2026年のスーパーGT開幕に向けて、GT500クラスではすでに2回のメーカーテストが行われるなど準備が進められているが、今季GT500クラスにデビューする3人のドライバーのうちのひとりがTGR TEAM KeePer CERUMOの小林利徠斗だ。2025年もGT300クラスやスーパーフォーミュラで鮮烈な速さをみせ脚光を浴びたドライバーだが、初めてのGT500シーズンに向けた意気込みを聞いた。
小林は山形県出身で、レーシングカート、さらにグランツーリスモでも速さをみせてきたドライバー。2024年にはaprからGT300クラスにデビューを果たし、2025年はCARGUY MKS RACINGに開幕直前に急遽加入。第5戦鈴鹿で初優勝を果たすと、第6戦SUGOではポールポジションを獲得するなどザック・オサリバンとのコンビで大活躍をみせた。またスーパーフォーミュラでも2025年に代役参戦を果たし、印象的な走りをみせた。
迎える2026年、20歳の小林はスーパーフォーミュラ、そしてスーパーGT GT500クラス参戦を果たし、国内トップカテゴリーでの戦いに臨むことになる。GT500では、1月に行われたセパンテストにも参加し開発車両をドライブしたほか、2月10〜11日に岡山国際サーキットで行われたメーカーテストで、初めて愛機となるKeePer CERUMO GR Supraのステアリングを握った。
二度のGT500ドライブを終え、小林に感想を聞くと「改めて速いクルマだな、と感じました。スーパーフォーミュラとはまた違った速さだと思います。もちろん絶対的な速さで言えばスーパーフォーミュラなのですが、GT500は『タイヤがすごくグリップしている』速さを感じます。ダウンフォース、軽さによる速さとはまた感覚が違います」と彼らしい言い回しでGRスープラを表現した。
「もちろん重量はフォーミュラよりありますし、ダウンフォースもありますが、スーパーフォーミュラと比べるとないですよね。『ここは滑りそう』と思いながらステアリングを切ってアクセルを踏んでも、意外とホイールスピンしないですし、グリップしている感覚は想像の限界をはるかに超えているので、限界までいきづらいというか、これはこれで難しいと感じました」
●ドライバーとして「まずはやるべきことに集中」
そんな小林だが、岡山でのテストでは多くの周回をこなし習熟を重ねたほか、初めてTGR TEAM KeePer CERUMOとの仕事をこなした。「皆さん優しくて、いろいろ教えていただきながらレースができそうだな、と感じます」と小林はチームの雰囲気を語った。
チームメイトとなる大湯都史樹はセパンテストに参加していなかったこともあり、この岡山が初めてのサーキットでの時間。「大湯さんはドライバーとして速くて上手な方だろうと思っていましたが、実際に話してみてもすごく優しいです。レースに対しても、いろいろ学ばせていただいているところもあるので、勉強になっています」と2日間過ごした感想を語った。
実は大湯によれば、小林とは「はたから見ているだけでしたし、イベント等で会ったことはあっても、ほとんど話したことはなかったです。これほど長い時間一緒にいたのは初めてかもしれないです」という間柄。ただ、小林の言葉にもあるように、大湯が“先輩”として小林をリードしながらテストをこなしている様子が感じられた。
小林について大湯は「人見知りなところはありますよね。あと、走るのはすごく好きなんだろうと感じています」と評したが、そのスピードについてはまったく心配していない。
「このカテゴリーに上がってくるドライバーは、パッと乗って走れないようではダメですからね。今はシミュレーターもあって、データもありますから。でもすでに慣れている感じもありますし、そこはまったく心配していません」と大湯。
「ただ今までの環境とは違うと思いますし、見られ方や期待も変わってきますからね。そこを本人がどれくらい粘り強くやれるかだと思っています」
先輩の大湯が言うとおり、日本のトップカテゴリーでの戦い、さらにメーカーや多くのスポンサーの期待を背負って戦うレースは小林にとって初めてとなる。ただそんな2026年に向けて、小林は「レースに出る以上は良い結果、そして良いレースをしたいと思っていますが、まずはドライバーとしてやるべきことに集中していきたいと思っています」とあくまで自分の仕事に集中していきたいと語った。
長年チームに在籍していた石浦宏明がGT300クラスに移り、その席に座ることになった小林。大湯とのコンビがどんな化学反応を示すだろうか。今季の注目の組み合わせのひとつだろう。


