また、ニッサン陣営では3番手にMOTUL AUTECH GT-Rが入り、ZENTより6kgウエイトハンデが重いことを考慮すれば、同等の速さがあったと言っても過言ではない。この予選日に1周も走ることがなかったMOTUL GT-Rの松田次生が、予選日を振り返り、明日の決勝のポイントを話す。
「今日は1周も走っていなくて、いきなり明日、ぶっつけ本番なので大丈夫かなと(苦笑)。予選はすごく僅差でしたし、みんな、似たようなところにいますよね。明日のレースも500kmの長丁場ですけど、ワンミスもできないような接戦のレースになりそうですね」
「あとはタイヤのデグラデーションがブリヂストンとミシュランでどっちがいいか。予選でのピークのパフォーマンスは同じくらいだったと思うので、あとはレースでどこまで持つかですよね。その点、事前の富士テストでウチはエンジンが壊れてしまったこともあって、ロングランができていないので心配はあります」
「決勝は2回ピット作業があるのでうまく燃費とかを考えて、ウチのチームはそこでタイムを稼げるでしょうし、アウトラップもミシュランは悪くないと思います。本当に怖いのはロングランのペース、そこだけですね」
次生が話すように、この富士500kmのポイントはロングランのペースと、ピット作業などのチーム力に絞られる。近年はニスモやトムス、インパルにセルモなどのトップチームに優勝が限られているのも、第2戦というウエイトハンデの差が比較的小さいなかでの、500kmレースならではのポイントだ。
「レースはもう、天候と気温が分からないので、分からないね(苦笑)」と、多くのエンジニアが話すように、予選のタイム差を見る限り、当日のコンディションに合ったチームが突然躍進するという、まったく読めない展開になりそうな気配だ。
そのなかで抜け出すチームは果たしてどこか。少なくともトップ5にエンジン出力を見直したというレクサス+BSの組み合わせが4台入っており、この4台の感触がホンダ、ニッサン陣営よりも悪くないのは明らかだ。
