参戦3年目、全員でつかみ取った初のシングルフィニッシュ次なるステージへの第一歩へ!

 HELM MOTORSPORTSは、国内最高峰レースであるスーパーGTのGT300クラスに、NISMOからのサポートを受け、引き続き挑む。3シーズン目となる、2026年は体制不動。チーム代表である平木湧也が第1ドライバーを、第2ドライバーを平木玲次が務め、引き続き兄弟コンビで臨む。監督もまた福山英朗が采配を振い、浦野夢希がエンジニアを担当することでも変わりはない。マシンもニッサンGT-RニスモGT3のまま、タイヤも横浜ゴムとの強力なパッケージで全8戦を戦っていく。

 本来なら6月にマレーシア大会が行われるはずだったが、中東情勢の悪化によって延期となり、実に3か月ものインターバルが開くことに。舞台は第2戦同様、富士スピードウェイ。13位で完走を果たし、今季初のポイント獲得となったとはいえ、納得のいく結果ではない。とはいえ、平木湧也が公式練習でクラッシュを喫し、セットアップが進まず予選を22番手で終えていたことを思えば、9ポジションアップである。悪い流れを引きずらず、むしろ断ち切れたとも言える。

 まずは予選をスムーズに進め、Q1突破を果たしたいところ。Q2に臨めれば、きっと決勝においても確固たる結果が得られるはずだ。「HELM MOTORSPORTS」の本来の実力を、ここで発揮して見せようではないか!

■予選

 同じ富士スピードウェイが舞台ではあるが、5月の第2戦と異なるのはコンディションだ。あの頃は暑いと言ってもさほどではなかったものの、8月ともなると朝から真夏の日差しが容赦なく照りつけ、少し歩けば汗をかくほどの蒸し暑さを感じるほど。クルマとタイヤにとっても厳しいコンディションとなった。

 走り始めの公式練習は、車のセットアップを確認しながら分担して調整を進めていく。平木湧也は新品タイヤを装着し、予選を見据えたアタックを実施。1分39秒122を記録し、一発のパフォーマンスを確認した。そして平木玲次は、ユーズドタイヤで走り込み、決勝を想定したロングランを担当。持ち込んだセットアップとタイヤのフィーリングは決して悪くなく、レースペースにも一定の手応えを得たが、車体バランスには改善すべき課題を残す。

 HELM MOTORSPORTSはその課題の解消に向けてセッティングを見直し、予選と決勝に向けた準備を進めていく。上空にやや雲が増えたものの、気温32度/路面温度45度と、相変わらず蒸し暑さを感じる中、Q1/A組を担当した平木湧也は、4周目に1分38秒806をマークして4番手につけると、続くアタックではセクター1、2で自己ベストを更新し、1分38秒334までタイムを短縮。この時点ではQ2進出圏内の順位を十分に確保していたため、突破も確実かと思われたが、終了間際にライバルたちが雪崩れ込んで、HELM MOTORSPORTS GT-Rは10番手まで押し下げられ、惜しくもQ2進出には及ばず。

 悔しさの残る結果となったものの、公式練習では決勝を見据えたレースペースを確認できており、収穫も少なくなかった。チームは残された課題を少しでも改善すべく、決勝に向けて最後までセットアップを煮詰め、チーム一丸となって準備を進めていった。

●平木湧也
「走り始めは、前戦よりも良いフィーリングだと感じました。ですが、予想を上回るコンディションの変化にアジャストするのに手間取ってしまいました。予選はそのことも踏まえてセットアップを変更しましたが、思っていたよりも改善が見られず、セクター2でタイムを落としていました。ずっと課題にしているクルマのバランスがなかなか改善できていないため、予選の一発タイムが残せていないのが現状ですね。レースペースはまわりと比較しても落ち幅は少ないので、決勝はポジティブな印象です。今回300kmレースと短い距離なので、後半に巻き返しがしきれない分、序盤から粘り強くプッシュしていきます」

●平木玲次
「今回は前戦よりもセットアップの方向性を変更して持ち込み、走り始めはフィーリングも悪くありませんでしたが、まわりと比べると高速セクターでタイムを落としていました。なんとかドライビングでもカバーしようと試みましたが、車体バランスに苦戦を強いられ、予選にも響いてしまい、Q1敗退となってしまいました。もうひと超え欲しいと感じましたね。ロングランでのペースには手応えを感じているので、後方からのスタートとはなりますが、切り替えてしぶとくレースをすることができれば、ポジションアップにつなげられると信じています」

