「セーフティカーでチームルマンにすごいラッキーがあったので、そこは悔しいですね。チャンピオン争いは厳しくなりましたけど、レースは本当にわからないのでチャンスはあると思っていますので、諦めずに少しでも差を詰めたいと思います」と平川は前を向いたが、レクサス陣営内でもWAKO’Sが大きく抜け出した形となった。
他メーカーでは、予選2番手を獲得していたCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが不運なアクシデントに見舞われた。平手晃平が話す。
「残念といいますか、悔しいですね。フロントのブレーキがずっと噛んでいるような状態で。ブレーキバランスがほぼ100パーセント前に行っているような状態で、間違いかなと思って走り出したんですけどフロントのブレーキが噛んでいるようなフィーリングでした」と平手。
「1周回ってくる間にポンピングとか、やれることはやってみたんですけどストレートも全開で走っても20km/hくらい遅い状態でブレーキ温度も異常な高温になっていたので危険だったのでピットインしました。悔しい部分はありますけど、速さといいますか、パフォーマンス的にはいいところにいたと思いますので次のオートポリスで、この悔しさを返したいと思います」と話すように、次のオートポリスはGT-Rと相性のよいサーキットで、ウエイトハンデが軽いCRAFTSPORTSは本命の1台になるだろう。
ホンダ陣営ではRAYBRIGは実質、優勝に等しい10番グリッドからの2位獲得となったが、序盤戦に見せ場を作ったのはModulo Epson NSX-GTの牧野任祐だった。
「見せ場は作れたかなと思います。自分自身、スーパーGTでレースっぽいレースがこれまでできていなかったので、そういった意味ではよかったですし、自分のスティントには満足しています。最後だけ、路面温度が下がった時に、それまでと同じタイヤを履いていたんですけどコンディションに合っていなかったのかなというのがありますけど、予選Q1も通れましたし、結構、ポジティブな週末でした」と牧野。
「スタートから4番手の順位をキープして後ろを押さえることができたし、次のスティントも2~3台パスできたので、本当にポジティブな週末だったと思います。最後のスティントでは前のスティントでナレイン(カーティケヤン)さんがGT300と接触して(ドライブスルーペナルティを牧野が消化)クルマにダメージがあった状態で、リヤフェンダーがタイヤと当たっていた状態でずっと煙が出ていたので、大事を取って、順位も変わらなかったのでピットインしました。次も今回のポジティブな感触を今後も続けられればいいかなと思います」と話すように、今後に可能性を見せるレース内容となった。
予想以上のサバイバル戦となった第5戦富士500マイルの決勝だが、WAKO’Sの連勝に大きなショックを受けているチームが多く、今後のチャンピオンを考えると諦めムードが漂う形となったことは間違いない。残り3戦でストップ・ザ・WAKO’SというGT500クラスの戦いとなるが、そのWAKO’Sに挑む急先鋒はどのチームになるのか。次のオートポリスはその対抗馬を探す戦いとなる。