「もともとミニマム周回数(18周終わり)でピットに入る予定でしたけど、僕も乗り込む準備をしていて何周目だったのかはわかっていなかった。セクター3を走っているときに『今(ピットインに)入るよ!』と聞いて、とっさに動きました」と坪井。

「クルマに乗って、追い上げなきゃいけないなと思ってピットアウトしたら、アウトラップの1周目か2周目のところで『ごめん。もう1回(ピットに)入らないといけない』と(無線で)聞きました。そこまで集中していた糸が切れちゃった感じがして、意気消沈しました」

「でも、レースは最後まで何があるかわからない。集中力を切らしてリタイアしても無駄ですし、走行データを集めないといけないので前のクルマをオーバーテイクしてプッシュしました。もう1回セーフティカーが入ればミスは帳消しになる可能性もあるので、最後まで諦めちゃいけないと思ってプッシュしつづけて、クルマのフィードバックをしっかり伝えました」と、レース後に語る坪井。

 昨年チャンピオンに輝いたWAKO’Sだが、今年はチーム体制が一新しており、運営面、そしてメカニックを始めとしたスタッフ構成は昨年とは大きく異なる。エントラント名もROOKIE Racingとして実質は1年目のチームでもある。

 GT500参戦2年目ながら今年、目覚ましいパフォーマンスを見せる坪井はチームを代表するかのように、そして愛を込めて、厳しい言葉でチームを叱咤激励する。

「本当に情けないミス。勝手にとっちらかってしまった感じですね。しょうがないで片づけていい問題ではないくらいのしょうもないミスなので、チーム全体でもう一度意識を改めないといけない。ここまでせっかくいい流れで来ているのに残り2戦、こういう凡ミスでレースを失ってしまうのはすごくもったいない。今回、新しいチームでのボロが出てしまったと感じています。GT500のチームでこういうミスはしてはいいけない」と坪井。

 それでも、第6戦を終えてランキングトップ5がわずか2ポイント差に凝縮する超接戦のなか、1ポイント差でWAKO’S 4CR GRスープラはトップを守ることができた。

「これが優勝争いをしている時のミスでなかったというのが本当に幸いでした。チャンピオンを争っていた37号車もノーポイントで、ウエイトハンデが軽いチームが勝ってくれたので、そこだけは良かったなとは思います。残り2戦、前回のもてぎの結果もよかったですし富士は毎回絶好調なので一度、意識改革をしてリセットして残り2戦に臨みたいです」と、最後はポジティブシンキングで締めくくった坪井。

 今回のMOTUL AUTECH GT-Rのテール・トゥ・ウインのように、レースはチェッカーを受けるまで何が起こるかわからず、トラブルやアクシデント、そしてミスはどんな時でも起こり得る。

 特にスーパーGTは自動車メーカーにタイヤメーカー、クラス違いの混走とさまざまな要素が複雑に絡みあい、トラブルやアクシデント、想定外の出来事は日常茶飯事ともいえる難しいカテゴリー。起きてしまったミスをこの先どのように活かし、そして克服して乗り越えていくのかが今年のGT500クラスのタイトル争いの鍵になりそうだ。

スーパーGT第6戦鈴鹿日曜
日曜日のウォームアップ走行でのWAKO’S 4CR GRスープラ
スーパーGT第6戦鈴鹿 WAKO’S 4CR GRスープラ
スターティンググリッドでのWAKO’S 4CR GRスープラ坪井翔

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