市販されているRC Fにも乗ったことがあるという飯田。本音を言うと、このクルマでGT3車両を開発すると分かった時には、相当の苦労を覚悟したそうだ。

「フロントヘビーで曲がらないクルマをレーシングカーにする。しかも、GT3車両は販売することも考えないといけない。コストをかければ、たとえば軽量化にしても軽くて丈夫な素材を多用すればそれだけで大きな軽量化ができますが、そういうわけにもいかない」

「ベースになるホモロゲーションモデルをどこまで突き詰めるか、そのあたりの見極めをするのは難しかったですね」

 湯水のようには費用をかけることができないなかで、試行錯誤の末にRC Fは生まれ変わった。

「15年モデルからすると、(17年モデルは)すごく丈夫なクルマになったのかなと思いますね。線が細くて、非常にセンシティブだった15年モデルから、ライフさえ守れば安心してレースが戦えるクルマに、ベースとしては持っていくことができました。ここからアップデートしていくなかで、さらに戦闘力も煮詰めていけると思います」

 ただし、強いGT3車両には、クルマ自身の戦闘力だけでなく「レースの進め方」まで考慮することが求められる。

「世界規格で作られていて、BoPというシステムも採用されるわけですから、そのBoPをうまく利用することも考えないといけないですね。ただ単に速いクルマを作るだけでなく、そのクルマでどう戦って勝つのかということだと思います」

 開発ドライバーを担ってきた飯田にとって、RC Fの初優勝を他チームにさらわれた第2戦富士は、悔しい思いしかなかったはず。飯田は「RC Fの2台は使っているタイヤメーカーの違いがあるのでそこも差にはなってきますが、なんとか僕たちも続きたいですね」と意気込みをみせた。

 戦闘力を示した“新”RC Fの2勝目はどちらが挙げるのか。得意と予想するコースが続くシーズン後半、注目だ。

SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
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