ただ予選順位について、あるタイヤメーカーの担当者は「タイヤの実力ももちろんありますが、大事なのはそのタイヤが持っているパフォーマンスを、いかに引き出すことができたか」だと教えてくれた。それはチームが施したセットアップでもあり、ドライバーの力でもある。谷口、片岡というふたり、そしてセットアップ変更を施したグッドスマイル 初音ミク AMGの河野高男エンジニアの力もあるだろう。

「午前は苦戦が予想されていたけど、午後に向けて河野さんに言いたいことを言った結果、フィーリングが改善されていた」と片岡は言う。

 この「パフォーマンスをいかに引き出すことができたか」については、今回予選2番手につけたGULF NAC PORSCHE 911の峰尾恭輔が興味深いことを明かした。

GT300クラスの予選2番手につけたGULF NAC PORSCHE 911
GT300クラスの予選2番手につけたGULF NAC PORSCHE 911

「今シーズンに向けて、開幕前のテストでやってきたことは『タイヤにクルマを合わせること』なんです。乗った段階で乗りやすかったですが、もっとタイヤのパフォーマンスを引き出すにはこうした方がいい、といじらせてもらったんです」と峰尾。

「ずっとヨコハマでやってきましたし、自分の強みだと思っていたんです。これでタイムが出なかったらヤバいかな、とは思っていて、開幕戦の公式練習までは危機感がありました。でも、その後は決勝も含めて速いので、間違いないと思っています」

「特にポルシェについては、リヤタイヤのパフォーマンスが上がっています」

 この峰尾のコメントを聞いてから、リザルトを見比べてみると、タイヤメーカー、そして車種が入り乱れている予選順位にも納得がいく。加えて、公式練習から予選まで、上位は驚くほどの僅差だ。ほんのわずかな気温のズレや、コンディションの変化によって、当たり外れに明暗が出て、タイヤのパフォーマンスを引き出し切れたか、切れなかったかが分かってくる。

D’station Porscheは予選3番手タイムを記録したものの、四輪脱輪でタイム抹消の憂き目に
D’station Porscheは予選3番手タイムを記録したものの、四輪脱輪でタイム抹消の憂き目に

 ちなみに、峰尾と同じポルシェ勢では、タイム抹消となってしまったものの、D’station Porscheが速さをみせた。特に四輪脱輪のペナルティを受けてしまったスヴェン・ミューラーは、なんと今回が初めての富士の走行、スーパーGTのアタックだ。四輪脱輪というのはある意味日本独特で、そのペナルティを防ぎきれなかったのは痛いが、D’station PorscheもGULF NAC PORSCHE 911と同様のパフォーマンスをもっているのは間違いないだろう。

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