●福山英朗監督
「練習走行での感触では、Q2進出に手応えも感じていました。予選で1分38秒334というタイムが出た時点でも、Q2進出を確信していました。チームとしても良い仕事ができたと感じていましたが、それ以上にまわりのタイムの上がり幅が大きく、Q1を突破することができず、少し困惑しています。決勝ではペースの落ち幅もある程度は想定できています。決勝は雨予報となっていますが、GT-Rは路面状況が悪い時に強い車ですので、そこを活かしてヨコハマタイヤユーザーの中でもトップを目指していきたいですね。とにかく全力投球。どのスポーツもそうですが、僕たちの一生懸命に頑張っている姿を見て、“頑張ろう!”と思ってもらえるように、今回の地震で被災された熊本の皆さんに元気を届けられるように頑張ります」

62号車HELM MOTORSPORTS GT-R
HELM MOTORSPORTS GT-R(平木湧也/平木玲次) 2026スーパーGT第4戦富士

■決勝

 予選を終えた後、浮き彫りとなっていた課題を改善すべく、ドライバー、エンジニア、メカニックが一体となってセットアップを見直し、決勝に向けた最終調整を実施。改善への手応えを期待しながら、決勝日を迎えた。決勝日は午後から天候が崩れる予報だったものの、朝から青空が広がり、蒸し暑いコンディションとなった。

 ウォームアップ走行まではドライコンディションを維持していたが、スタート進行中に突如として雨雲が富士スピードウェイ上空を覆い、大粒の雨によって路面は一気にウエットコンディションへと変化。スリックかレインか、タイヤ選択の判断を迫られる中、実はメカニックによる懸命な作業が行われていた。車内のエアコンが正常に動作しないというトラブルが発生。しかしながら、十分な修復時間が得られず、そのまま走ることを決断せざるを得なくなってしまった。

 スタートドライバーを務めた平木湧也がHELM MOTORSPORTS GT-Rのステアリングを握ると、直前まで降り続いていた雨はスタート前にやみ、太陽が顔をのぞかせたことで気温、路面温度ともに急上昇。天候の回復を見据えたチームは、スリックタイヤを選択して決勝へと挑んだ。レースはセーフティカー(SC)先導でスタートしたが、5周目からSCが隊列を離れ、スタートが切られると、GT500の車両がホームストレートで大きなクラッシュを喫し、早々に赤旗が提示される。約30分間の中断を経て6周目から再びSC先導でレースが再開され、10周目、ようやく本格的なレースが幕を開けた。

 平木湧也は好スタートを決めると、序盤から積極的な走りを展開。決勝に向けて施したセットアップ変更が功を奏し、公式練習から課題となっていた車体バランスは大きく改善し、想像を上回る好感触に! ドライアップしていく路面コンディションにもうまく対応し、力強いオーバーテイクを重ねながら着実にポジションを上げていった。しかし、その最中にバックマーカーを追い抜く際、押し出す形となって、その裁定として5秒のタイムペナルティが科されることに。それでも平木湧也は落ち着いた走りでレースを組み立て、34周目にピットイン。メカニックは迅速かつ正確なピット作業で平木玲次をコースへ送り出し、チーム一丸となったオペレーションで後半戦へとつないだ。

 14番手でコースへ復帰した平木玲次は、序盤から1分39秒台前半の安定したラップタイムを刻み、想定を上回るレースペースを披露。クルマの高い戦闘力を活かし、タイムペナルティをも跳ね除けるような勢いでペースを上げて次々とライバルを攻略し、45周目には自力で7番手まで押し上げた。その様子をピット内で見守っていた誰もが手に汗を握り、いつも以上の緊張感に包まれていた。平木玲次はその後も順位をキープし、最終ラップへと入っていく。最終ラップで1台に先行を許したものの、8位でチェッカーを受け、HELM MOTORSPORTS GT-Rを無事にチームの元へと運び切ってみせた。この結果、HELM MOTORSPORTSはスーパーGT参戦3年目にして初となるシングルフィニッシュを達成! ドライバー、エンジニア、メカニックをはじめ、チーム全員が一丸となって積み重ねてきた努力が実を結ぶ、大きな一戦となった。

