D’station Racing
Race Report – 2025.11.3

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2025 AUTOBACS SUPER GT
Round 8 MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL

NOVEMVER. 1 – 2 Qualify :17th  / Race:12th

最終戦は多難な週末に。ランキング12位でシーズンを終える

 4月に開幕したSUPER GTは、さまざまなドラマを経ていよいよ最終戦を迎えた。ここまでランキング上位を争ってきたD’station Racingの藤井誠暢とチャーリー・ファグは、今季第7戦を終え56.5ポイントを積み重ね、ランキング7位とチャンピオンの権利を残して第8戦に臨むことになった。舞台は栃木県のモビリティリゾートもてぎだ。

 ただ、中高速コースでは抜群のスピードをみせてきたD’station Vantage GT3だが、ストップ・アンド・ゴーレイアウトのもてぎはシーズンの中でも最も苦手とするコース。また車両のギア比が合わず、苦戦が予想されていた。

 迎えたレースウイークは、11月1日(土)の午前9時10分からスタートした公式練習で始まった。前夜の雨によりわずかに路面が濡れている状況だったが、藤井からコースインするとまずは8周を周回。ファグに交代した。

 少しずつ晴れ間も見えはじめるなか、ファグも27周を走り公式練習を終えることになったが、D’station Vantage GT3のベストタイムは藤井が記録した1分49秒267。順位は26番手と非常に厳しいものに。苦手コースの厳しさがそのまま表れてしまう結果となった。このままでは、チャンピオン争いはおろか上位進出もままならない。チームは午後の公式予選に向けてパフォーマンスアップを目指しセットアップの改善を進めていった。

 午後2時からスタートした公式予選は、晴天のもと気温22度/路面温度24度というコンディションで始まった。D’station Vantage GT3は藤井がドライブし、Q1のA組に出走。ここでは1分47秒227を記録し、7番手でQ2進出を達成。藤井自身も驚く好タイムとなった。

 ただ続くQ2では、ファグがアタックを担ったが、思うようにタイムを伸ばすことができず、結果は17番手となった。

 11月2日(日)の決勝日、もてぎは曇天だったが、雨の心配はなく気温20度/路面温度22度というドライコンディションで午後1時から決勝レースが始まった。D’station Vantage GT3のスタートを担当したのはファグだ。

 混戦のなか、ファグは1周目に14番手にポジションを上げる。レースに向けて取り組んだバランス改善が功を奏し、ファグのペースも良い。トップ10、そしてさらなる上位を目指していったが、6周目、まさかのアクシデントに見舞われた。ファグの2台後方を走っていた#6 フェラーリが競り合いのなかでブレーキングが遅れ、D’station Vantage GT3のサイドにヒット。ファグはたまらずスピンを喫してしまった。

 幸いグラベルには埋まることなくコースには復帰できたが、順位は最後尾までドロップしてしまう。ただ、ファグはあきらめることなく好ペースで追い上げをスタート。ライバルたちが早めのピットインを行っていくのに対し、36周までピットストップを引っ張り、藤井に交代した。

 この戦略、そしてスピードが功を奏し、D’station Vantage GT3は各車がピット作業を終えると、12番手にまで浮上することになった。

 その後も藤井は前を行く#87 ランボルギーニを追いながらレースを進めたが、順位の変動はなく12位で最終戦を終えることになった。序盤の接触がなければさらに上位を狙える可能性もあっただけに悔しいところではあったが、苦手コースでの入賞は翌年以降にも繋がるものと言えた。

 2025年は高得点を記録したレースが3回あったが、一方で8戦中4戦は無得点と、浮き沈みが激しいシーズンとなり、シリーズランキングは12位で終えることになった。SUPER GTではコンスタントに得点を稼いでいかなければ、チャンピオンには届かない。D’station Racingにとっても、さまざまな教訓を得るシーズンとなった。

