3時間近く経過して、織戸選手のドライブでふたたびピットを離れた#30 TOYOTA PRIUS apr GTながら、もう完走扱いにも及ばないことは明らかだったため、今後の方向性を探るためのチェックとして10周するに留め、そこでレースを終えることとなった。
まだ一度も入賞を果たせぬばかりか、2戦連続のリタイアはあまりに痛い。ましてウォームアップで好感触を得ていただけに……。
だが、後ろを振り返ってばかりではいられない。しっかり前を向いて次戦のSUGOに挑むのみ。テクニカルコースと知られるSUGOはJAF-GTの#30 TOYOTA PRIUS apr GTが最も得意とするステージ、ノーハンデであるメリットを生かし、今度こそ大逆襲としてもらおう。
永井宏明選手
「予選後に大きくセットアップを変更したことによって、ウォームアップ走行でマシンが激変しており、フロントのグリップが昨日とはまったく違いポンとタイムが出ました。今まで、何度もトライして見いだせなかったセットでした。間違いなく今回のレースは手ごたえがありましたが、結果は非常に残念です。残り3戦となりましたがこの流れと、ドライバーの走りで結果につなげますので、ご声援宜しくお願いいたします」
佐々木孝太選手
「フロントタイヤが温まり切ってないなか、無理してしまい1周もせずにクラッシュ。チャンスのあったレースを終わらせてしまいました。みなさま、本当に申し訳ございませんでした」
織戸学選手
「スポット参戦ではありましたがGTに復活できましたこと、この場をお借りし後押しくださった皆様にお礼を申し上げたいと思います。現役ドライバーとのガチンコバトル、とてもうれしかったです。今後も、機会があれば微力ながら#30号車をサポートできればと思います。みなさま、ありがとうございました」
金曽裕人監督
「予選まではタイヤとクルマのマッチングが取れていなかったのですが、助っ人の織戸選手の意見を取入れてウォームアップにまったく違うセットでトライしてみたら、すごくヨコハマタイヤがイキイキして始めたんです。正直言って織戸選手はヨコハマタイヤを使わせたら神ですね。チームにとって、ものすごくプラスになったし、決勝でも大きくジャンプアップできると期待していました。それがスタート直後に……すごく残念です」
「周りの評価通り、織戸選手は奥行きが深く、何の権利がなくなっても今後のセットにつなげて欲しいとのことから10周だけ走ってもらいました。結果、大変貴重なコメントとデータが取れました。最後まで走れていたら、本気で面白かったとの確信にもつながりました。残り3戦、マシンの方向性も見えてきましたので、みなさまのご期待に答えられる日は近づいています」