前夜にうっすらとコースを濡らした雨も上がった決勝日。今年は朝のフリー走行がなくなり、決勝レース前には20分間のウォームアップ走行が実施された。ここでは18番手にとどまったが、ふたりのドライバーは車両の状態を確認。どこまで追い上げられるか注目が集まった。そして曇り、気温19℃、路面温度25℃というコンディションの14時34分にパレードラップがスタートした。
ところがここで停止してしまう車両があり、また続くフォーメーションラップでも2台の車両が動けなくなり、スタート進行は一旦ストップ。改めて14時50分にセーフティカー(SC)の先導で81周に減算された決勝レースが始まった。2周終了でSCが隊列から離れてバトル開始。
レスターはポルシェに鞭を入れて、6周目までに5台をかわし、14周目にはトップ10入り。さらに27周目から早めのピット作業に入る車両が出てくると、中盤の34周目には暫定的に2位まで順位を上げてピットイン。ここで峰尾に交代した。タイヤは4本を交換し、燃料補給も済ませて、峰尾は暫定11位でコースへ戻った。
ピットインを遅らせていた車両が48周でピットインすると、峰尾は6位まで順位を上げた。さらに目の前には5位の車両がおり、逆転を狙っていた51周目、2コーナーで激しいクラッシュが発生。ここで車両と飛散したパーツの回収のためにSCが導入され、4位から9位までの6台の距離が一気に縮まった。
57周終了時点でバトルが再開されたが、このラップで峰尾は2台を抜き去り4位へ浮上。さらに終盤の70周目に2位を走行していた車両がスピンを喫し、その脇をかすめて3位へポジションアップ。前を走行する2台とは距離はあったものの、その順位を守って歓喜のチェッカーを受けた。
八代公博監督
「監督初陣で表彰台を獲得できてこんなにうれしいことはありません。ドライバーもスタッフもみんな頑張ってくれました。15位スタートとなってジョノも責任を感じていたようで、序盤から順位を上げてくれました。最後はもうガソリンはギリギリ。ピットワークもミスなくこなせましたし、タイヤのマッチングも良かった。パーフェクトなレースになりました。応援ありがとうございました」
ジョノ・レスター選手
「若くて新しいチームに加入して3位で表彰台。ずっとSUPER GTで活躍したいと思っていましたから、夢がかないました。予選では渋滞時の判断を間違えてしまい、またアンラッキーな面もありました」
「もともとポルシェに長く乗っていたので、全く違和感はありません。日本のサーキットは全部走って知っていますし、次は表彰台の真ん中を狙いたいです」
峰尾恭輔選手
「チームは開幕前から僕のわがままを聞いてくれて、いろんなリクエストに応えてくれました。感謝します。予選はうまくいかなかったので、タナボタでも5〜6位あたりを狙って、死ぬ気で頑張ろうと思っていましたが、このチームへ移籍初戦で、みんなに表彰台をプレゼントできて本当に良かったです」
「強いチームになったと思いますし、チャンピオン争いに加わって、チームのみんなで笑いたい。次の富士も得意なので優勝を狙って走ります」
