コンディションに合わせ切れなかっただけではなく、チームとして根本的に見落としているところがあるかもしれません。次が最終戦となってしまいますが、違った方向性や視点で挑んでいきたいです」

<吉本大樹選手>

「決勝レースのスタート直前まで、どのような展開になればポイント圏内に入れるかをミーティングしていました。通常の戦略ではライバル勢に勝てないので、今回の攻めたピット戦略を考えました。しかし、タイヤの摩耗やピックアップの問題によって2回目のピットストップが想定より早くなり、この時点で勝負権がなくなったのです」

「担当した最後のスティントも15周を過ぎたあたりからコースに留まるのがやっとの状況で、厳しいレースでした。ここ数戦はレースになっていない状況が続いてしまっているので、次戦のもてぎでは必ずポイント圏内で戦えるようにしていきたいです」

<河野駿佑選手>

「決勝レースはスタートドライバーを担当し、5周目の最低周回でピットに入るなどの攻めた戦略を採ったのですが、タイヤのピックアップによってピット回数が増えてしまいペースも厳しかったです。GR Supra GTになってから最も厳しいレースといっても過言ではなく、レースといえるような戦いができませんでした。今回のレースも含めて、今年は結果がついてこないで苦しいシーズンとなっています。最終戦のもてぎはシーズンの締めくくりとして希望が見えるレースにしたいですし、そのためにしっかりと準備を進めていきます」

2023スーパーGT第7戦オートポリス Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2023スーパーGT第7戦オートポリス Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)


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