更新日: 2024.12.13 20:05
STANLEY TEAM KUNIMITSU 2024スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート
RACE:2024 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL
DATE:予選/2024年12月7日、決勝/2024年12月8日
CIRCUIT:鈴鹿サーキット(三重県)
WEATHER:予選:晴れ/ドライ、決勝:晴れ/ドライ
RESULT:公式練習/2番手、予選/5番手、決勝/4位
ついに今シーズンの最終戦を迎えることになったスーパーGTシリーズ。12月開催というタフなコンディションのなかでチャンピオン争いに臨んだNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。
予選5位(決勝4位スタート)からシーズンラストレースを戦い、表彰台争いのすえに4位でチェッカーを受けている。
●予選日
もともとシリーズ第5戦として8月31日、9月1日開催だった鈴鹿大会。しかし台風10号の接近で天候悪化となり、12月開催へと先延ばしに。一方、今年は残暑が長く、短い秋を経てあっという間に冬が到来。レースウイークの鈴鹿は強く冷たい風が吹き、朝晩の冷え込みも本格的なものとなった。
事実上、最終戦となる第5戦鈴鹿を前に、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのシリーズランキングは2位。暫定トップの36号車Supraとは18点の差がある。まずは予選でポールポジション獲得を目指すべく、朝の公式練習に取り組んだ。
セッションは午前9時15分にスタート。気温11度、路面温度12度とタイヤウォーマーの使用なしではかなり厳しいコンディションといえる。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTに山本尚貴選手が乗り込むと、まずタイヤに熱を入れ、その後は開幕戦以来となるノーウエイトでのクルマのセッティング確認はもちろん、レースウイークに装着するタイヤの選択など、次々とメニューをこなしていく。
一方、セッション開始からまもなく1時間を迎える頃には、GT300車両がスプーンカーブのグラベルにストップ。これで赤旗中断となったが、この時点でNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは64号車CIVICに次いで2番手につける好走を見せた。
午前10時20分にセッションが再開。これを機に山本選手から牧野任祐選手へと代わり、引き続きクルマのフィーリングを確かめるように周回を重ねていく。
また、GT300クラスとの混走終了後も、GT500クラス専有走行で牧野選手がステアリングを握り、10分間のセッション中にアタックシミュレーションを行うと、1分43秒874の好タイムをマーク。2番手でセッションを終了、午後からの予選に向けて弾みをつけた。
日中は穏やかな日差しに恵まれた鈴鹿。午後1時50分からの予選を迎える頃には、気温14度、路面温度は24度まで上昇。コースレコード更新の期待も膨らむなか、セッションが幕を開けた。
なお、冬の寒いコンディションを踏まえ、今大会はGT500クラスからセッションがスタートすることに。また、時期的な低気温の影響でタイヤの内圧が上がりづらいという想定のもと、通常よりセッションを5分延長。さらには持ち込みタイヤも特例として1セット追加の5セットで実施されることとなった。
予選では、山本選手がQ1のアタックを担当。しばらくピットで待機し、”しかるべきタイミング”を待ってコースへと向かい、セッション終盤でアタックすると、計測4周目で従来のコースレコードを更新する1分44秒099をマークし、暫定トップにつけた。
だが、続く各車もチェッカーを受けながらベストタイムを更新。最終的に、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは5番手でQ1を終えた。
GT300クラスのQ1を経て始まったGT500クラスのQ2。やや日が陰った影響か、路面温度が3度ほど下がるなかでスタートを切る。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTに乗り込んだ牧野選手は、セッション開始から7分ほどピットで待機。コースイン後はしっかりとタイヤに熱を入れ、残り3分の時点でアタックに入った。
満を持して挑んだアタックラップはQ2トップの1分43秒574。これで、Q1の山本選手との合算タイムとして総合3番手につける。だが、その後チェッカーまで1分を切るなかライバルたちもタイムアップ。この結果、総合順位に変動が生じ、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは5番手で予選を終了することになった。
なお、ポールポジションを獲得したのは、ともにタイトル争いをしていた36号車Supra。36号車には新たに3点が加点され、決勝を待たずしてタイトル獲得を決められてしまった。
これをもって、惜しくもNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTとしては王座奪還の可能性は潰えたが、決勝ではシーズンのベストリザルトを目指して戦うことを、チーム全員で再確認したのは言うまでもない。
