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スーパーGT ニュース

投稿日: 2019.06.03 17:43
更新日: 2019.06.03 17:44

GOODSMILE RACING & TeamUKYO 2019スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーGT | GOODSMILE RACING & TeamUKYO 2019スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート

 午前時点では1分58秒フラットも想定していたチームだったが、9号車(PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHE)のクラッシュによる赤旗中断後もタイヤセーブのためアタックせず、なんとか14番手でのQ2進出を手にした。
 
 するとここからQ2担当の片岡選手が午前の鬱憤を晴らすスーパーアタックを披露。路面温度も考慮して早々にアタックラップへ入ると、「思いの外、路面コンディションが良くなっていた」と、ウォームアップ1周でいきなり1分57秒909を叩き出し、GSRのメンバー誰もが「性能以上の位置」という予選6番グリッドを獲得してみせた。

■Race

 迎えた日曜も午前から気温上昇が進み、300km、52ラップの決勝を前に気温は29度、路面温度は42度という真夏のコンディションに。
 
 土曜時点での感触から、この猛暑によりマシンバランスとタイヤグリップの変化が読みにくいことを踏まえて、チームはファーストスティントをミニマムにする戦略を採用。早めのピットでさらにライフの期待できるよりハード側のタイヤに履き替え、先頭集団のいない“裏側”を走ることでクリーンエアのなかタイムとポジションを稼ごうという狙いだ。
 
 しかし14時30分決勝スタート直後のオープニングラップから、依然としてGT3最重量の1330kg、そして開幕戦と同じ空燃比・吸気制限が加えられたマシンの「戦えなさ」が露呈する。
 
 6番グリッドから発進した4号車片岡選手の2台後方、8番手からスタートした360号車(RUNUPRIVAUXGT-R)が、ダンロップからデグナーまでの区間で並びかけるだけでなく、「あんなところでまったくブロックしようもないぐらい速度差がある」(片岡)という圧巻のパワー差で進入までに完全に前に出られると、7番手スタートの34号車(Modulo KENWOOD NSX GT3)もバックストレート後半の伸びで明らかな差を見せつけられ、オープニングラップで8番手にまで後退してしまう。
 
 周囲のライバルたちもタイヤのフレッシュな序盤では、いくらコーナーで稼いでもストレートで離される厳しい状況が続き、周回を重ねて相手が落ちてきたところでも、直線の伸びが足りない4号車は前に仕掛けるシチュエーションにまで持ち込めず。さらに前に追いついて車間が詰まり、後ろのマシンが迫ってくると速度の違いで飛び込まれる……という、ドライバーにはストレスのたまる展開が続いていく。
 
 そんな苦しみのなか、ピットウインドウが開こうかというレース距離約3分の1を迎える15周目に、GT500クラスの23号車(MOTUL AUTECH GT-R)が130Rでスポンジバリアにクラッシュする事故が発生。
 
 このアクシデントでセーフティカーが導入されることになり、20分ほどの回収作業を終えて21周目にリスタートが切られると、当初の戦略どおり早めにピットへと飛び込んだ4号車のみならず、360号車や5号車(ADVICS マッハ車検 MC86)など、ポジションを争うライバルたちも同様のタイミングでドライバー交代を行う状況になり、後半を戦う谷口選手にとっては、狙いとは異なる混雑した状況でのレースとなってしまう。
 
 10周を過ぎた頃からトラックの温度は38度前後に落ち着き、谷口選手もコースイン直後の23周目に2分1秒451の決勝ベストをマーク。その後も2分1秒台を連発して前を狙うも、やはり34号車NSX、360号車GT-Rの攻略には至らず。我慢のレースが続いていく。
 
 するとチームから「リスクを冒せば前に追いつける」との許可を得た谷口選手は、「タイヤはまったく喰わないけど、俺はズルズルが得意ってだけで」と技を繰り出し、曲がらないマシンを曲げようと、フロントに荷重を掛ければリヤが出る状況を逆手にとり、進入リヤ荷重のままフロントを縁石に引っ掛けて曲げる“秘技”でギャップを詰め、37周目に34号車とともに2台揃って360号車GT-Rをオーバーテイク。
 
 しかし4号車の直線速度のなさは決定的な弱点となり、鈴鹿の勝負どころである1コーナーやシケイン進入などでブレーキング勝負を仕掛けるのは夢のまた夢。そこで狙いを逆バンクに定めた谷口選手は、S字から逆バンク手前の左コーナーで裏技を駆使して34号車のアウトに並ぶと、「引っ掛けないと曲がらないマシンだけど、なんとか真横でついて行って」ダンロップ進入で技ありのパッシングを披露する。

グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)
グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)


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