更新日: 2017.05.02 19:47
パワーバランス完全崩壊か、それとも均衡回復か──スーパーGT第2戦富士500クラスプレビュー
開幕戦を制し、ランキングトップで迎える側となったKeePerの平川亮も、今回の富士でのモチベーションは高い。
「重いからと言って、あきらめてはいないですよ。現実的な目標としては6位以内。その結果だと第3戦オートポリスでウエイトハンデが50kg以上になるので、(今季の規定で)ウエイトハンデを下ろしてリストリクターの制限を受けられる(リストリクター制限の方がクルマやタイヤへの負担が少なくウエイト搭載よりも好都合とみなされている)。ですので最低限6位で、できるだけポイントを稼ぎたいですね。40kgのウエイトの影響はありますけど、そこまで戦闘力が劣るとは思っていません。できるだけプッシュはします」
■GT-R陣営の現実的な目標
昨年のゴールデンウイークの第2戦富士を振り返ると、カルソニック IMPUL GT−RとMOTUL AUTECH GT−Rが激しい優勝争いを展開したように、ローダウンフォース仕様の空力を搭載したGT−Rは、この富士では近年、無類の強さを見せていた。だが、全車予選Q1落ちという厳しい開幕戦の内容からも、今年のニッサンGT−R陣営には搬入日の富士でも明るい声は聞こえなかった。
GT−Rの現実的な目標としては予選Q1のノックアウト予選を何台突破できるか。決勝になれば、得意のピットワークである程度順位を上げることができそうな見込みだが、まずは相対的な速さでどこまでライバルに迫れるかが、ひとつの目安となる。
富士500kmの決勝は、昨年は第一スティント終了間近のセーフティカー導入でS Road CRAFTSPORTS GT−R、ZENTが燃費が厳しくなって戦線を離脱したように、現在の規定(500クラスと300クラスをコース上で隊列をそろえる規定)ではどうしてもセーフティカー先導による周回数が多めになるため、チームとしては余裕をもったピット戦略が必要になる。そのため戦略的には奇襲がしづらく、500km/110周のレースでは、GT500は均等割りの35−37周×3回(2回ピット)のスプリントバトルとなる見込みだ。
すでに今シーズンのエンジン、エアロパーツ、そしてサスペンションはホモロゲーションで定められており、基本的に車両の開発は今季はできない。この富士でもまた、開幕戦のようにレクサス陣営が上位を独占する展開になるようだと、今シーズンのレクサス以外の優勝は見込めなくなる。
開幕戦の岡山で、がらりと変わったレクサス、ホンダ、ニッサンの3メーカーのパワーバランス。ホンダ、ニッサン陣営にとっては、この富士が早くも今季の行く末を決める戦いになる。