明けて日曜日、2日目のSUGOは天候に恵まれず、早朝には霧雨も。セッション3の開始時には路面は乾いていて、ドライタイヤでの走行が可能だったものの、20度を切る気温は初日とは対照的に、本戦ではあり得ない。そのため、タイヤの選定よりもセットの最終確認と、比較的口ングをかけながらの走行がメニューとされていた。このセッション3では飯田も吉本も、それぞれ28周を走行。ベストタイムは飯田の1分20秒407で、吉本がほぼ変わらぬ20秒583を記録していたのは、現時点でのクルマの性能を、ドライバーふたりが最大限に引き出していたことの何よりも証明と言えるだろう。
そして、仕上げとなるセッション4は、スタート直後にSCトレーニングが行われ、またセッション3が赤旗によって10分早く終了となったため、10分間計測が追加されることとなった。中盤からは霧も出て、視界も遮られるなかでは速さを求めるベくもなく、しかしながら飯田、吉本ともにロングをこなしていく。ここでのベストタイムは36周走って、中盤に吉本が記した20秒155。それでもテストの最速タイムとあって、どれだけセットが順調に進められていったか理解してもらえるのではないだろうか。もし、これでコンディションに恵まれていたなら……とかえって期待を高めることとなった。そして飯田も21秒425をマークする。
チェッカーが振られる前に、予定されていた全メニューをこなせたため、最後にドライバーチエンジとタイヤ交換のシミュレーションを急きよ行うこととになったが、その際にプロペラシャフトが破損。思いがけぬ幕切れとなった。とはいえ、今回のテストではコンスタントにラップを刻むことができ、7月末に控える本戦、特に決勝レースにおいては、十分に期待を抱かせる内容となった。このムードをしっかりキープし、大活躍を期待したい。また、7月9日~10日には鈴鹿サーキットでの公式テストも控えており、ここでの煮詰めも大いに望まれる。
Director’s comment
チーム監督:小林敬一(http://www.koba-pla.net/)
最後の最後にトラブルが、プロペラシャフトが折れてしまってテスト終了となりましたが、今まででいちばん内容の濃い、工ンジ二アの組んだメ二ューをしっかりこなせた、すごく有意義なテストになりました。特にパランスチエックは入念に行い、かなりいい感じになってきましたのでね。アベレージタイムが悪くなくて、ユーズドタイヤでの安定感がすごくあったので、まだ順位は下の方ではありますけど、これからはいろんなストラテジーがかけられそう、そんな手応え、予感も感じました。テストでは今までいろんな迷惑をかけてきたのですが、今回そういうのはまったくなく、逆に収穫がいっばいありましたので、これからを期待していてください。
Driver’s comment1
ドライバー:飯田章(http://akira.jp/)
今回、テストは今までになく順調に進みました。距離もしっかり稼げましたし、僕自身もいつも以上に頑張ってセットアップしましたし(笑)。クルマは持ち込んだときより確実に速くなりましたし、いい方向も見つけられたので本当に良かった。おかげで、またチームの士気が高まったのは間違いない。とにかく、できることはすべてやった、という印象です。
Driver’s comment2
ドライバー:吉本大樹(http://www.hiroki-yoshimoto.com)
走り出しはアウト~インを繰り返し、ピットで調整を何度も行うという作業から始まりはしましたが、2日間を通していろんなトライができて、搾りきった果汁の1、2滴をギュッと絞り出すような、実りあるテストになったと思います。昨シーズンのSUGOは、もう少しでQ2に行けるか、っていうところまで来た、シーズンを通してもっとも戦えたサーキットでした。とは言っても、ライバルもパフォーマンスが上がっているので楽ではないと思いますが、ポイントは獲りにいきたい。次の鈴鹿テストもさらに前進できるよう、頑張ります。