「残念ながら予選結果をもって今シーズンのチャンピオンが決まったので、悔しい気持ちでいっぱいです」と山本選手。担当したQ1での「クルマの調子はすごくいい」と振り返ったが、「ただ、セクター4でタイムを落としてしまった」と反省の弁を述べた。
一方、牧野選手は予選3番手の車両がペナルティによるグリッド降格の対象となり、その結果、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTが4番手のスタートグリッドからレースを迎えることに触れ、「気持ちよく終われるように最後までみんなでがんばる」とシーズン締めくくりの一戦に向けて静かに闘志を燃やしているようだった。
●決勝日
前夜から本格的な冷え込みとなったうえに、日差しがあっても強い風ですぐに曇り空が居座る天候となった日曜日。日没の関係上、スタートも通常より早く、午後12時50分にレースがスタート。コンディションは、気温13度、路面温度17度と低気温に。
まず、三重県警の白バイとパトカーが先導するパレードラップが行われ、続いてフォーメーションラップへと突入。だが、さらに1周追加されたことから、レースは51周での戦いとなった。
No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTのスタートドライバーは牧野選手。セカンドロウ4番手からのスタートを切ると、オープニングラップで早速ひとつポジション上げると、前方の17号車CIVICに詰め寄る走り、さらなるポジションアップを狙う。
逆に17号車はGT300クラス車両との接触によって、後退。これを受けてFCY(フルコースイエロー)が導入され、牧野選手は2位からトップの36号車を猛追するかたちで周回を重ねていく。
今回、ピットウインドウが開いたのは、17周終了時。ここで牧野選手はピットロードへとステアリングを切り、ルーティンのピット作業を行う。すると、後続の車両もこれに続き、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTを先頭に合計5台がピットインする。
牧野選手から山本選手へと交代、給油、そしてタイヤ交換を済ませていざコースへ⋯⋯という予定だったが、ここで作業ミスがあり、大幅なタイムロスが発生。残念ながらポジションを落としてのコース復帰を余儀なくされた。
一方、全GT500クラス車両は20周を終えた時点でピット作業を完了。結果、山本選手は4番手から残るレースを戦うことになる。前方を行く17号車との差は2秒弱。後方には12号車Zが迫るという緊迫の状況となった。
そんななか、31周目にはGT300クラスの1台がコースオフ、レース2回目のFCY導入となる。およそ5分後にレース再開となったが、このとき、2番手を走る1台がスピンを喫して後退。ふたたびNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは3番手でレース終盤を迎えることになった。
このまま逃げ切れば、シーズン3度目の表彰台が実現。なんとしても攻防戦を凌ぎたいところ。しかしながら、41周目には勢いある背後から12号車にシケインで逆転を許してしまう。
さらに最終盤は、後続車両と4位を巡っての駆け引きが続き、チェッカーを受けるまでタフなバトルを強いられた。だが、山本選手が見事なライン取りで後続車をシャットアウト。ポジションを死守してシーズン最後のチェッカーを受けた。
今シーズンデビューしたCIVIC TYPE R-GTでのシリーズチャンピオン獲得を掲げ、タフな戦いに臨んだ山本、牧野両選手。シーズン中は悪天候のコンディションや、今大会のようなスケジュール変更など、不確定要素も多いなか、シーズンを通してライバルに対して先行するようなポジションを構築するのが難しい状況が続いた。
シリーズランキングとしては、ホンダ勢トップとなる2位を獲得したとはいえ、タイトル経験チーム、ドライバーのふたりとしては、決して満足のいく結果でないことは明らかだ。
そのなかでも絶えず温かい応援でチームをサポートしていただいたファンの皆さんに心から感謝するとともに、この悔しい思いをバネに来シーズンは巻き返しを目指していく。
小島一浩監督
「スーパーGT最終戦を無事に終えることができました。今回もスタートドライバーを牧野選手でお願いしました。そして、山本選手にゴールまで走り切ってもらうかたちでレースを進めました。結果4位で終わりました。沢山のご声援ありがとうございました」
「また、来シーズンはチャンピオンを獲得できるように頑張りますので、引き続き、応援のほど、よろしくお願いいたします」
山本尚貴選手
「最後、表彰台が獲れなかったので悔しさがひとしおです。今シーズンは勝つことができませんでしたが、チームと一緒に獲りこぼすことなく全戦でポイントを獲得できたので、チームとしての力をキチンと証明し、ホンダ勢のトップ、シリーズランキングとしては2位で今シーズンを終えることができました」
「この悔しさを来年にぶつけて、来年こそチャンピオンをなれるようにがんばっていきたいと思います」
牧野任祐選手
「普段はこの時期にレースがあまりないので、今までと勝手が違いましたが、普通にスタートを切ることができました。1年間、応援ありがとうございました」