明けて4月8日のサーキットは、午前中こそ雨が舞い、星野オーナーも苦しむレースとなってしまったが、SUPER GTの決勝が近づくと青空が顔を出し、気温も上昇。本来のタイヤの性能が発揮できるコンディションとなっていった。チームはスタートドライバーを務める藤井がハードめのタイヤをもたせつつペースを上げ、コース上がクリアになる後半まで引っ張り、ミューラーがラストスパートをかける作戦を立てた。

 17,700人という昨年を上回るファンが見守ったスタートから、藤井は決してタイヤをいじめることなく、そしてチャンスとあれば確実にライバルを仕留める走りをみせる。序盤からトップ争いが混戦だったこともあり、ペースはトップ集団と変わらないどころか、わずかに速い。そのなかでも藤井は逐一無線でタイヤの状態を報告。ライバルたちがピットに向かうと、さらに藤井はペースを上げ、40周目にはトップに浮上! 首位を争っていたマシンがストップし混乱の恐れがあったのを見計らい、43周にピットイン。ミューラーに交代した。本来はタイヤ無交換作戦も採れる可能性があったが、当初の作戦どおり、リヤタイヤのみの二輪交換を行い静止時間を稼いだ。

 チームの迅速な作業にも助けられ、ピットアウトしてみればミューラーの順位は4番手。前を行く#65 メルセデスは見えている。しかもペースはこちらの方がいい。ミューラーは藤井がそうしてみせたとおり、決して焦らずチャンスを待った。

 レースも残りわずかという70周目。マイクナイトコーナーから最終コーナーにかけての攻防で#65 メルセデスがわずかに姿勢を乱すと、ミューラーはこれを見逃さず、3番手に浮上! ついに表彰台圏内に入ったが、前を走る#25 86MCはかなりペースが苦しそうだ。「ちょっと無線でしゃべるのを止めてくれ」と一気に集中したミューラーは、わずか2周後に一気にオーバーテイク! そのままチェッカーを受け、チーム創設以来最高位となる2位でフィニッシュした。

 作戦は見事完遂。それどころか、予想よりもいい順位となった。苦手だった岡山での2位は、チームのポテンシャルが可能にした最高のスタートダッシュと言える。次戦は、公式テストで抜群のスピードを誇り、昨年初表彰台も獲得した富士だ。悲願達成への舞台は整った。

D’station Porsche
藤井誠暢とスヴェン・ミューラー
D’STATION FRESH ANGELS

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