 シリーズは2027年に向けさまざまな変革を迎えていくことになる。その変革を前に王座を掴むべく、チームはしばし雌伏の時を迎える。

D'station Racing 2025スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート
D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

COMMENTS:

Team Owner:Satoshi HOSHINO

第7戦は苦しいレースとなり、チャンピオン争いも厳しい展開となっていましたが、この第8戦では、あきらめることなくレースウイークに臨んでいました。ただこのもてぎは車両の特性上厳しく、土曜日の走り出しから苦しい順位となってしまいました。そこから公式予選Q1突破を果たし、決勝レースでも序盤好ペースで順位を上げてくれたので、その点は藤井選手、チャーリー選手、チームの力がみせられたのではないかと思います。残念ながら接触もあり上位入賞とはなりませんでしたが、来季以降に繋がるものにはなったと思っています。チャンピオンには届きませんでしたが、来季はふたたびタイトルに挑戦していきたいと思います。一年間応援ありがとうございました。

Director:Kazuhiro SASAKI

今回は参加条件が我々にとっても少し苦しいところもあり、なかなか勝負にならないところもありましたが、チームのみんなが頑張ってくれて、12位まで追い上げることができました。ただ、シーズン後半戦は本当にもったいないレースが多かったですよね。ポイントをしっかり獲るべきところで獲らないとチャンピオン争いは厳しくなってくるので、そのあたりはしっかりとマネージメントしていかなければいけないと思います。その点では、今回厳しい状況のなかでもなんとか追い上げてくれたことで、ポテンシャルがあることを示してくれた最終戦にもなったと思います。来シーズンもまたイチからチャンピオンを目指して頑張っていきたいですね。

Supervisor:Tetsuya TANAKA

もてぎはクルマの特性としてあまり得意ではありませんでしたが、もう少し良い流れで週末を過ごせていたら、まだ上にいけたかもしれません。チームのみんなが頑張ってくれて、なんとか予選、決勝と速さを増すことができていましたし、レースでもラップタイムも悪くなかっただけに序盤のアクシデントは残念でしたね。今シーズンは本当にいろいろなことがありましたし、タラレバは言い始めればいくらでもあります。しかしそれを含めた一年間のチャンピオンシップですし、この経験を前向きにとらえてやっていくしかないと思っています。過去を振り返っても変わらないですからね。強いチームになれるよう、前を向いてやっていきたいと思っています。

Driver:Tomonobu FUJII

このモビリティリゾートもてぎは相性としてはかなり苦しいコースでしたが、公式予選Q1はなんとか通過することができました。ただQ2があまり良いタイムではなく、グリッドは苦しいものになりました。決勝レースに向けてはバランスを改善していったこともあり、苦しい中でも良いクルマにできたとは思うのですが、序盤チャーリー選手がヒットされてしまい、順位が下がることになってしまいました。とはいえコース上でのペースは苦手なサーキットだったことを考えると良かったですし、12位でポイントも獲れたことは良かったですね。今季は取りこぼしも多かったですし、良いときと悪いときの差が大きいシーズンでした。その点は今後に向けた課題ですね。

Driver:Charlie Fagg

今週末を通じてすごく難しいレースになってしまったね。この数戦は僕たちはなかなか速く走ることができていなかったけれど、予選に向けて改善していったんだ。藤井サンが良い走りをしてくれてQ2に繋いでくれたけど、僕自身はもっと良い走りができたと思っているよ。レースでは、序盤良いペースで順位を上げることができたのは良かったんだけど、ヒットされてしまったのは残念だった。相手は謝りに来てくれたけど、最後尾まで落ちることになってしまったからね。その後追い上げて12位に入れたことは良かったけど、あれがなければトップ5もいけたかもしれない。レースだから仕方ないことだけど。来年はもっと運に恵まれて、タイトルに挑戦できるといいね!

D'station Racing 2025スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート
藤井誠暢/チャーリー・ファグ 2025スーパーGT第8戦もてぎ

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