 ピットでは最後までモニターを見つめながらクルマの帰還を待ち続け、チェッカーが振られた瞬間、大きな拍手と笑顔が広がった。平木湧也も思わず涙を浮かべるなど、ドライバー、エンジニア、メカニックを始め、チーム全員にとって忘れることのできない瞬間ともなった。

●平木湧也
「これまで常にトップ10入りを目指し、表彰台を獲得するという目標を持って取り組んでいましたが、なかなかトップ10にも入ることができませんでした。スーパーGT参戦3年目で、ようやくシングルフィニッシュを果たすことができ、とても嬉しいです。とても長かったですね。今回は予選19番手からスタートでしたが、ペースが良ければここまで上がってこられるという証明もできたレースでもありました。いつも粘り強い走りをしてはいますが、いつも以上にとてもいいペースがあり、自信にもつながりました。今大会を通して方向性も見えつつあるので、さらに上を目指せるように、これをベースにセットアップを詰めていけるように取り組んでいきます。次戦鈴鹿に向けてもいい流れを維持できるように、準備を進めていきます。本当にたくさんの応援をありがとうございました」

●平木玲次
「これまで3年間やってきたなかで、なかなかシングルフィニッシュは遠い存在でしたが、ようやくひとつの目標に辿り着くことができました。決勝レースではメカニックもミスなく送り出してくれて、エンジニアもいいクルマを作り上げてくれたので、ドライバーも持てる限りの力を出し切ることができました。エアコンが正常に動作せず、厳しい状況での戦いでしたが、監督をはじめ、駆けつけてくれた皆さんが励ましてくれたので、なんとか最後までクルマをゴールまで運ぶことができたので、とても嬉しかったですね。ここからさらに上位を目指すにはさらに精度を上げて、今以上のパフォーマンスを発揮しなければ、ライバルには勝てないので、チーム一丸となって目標に突き進んでいきたいです。次戦鈴鹿でもこの流れを切らさないように、いい状態で挑めるように準備を進めていきます」

●福山英朗監督
「3年目にして、ようやくシングルフィニッシュに辿りつくことができました。ずっと信じていました。クルマが良くなると、良いリザルトをつかめるチームだと。ドライバーの技量はもちろん、クルマのセットアップも決まり、路面温度やコンディションも含めて追い風もあったので、良い流れをつかむことができました。決勝ではエアコンのトラブルを抱えていましたが、よくぞやり切った! 予選19番手から、暑い車内の中でドライバーも戦い抜いて、8位でゴールできるなんて、これ以上の成績はないですね。私自身も久しぶりに見るような、感動的ないいレースができました。メカニックやチームにとっても、この結果は良い刺激になったと思います。チーム一丸となって取り組めば、結果を出せるというのを示すことができたレースでした。ですが、これが始まりです。しっかりと走ることができるクルマを作って、この調子を維持できるようにしたいですね。次戦鈴鹿はまたイチから、しっかりと取り組んでいきます!」

■次戦へ向けて

 これまで思うように結果へ結びつかないレースも多くありましたが、一戦一戦積み重ねてきた挑戦と努力が、今回ようやく初のシングルフィニッシュという形で実を結びました。この結果はチームにとっても大きな自信となり、さらなる成長への確かな一歩となったのは間違いありません。もちろん、HELM MOTORSPORTSが目指す場所はここではなく、今回得られた手応えと課題を次戦へつなげ、さらなる上位進出、そして悲願の表彰台獲得を目指して挑戦を続けていきます! 前のレースから3か月もお待たせしたというのに、次はもう3週間後! シリーズ第5戦は、8月22〜23日に鈴鹿サーキットで開催されます。今大会でつかんだ勢いを力に変え、チーム一丸となってさらなる高みを目指していきます。どうぞご期待ください。

浦野夢希エンジニア、平木湧也、福山英朗監督(HELM MOTORSPORTS GT-R)
チーム初のシングルフィニッシュを喜ぶ浦野夢希エンジニア、平木湧也、福山英朗監督(HELM MOTORSPORTS GT-R) 2026スーパーGT第4戦富士
平木玲次(HELM MOTORSPORTS GT-R)
平木玲次(HELM MOTORSPORTS GT-R) 2026スーパーGT第4戦富士
62号車HELM MOTORSPORTS GT-R
HELM MOTORSPORTS GT-R(平木湧也/平木玲次) 2026スーパーGT第4戦富士

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