チームの徹底した準備とニュータイヤが奏功し昨年のSUGO以来のフロントロウを獲得
前回の第2戦から約3カ月のインターバルを経て、2026 AUTOBACS SUPER GTが再開した。本来なら6月20日、21日にマレーシアのセパンセパン・インターナショナル・サーキットで第3戦が開催される予定だったが、中東情勢の悪化により大会は延期となり、第4戦『FUJI GT 300km RACE』が実質的なシリーズ再開の一戦となった。
本戦の舞台はシーズン2度目となる富士スピードウェイ。LM corsaにとっては5月に開催された第2戦で予選Q1トップタイムを記録するなど速さを見せたサーキットであるが、一方で決勝ではタイヤトラブルとセットアップに苦しみ16位に終わり悔しさが残っている。前戦が終わってからチームは、課題の洗い出しと改善を進めてきただけに、その成果が問われる一戦となった。
約3カ月のインターバル中、サーキットで実走テストを行う機会はなかった。しかし、LM corsaの母体であるOTGが保有する風洞施設を用いてエアロダイナミクスを検証するなど、通常のレースシーズンでは実施できない開発メニューを実行。また、装着するダンロップタイヤも新コンパウンドを採用した仕様へアップデートされ、第4戦に向けた準備が進められた。
久しぶりの実戦となる第4戦は、8月1日(土)に公式練習と予選、2日(日)に300kmの決勝レースが行われる。走り出しとなった公式練習は10時30分にスタートし、途中にはFCY(フルコースイエロー)のテストが実施され、最後にはGT300、GT500クラスそれぞれの専有走行枠が設けられた。
Syntium LM corsa LC500 GTには第1ドライバーの吉本大樹選手が乗り込み、まずはマシンとタイヤのチェックを兼ねてコースイン。7周を走行するとピットへ戻り、その後は2~3周ごとにピットインを繰り返しながらセットアップを進めていった。セッション開始から約50分が経過すると、吉本選手から河野駿佑選手へとドライバー交代。河野選手も決勝レースを見据えた確認作業を進めながら周回を重ねていく。
セッション終盤にはGT300クラス専有の走行枠が設けられ、そのタイミングでニュータイヤを装着。2周のアタックを行った河野選手は1分38秒470を記録し、GT300クラス29台中7番手となった。公式練習後には観客を乗せたバスがGTマシンとともにコースを走る『サーキットサファリ』が実施され、この時間も活用しながらマシンのセットアップを進めていった。
<気象データ>
気温:33℃、路面温度:48℃(予選時)
●予選
午後になっても真夏の日差しがサーキットを照り付け、予選開始時点の気温は33℃、路面温度は48℃まで上昇した。今回もGT300クラス29台は2組に分けられて予選Q1が争われ、LM corsaは吉本選手にアタックを託した。
10分間の予選が始まると、吉本選手はコースオープンと同時にコースイン。アウトラップと2周を使って入念にウォームアップを行い、計測3周目からアタックを開始した。すべてのセクターで公式練習のタイムを更新すると、1分37秒549をマーク。タイミングモニターでは3番手に浮上した。翌周もアタックを継続すると、セクター2では全体ベストタイムを記録。しかし、セクター3でタイヤのグリップが低下したためタイム更新はならず、そのままピットへ戻った。それでも最終的に6番手でQ1を突破し、予選Q2進出を決めた。
GT500クラスの予選Q1終了後、GT300クラスの予選Q2がスタート。河野選手もコースオープンとともに走行を開始し、アウトラップと2周のウォームアップを経て計測3周目にアタックへ入る。まずは、予選Q1のタイムを上回る1分37秒058を記録すると、翌周もアタックを継続。LC500 GTの強みである高速コーナーが続くセクター2ではベストタイムを更新し、セクター3でわずかにタイムをロスしたものの、1分36秒800までタイムを短縮した。18台によって争われた予選Q2では、河野選手のアタックにより2位を獲得。Syntium LM corsa LC500 GTは決勝レースをフロントロウからスタートすることとなった。
第1戦、第2戦では予選で速さを見せながらも、決勝ではタイヤのトラブルなどに苦しみ、本来のパフォーマンスを発揮することができなかった。しかし、今大会から投入した新コンパウンドのダンロップタイヤは、ロングランでも性能低下が少ないという手応えを得ている。フロントロウからスタートする決勝レースでは、今シーズン最高成績を狙う
吉本大樹選手
「3カ月のインターバル中はサーキットでテストができませんでしたが、チームは風洞施設を使ってマシンを細かく分析し、長所と課題を確認してくれました。また、今回はダンロップが新しいコンパウンドのタイヤを用意してくれたこともあり、公式練習では決勝レースを見据えたセットアップを重点的に進めました。一発のタイムはそれほど目立ちませんでしたが、ロングランでは良い感触があり、予定していたメニューも順調に消化できました。予選はコンディションの変化もありアタックを完璧にはまとめ切れませんでしたが、Q1を突破し、河野選手がQ2でフロントロウを獲得してくれました。決勝は天候の変化も含めて難しいレースになると思いますが、チーム一丸となって優勝を目指します」
河野駿佑選手
「今回は持ち込んだ新しいタイヤがコンディションに合っていて、公式練習では予選、決勝を想定したシミュレーションをしっかり行うことができました。ロングランでもタイヤの性能低下が少なく、さまざまなセットアップを試せたことは大きな収穫です。GT300クラス専有走行ではニュータイヤで予選シミュレーションを行い、アタックのイメージを十分に掴めました。Q2では吉本選手からのフィードバックも参考にしながらアタックし、2周目でタイムを更新して2位を獲得することができました。決勝でも新しいタイヤの強みを活かせると思いますし、チーム全員で優勝を目指して最後まで全力で戦います」

